飲食店の「ニッパチ」は本当!?飲食店の猛暑対策を調査~3割が、夏メニューの提供期間を延長~
飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、夏本番に向けて、飲食店ドットコム会員を対象に、飲食店における「夏」対策についてアンケート調査を実施いたしました。
本調査について
■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:421
調査期間:2024年7月2日~2024年7月8日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち69.8%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は50.4%(首都圏の飲食店の割合は66.4%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
また、回答者の業態及び店舗の立地は下記の通りです。
調査結果について
飲食店の47%が「8月に業績が悪化する」と回答
まず、飲食店運営にあたり「ニッパチ」があてはまるかについて聞いたところ、「あてはまる(2月・8月に業績が下がる)」(28.5%)、「2月だけあてはまる」(19.2%)、「8月だけあてはまる」(18.5%)、「全くあてはまらない」(33.7%)と、という結果になりました。
次に、8月は、年間の月平均売上と比較して例年どの程度かについて聞いたところ、最も多かったのが「ほぼ平均と同じ」(28.3%)、続いて「1〜2割低い」(26.1%)、「2〜3割低い」(17.8%)という結果になりました。また逆に、「1〜2割高い」(13.3%)など、売上が高くなる飲食店も21.2%いる結果になりました。
▼8月は、年間の月平均売上と比較して、例年どの程度ですか?(N=421)
また、8月と年間月平均売上との比較について立地別に見てみると、オフィス街は売上が下がる割合が高く、観光地は場所によって二極化するという傾向が見られました。お盆など長期休みの影響が出ていると考えられます。
▼8月は、年間の月平均売上と比較して、例年どの程度ですか?(立地別)(N=421)
飲食店の58%が「夏メニュー」を用意
続いて、飲食店が「夏メニュー」を用意しているかについて聞きました。最も多かった回答は「している」(58.0%)、次に「していないが導入検討中」(17.3%)、と73.5%が夏メニューを用意し(ようとし)ている結果となりました。
さらに、具体的にどのような「夏メニュー」を提供(検討)しているか聞いたところ、最も多かったのが「冷たい料理」(58.7%)で、「辛い料理」(25.2%)や「スタミナ料理」(14.8%)よりも2倍以上提供(検討)されていることがわかりました。
今年の「夏メニュー」提供開始は「7月上旬」、終了は「9月下旬」が最多
次に、今年の「夏メニュー」提供期間について聞きました。最も多かった提供開始時期は「7月上旬」(29.1%)、提供終了時期は「9月下旬」(36.9%)という結果となりました。
中には4月から提供を開始する店舗や10月上旬まで提供をしている店舗も見られました。
この数年で「夏メニュー」の「提供期間を長くした」飲食店は約30%
さらに、この数年で、「夏メニュー」の提供期間を変更したか聞いたところ、最も多い62.3%は「特に変わらない」としたものの、30.3%が「提供期間を長くした」と回答しました。
▼この数年「夏メニュー」の提供期間を変更しましたか?(N=244)
「夏メニュー」の提供期間を変更した方に、その理由を聞いたところ、さまざまな回答が寄せられました。
<猛暑の長期化による期間延長>
・毎年だんだん暑い日が増えている印象。特に今年は梅雨が来る前に暑い日が多かったので、早めに始めました。 (東京都/カフェ/2店舗)
・猛暑が長引くと予想している (埼玉県/カフェ/1店舗)
・高い気温の時期の長期化 (埼玉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・暑さが尋常でないため、早くから涼しさをアピールした。 (神奈川県/カフェ/1店舗)
<夏食材の供給期間に合わせての提供時期変更>
・使っている夏の食材の供給が安定しないため。特にジュンサイ。 (東京都/和食/1店舗)
・暑くなり始めが暑いのと今年は夏野菜の出始めが早かったので (神奈川県/バー/1店舗)
・春、秋の食材の入荷状況によって(近年暑さのため秋らしい期間がなくなり、サンマ等の季節食材も激減しているので仕方なく期間を延ばしている) (神奈川県/イタリア料理/2店舗)
<その他>
・集客のため (東京都/専門料理/6~10店舗)
・お客さんが旬の先取りを求めるのが前倒ししているため (三重県/その他/1店舗)
・お客様からの要望で販売時期を伸ばしている。 (東京都/ラーメン/1店舗)
猛暑日に最も売上が上がるメニューは「冷たいドリンク」
次に、猛暑日に売上が上がるメニューがあるか聞いたところ、41.6%が「ある」と回答しました。
さらに、具体的に最も売上が上がるメニューのジャンルを聞いたところ、最も多かったのは「冷たいドリンク」(42.9%)、続いて「冷たい料理」(29.1%)で、「冷たいデザート」(9.1%)、「辛い料理」(5.1%)など他のジャンルよりも売上が上がることが明らかになりました。
34%の飲食店が売上予測や仕入れ・仕込みに天気予報で「予想気温」をチェック
続いて、売上予測や仕入れ・仕込みに際し、天気予報で「予想気温」をチェックしているかを聞いたところ、34.4%が「チェックする」、65.6%が「チェックしない」という結果になりました。
▼売上予測や仕入れ・仕込みに際して、天気予報で「予想気温」をチェックしますか?(N=421)
さらに、「予想気温」に応じてどのような調整をするか聞いたところ、さまざまな意見が寄せられました。
<仕入れ・仕込みを増やす>
・冷たい食材や生ビールを補充する。 (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・かき氷の氷の仕込みを増やしたり、冷たいドリンクの準備を多めに用意しておく。(東京都/カフェ/2店舗)
・気温が高い場合は氷ものや辛いものが増えるので増やしておく、気温が低い時は暖かいスープ等が増えるので仕込みを増やしておくなど (神奈川県/焼肉/11~30店舗)
・5度一気に上がる時は生ビールが出るので、ビールに合わせやすい料理を考えだす (東京都/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
<仕入れ、仕込みを減らす>
・猛暑日は仕込み量を減らすなど (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・フードの仕込み量を変えてロスを減らす工夫をします (東京都/カフェ/1店舗)
・仕入れを極力抑える (東京都/フランス料理/1店舗)
・重たい料理の準備量を減らす (神奈川県/その他/101店舗以上)
・猛暑日は仕込み量を15%程度減らす (東京都/アジア料理/1店舗)
・気温が35度を超える予報の場合、客数減が見込まれるため、仕込み量を減らす。 (愛知県/和食/1店舗)
・30度超える場合仕入れを控える (千葉県/テイクアウト/3~5店舗)
<仕込みやメニュー内容を変える>
・定食類はサッパリなメニューにし、つけ麺や冷たい麺類、スパイシーなカレーをふやしています。 (東京都/その他/1店舗)
・日持ちが悪くなるので、生物を抑え冷製日持ち品に変える (東京都/バー/1店舗)
・抜栓するグラスワインを変える (東京都/フランス料理/2店舗)
・日替わりのおすすめメニューの内容を変える (東京都/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)
・チャームのお菓子を出しますが、できるだけ湿気に強く、べたつかないものを出します (愛知県/カラオケ・パブ・スナック/2店舗)
<店内準備>
・料理をする際に湿度が大きく影響するので、お客様がいらっしゃる前にエアコンで室内湿度を下げている (東京都/専門料理/1店舗)
・冷房のチェック (東京都/イタリア料理/3~5店舗)
・スタッフシフト調整 (京都府/ラーメン/1店舗)
夏によく出る人気メニュー・自慢メニュー紹介
飲食店おすすめの「夏メニュー」を聞いたところ、さまざまなメニューが挙げられました。
<アルコール>
・箱根地ビール (神奈川県/和食/1店舗)
・フローズンチューハイ (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・モヒート、ミントジュレップは夏限定。「限定」に惹かれて頼む人がいる。 (東京都/バー/1店舗)
・山椒ドリンク (東京都/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・桃をお尻の形にかたどった、「桃尻レモンサワー」。提供の10分以上かかるので表には出さないいわゆる裏メニュー扱いですが、SNSを中心に口コミが広がり昨年は月間100杯以上の出数となりました。(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
<ソフトドリンク>
・コールドブリューコーヒー
・自家製ジンジャエール
・通常の冷たいドリンクをフロートに。 (東京都/カフェ/1店舗)
・冷凍フルーツジュース (大阪府/カフェ/1店舗)
<オリジナルメニュー>
・昨今の辛い物ブームに乗っかって、激辛メニューを用意している。 (大分県/テイクアウト/1店舗)
・ピリ辛ヒラヤーチー (沖縄県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・激辛パスタ (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・冷やし炊合せ (京都府/和食/1店舗)
・生ウニのせ冷し茶碗蒸し (宮城県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・夏限定!まかないカレーライス、魚介&野菜の盛合せ天丼 (神奈川県/和食/1店舗)
<スイーツ>
・こしあんのプリン (東京都/テイクアウト/1店舗)
・夏祭りをビジュアルで表現したアフタヌーンティー (埼玉県/洋食/1店舗)
・かき氷(ふわふわのタイプ、ピューレを使った本格的な自家製シロップ) (東京都/カフェ/2店舗)
・季節の果実を使ったかき氷やスムージー、シェイクなど。 (愛知県/カフェ/1店舗)
猛暑に向けたお悩み・お困りごと
飲食店ならではの猛暑に向けたお悩みやお困りごとを聞いたところ、さまざまな意見が寄せられました。
<エアコン>
・電気代の高騰 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・エアコンの直接当たる風がどうにかならないものかと感じている (東京都/専門料理/1店舗)
・店内温度の調整(入店直後のお客さまと入店して暫く経ったお客さまの体感温度が異なる) (東京都/カフェ/1店舗)
・外気温が高過ぎる日は、店内の空調が効かない。厨房の熱が客席までいってしまう。 (愛知県/カフェ/1店舗)
・厨房の暑さ対策 (東京都/和食/2店舗)
<客足>
・外出が減る (愛知県/バー/2店舗)
・どうしても暑い時間帯は客足が悪くなる。かと言って、日中の来店を促す手段は簡単には思いつかないが、今年はその対応案としてUberの対応を始めた。効果が期待できるかは今のところ未知数。 (東京都/カフェ/2店舗)
・人通りが極端に減ります。デリバリー強化です。 (大阪府/テイクアウト/1店舗)
<衛生面>
・持ち帰りが敬遠される (東京都/テイクアウト/1店舗)
・食中毒 (大阪府/カフェ/1店舗)
・衛生面での対象として非加熱のものは極力減らしていく (東京都/カフェ/2店舗)
・虫対策 (愛知県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)
<食材・メニュー>
・野菜の高騰 (埼玉県/お弁当・惣菜・デリ/1店舗)
・使える野菜が少ない (東京都/和食/1店舗)
・どんなに暑くても食べたくなるらーめんを作ること (東京都/ラーメン/1店舗)
・フレンチ系は特に暑くなると下がる。夏に強いフレンチのメニューなどあればご教示頂きたい (奈良県/フランス料理/1店舗)
<スタッフ・人材>
・スタッフの体調管理 (埼玉県/洋食/1店舗)
・スタッフの体力低下。 (東京都/バー/1店舗)
・従業員のこまめな小休憩、水分補給の調整。 (和歌山県/カフェ/1店舗)
■調査結果の引用時のお願い
・クレジットに「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」
(https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。
■株式会社シンクロ・フードについて
当社は、”多様な飲食体験から生まれるしあわせを、日本中に、そして世界へと広げる”というビジョンのもと、飲食店経営・運営を支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営しています。テクノロジーを最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・情報・サービス」など多様な選択肢をシンプル・スピーディに提供していくことで、飲食業界の発展・関わる人のしあわせに貢献してまいります。
【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン3階
【代表者】 代表取締役 藤代 真一
【上場市場】 東京証券取引所プライム市場
【URL】 http://www.synchro-food.co.jp/
本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
株式会社シンクロ・フード 広報 今西・大木
Mail:public-relations@synchro-food.co.jp
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