日立、パブリッククラウド環境でミッションクリティカル業務の継続性を高める「クラウド高信頼化ソリューション」を提供開始
新開発HVRDと高信頼な基幹システムを支える日立のミドルウェアを結集し、安全なAI活用に向け強化

株式会社日立製作所(以下、日立)は、AIをはじめとする最新デジタル技術の活用が可能なパブリッククラウド環境に、基幹システムを移行する企業に向け、ミッションクリティカルな業務の継続性を高める「クラウド高信頼化ソリューション」(以下、本ソリューション)を、9月2日より提供開始*1します。
本ソリューションは、パブリッククラウド上の障害発生時において、数十秒*2で待機系システムへの自動切り替えを実現するなど、オンプレミス環境と同等の迅速なシステム復旧とデータロストの回避を実現するものです。日立が新たに開発したミドルウェア「Hitachi Volume Replication Driver」(以下、HVRD)と、「HAモニタ」「HiRDB」「OpenTP1」「JP1」などミッションクリティカルシステムで豊富な実績をもつミドルウェア*3を密連携させ一体的に制御することで実現します。これにより、障害検知から待機系への切り替えやデータ保全にいたる一連のプロセスを自動化し、運用部門に頼ることなく、業務を止めない高い継続性を可能にします。さらに障害発生時には、「日立サポート360」により、責任範囲の判断が難しいクラウド環境における問題の切り分けや原因解析、システム復旧までをワンストップで支援します。加えて、長年のシステム移行実績から得たノウハウによるベストプラクティスを活用することで、既存システムからの迅速かつ安全なクラウド移行も支援します。これらにより、金融取引・公共サービス・交通網・電力送電網・サプライチェーンといった社会インフラを支えるミッションクリティカルなシステムについても、安心してパブリッククラウド環境を利用でき、AIをはじめとするデジタル技術の活用を加速させます。
今後も日立は、長年培ってきたミッションクリティカルなナレッジと最新のクラウド技術の知見を融合し、最新アーキテクチャーに適した高信頼化や、AIで基幹データを安全かつ円滑に活用する仕組みなど、ミドルウェア製品を継続的に強化していきます。2027年度上期には、「HiRDB」においてAIとの安全なデータ連携を強化するほか、「uCosminexus Application Server / Runtime」、「COBOL2002」*3において、AIエージェントを活用したアプリケーションの安定稼働の支援を強化予定です。また、システムの運用に関しては、「JP1」の運用自動化に加え、「Hitachi Application Reliability Centers」(以下、HARC)*4において運用変革ノウハウに基づくAIエージェントの拡充を予定しています。これらにより、日立は、お客さまの事業を支える基幹システムの継続的なモダナイゼーションを支援し、企業の成長に貢献していきます。
*1:アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の同一リージョン内マルチアベイラビリティゾーンの環境から提供開始。
*2:AWS環境での検証結果に基づくものであり、効果はシステム構成や利用環境により異なります。
*3:日立のミドルウェア https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/30th_anniversary/?ni=260902
*4:Hitachi Application Reliability Centers https://www.hitachi.co.jp/products/it/harmonious/cloud/articles/harc/?ni=260902
背景
現在、AIの急速な進化に伴い、企業の事業変革はこれまで以上に俊敏性と柔軟性が求められています。一方で、金融・行政・交通・電力などの社会インフラを支えるミッションクリティカルなシステムには、障害が発生しても更新データの消失を防ぎ、復旧時間を極小化するといった高い業務継続性と安定性が求められます。そのためには、システムの一部に障害が発生してもサービスを継続できる構成や、データ更新の途中に障害が発生した際にも、データの整合性を維持できる仕組みが必要です。
日立は、お客さまの重要な資産である基幹データを強固に守りながら、AIネイティブな基幹システムに刷新し、業務・IT・組織の変革を一体的に推進する「モダナイゼーション powered by Lumada*5」を2025年より提供開始し、サービス内容を順次拡充しています。今回、その基盤の強化として、ミッションクリティカルを支えてきたVOS3*6システムを継承する日立のミドルウェアのプラットフォーム技術、非機能要件の評価・耐障害性のナレッジ、および最新のクラウド技術を踏まえて、日立独自のミドルウェア「HVRD」を開発しました。あわせて、「HAモニタ」「HiRDB」などのミドルウェアと連携した、パブリッククラウド環境の高信頼化を支える新ソリューションを提供開始しました。
*5:AIネイティブな基幹システムへ刷新する「モダナイゼーション powered by Lumada」を提供開始:2025年10月21日
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2025/10/1021.html
*6:Virtual-storage Operating System 3:日立の専用オペレーティングシステム(OS)
新ソリューションの特長
(1)クラウド障害発生時の迅速かつ確実なシステム復旧を実現
パブリッククラウドにおいてシステムの可用性を高めるためには、複数のデータセンター(アベイラビリティゾーン:以下AZ)を活用した冗長化が一般的となっています。しかし、パブリッククラウドの標準的な仕組みだけでは、障害発生時におけるデータロストの確実な防止と、極小的なダウンタイムでのシステム切り替えを両立することは容易ではありません。例えば、ネットワーク障害時に、データ更新のI/O処理待ちが発生した場合、データの整合性確保のため、システム切り替えを待機する必要がありました。
本ソリューションでは、日立が新たに独自開発した「HVRD」により、更新データを待機系のAZへリアルタイムに複製し、万一の障害時にも確実にデータロストを回避します。さらに、「HAモニタ」との連携により、障害検知からデータ更新の状態にあわせたI/Oの閉塞を行うことで、障害を検知した際には待機系システムへの切り替えを短時間(数十秒*2)で自動的に実行します。特に、「HiRDB」「OpenTP1」「JP1」を組み合わせた大規模なオンライン処理やバッチ処理を含む基幹システムに有効です。これらにより、ミッションクリティカルシステムで求められる「データロストの防止」と「非稼働時間の極小化」を、パブリッククラウド環境においても高い次元で両立します。
(2)問題切り分けから原因解明と復旧までをワンストップでサポート
パブリッククラウド、OS、ミドルウェア、アプリケーションが複雑に絡み合う環境において障害が発生した場合、どこで問題が発生しているのかを特定することが難しく、多くの時間と工数を要することがあります。一般的なクラウドサービスの責任共有モデルでは、こうした障害発生時の対応の一部がユーザー企業の責任範囲となるため、通常の運用時では意識しないプラットフォームレイヤーの知見も必要となり、運用上の大きな課題となっています。
日立は、「日立サポート360」により、複数レイヤーにまたがる問題をワンストップで受け付け、原因の切り分けから根本原因の特定、復旧支援までを一括してサポートします。また、システム全体のログや障害発生時のダンプ情報など、原因究明に必要な情報を収集でき、高精度な原因特定を迅速に行うことが可能です。さらに、24時間週7日のサポートや重要システムに関する専任体制により、ミッションクリティカルシステムの安定した運用を支援します。
オンプレミス環境で培った日立のノウハウをパブリッククラウド環境でも活用できるため、お客さまは障害発生時の運用負荷を軽減しながら、システムの迅速な復旧と確かな安定稼働を維持できます。
(3)日立の経験に基づくベストプラクティスで、迅速かつ安全なクラウド移行を実現
既存システムのクラウド移行は、性能・可用性・運用性といった非機能要件の評価、アプリケーションの改修・データ移行など、高度な専門性が必要です。日立は、VOS3やUNIXをはじめとするミッションクリティカルシステムの移行経験を通じて、クラウド移行に関する設計・構築・移行・運用のベストプラクティスを確立しています。
お客さまの既存システムと移行後の非機能要件を踏まえ、プラットフォームエンジニアがアセスメントを実施し、コストと信頼性のバランスを考慮した移行先やベストプラクティス構成を提案し、お客さまの合理的な判断を支援します。また、移行プロジェクトにおいては、基幹業務向けクラウド環境の設計・運用・移行のベストプラクティスを活用することで、システム設計・構築・テストの品質を確保しながら移行工数の最適化を図ります。大量の基幹データの移行も日立のナレッジにより、移行時の停止時間や業務影響を最小化します。これにより、ミッションクリティカルシステムの迅速かつ安全なクラウド移行を実現します。
さらに、運用面においては、マルチクラウド環境上のシステムを統合運用可能な「JP1」や、クラウドに適した運用への変革を支援する「HARC」を活用することで、アジリティと信頼性を両立するための運用最適化を支援します。
新ソリューションの価格および提供開始時期

*7 AWS環境から提供開始(その他の環境については、お問い合わせください)。
*8 日立サポート360のLinux高信頼化オプション(HA Logger Kit for Linux、Linux Tough Dump)が別途必要。
*9 管理対象となる仮想サーバーごとに必要となる1ライセンスあたりの価格。年間契約が必要。機能制限なしの標準価格の場合。
ミッションクリティカル領域のモダナイズを支える日立のミドルウェア
日立は、メインフレームからオープンシステムへの移行期であった1994年から30年以上にわたり、アプリケーションの互換性を維持したCOBOLや運用管理・データベース・アプリケーション実行基盤などプラットフォームの違いを吸収するミドルウェアを継続的に進化させ、多くの基幹システムのマイグレーションを支援してきました。また、近年クラウドとAI技術の進展に対応し、DevSecOpsのアプローチに適したコンテナ環境やマイクロサービス基盤の高信頼化や、最新のOSS技術を取り込んだAIエージェントのアクセス制御のソリューションなどを拡充しています。
今回、ミッションクリティカルシステムをパブリッククラウド上で稼働させるための非機能要件である非稼働時間の極小化とデータ消失の回避を実現するために、新たなミドルウェア「HVRD」を開発しました。
今後も、基幹データの安全なAI活用や、社会インフラに必要な信頼性と変化への柔軟な対応の両立、運用の最適化に向けて、AIサービスとミドルウェアの連携やモダンアーキテクチャーに適した高信頼化、AIによる自動化などを継続的に強化していきます。
関連サイト
日立のモダナイゼーション https://www.hitachi.co.jp/products/it/CloudDX/modernization/?ni=260902
日立のオープンミドルウェア https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/30th_anniversary/?ni=260902
商標注記
記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所
AI&ソフトウェアサービスビジネスユニット マネージド&プラットフォームサービス事業部
お問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/
以上
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