高輪築堤跡 これからの100年に向けて~「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくりの中での高輪築堤の継承~

東日本旅客鉄道株式会社

○東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」)は、「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくりに取り組み、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として新たなビジネス・文化が生まれ続ける街を目指しています。

○約150年前、日本初の鉄道が開業した時の構造物である高輪築堤が、良好な状態で出土されたことは、鉄道会社である当社にとって大変意義深いものです。2021年9月17日に国の史跡として指定された高輪築堤跡について、地域の皆さまや国内外のお客さまに、日本の近代化を支えた鉄道施設である高輪築堤の意義を実感していただけるよう、有識者のご指導や技術的見解を踏まえ、保存・公開方法を検討してきました。このたび、文化財保護法に基づき保存活用計画を策定し、2023年5月26日に文化庁長官の認定を受けました。

○高輪築堤の歴史的価値と日本で初めて鉄道が走ったイノベーションの地としての記憶を継承すべく、保存活用計画を踏まえた検討を引き続き進め、2027年度の現地公開を目指します。


1.高輪築堤跡に関する主な経緯

 高輪築堤は、1872(明治5)年に日本初の鉄道が新橋・横浜間に開業した際、高輪海岸沿いの海上に鉄道を走らせるために敷設された鉄道敷の遺構です。発掘調査の結果、第7橋梁の橋台を含む開業当初の高輪築堤の遺構が残っていることが判明しました。JR東日本は、考古学・鉄道史などの有識者や文化財行政で構成された高輪築堤調査・保存等検討委員会にて、2021年4月に取りまとめた調査・保存方針に基づき、慎重かつ丁寧に記録保存調査を進めてまいりました。

 日本の交通の近代化や当時の土木技術等の歴史を知る上で重要な遺跡とされ、2021年9月17日に第7橋梁部および公園部が、すでに指定されていた「旧新橋停車場跡」に追加する形で「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」として史跡指定されました。


2.保存活用計画の策定

 国の史跡に指定されたことを踏まえ、2021年12月より「『史跡旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡』における高輪築堤跡保存活用計画等策定・検討委員会」を開催いたしました。そのなかで、様々な分野の有識者及び文化庁、東京都、港区の文化財行政による検討内容のもと、高輪築堤跡の保存活用計画を策定し、2023年5月26日に文化庁長官の認定を受けました。

 高輪築堤を構成する杭や築石の腐朽・塩類析出対策等の保存科学や高輪築堤の構造安定性などについて、有識者のご指導のもと技術的な検討を行い、適切な保存対策および継続的な維持管理を行うことで、高輪築堤跡の現地公開が可能となりました。今後、現地公開に向けて、具体的な検討を進めていきます。(参考1参照)

※高輪築堤跡保存活用計画の詳細および委員会の議事要旨は当社ホームページにて公開します。

 https://www.jreast.co.jp/takanawachikutei/hozonkatsuyou.html


3.今後のまちづくりと高輪築堤跡の保存・公開について

 100年先の心豊かなくらしの実験場として新たなビジネス・文化が生まれ続ける街「TAKANAWA GATEWAY CITY」において、約150年前の近代日本の曙の志を国内外に発信します。具体的には、策定した保存活用計画に基づき、有識者のご指導のもと、以下のような取り組みを検討してまいります。

・発掘時にすでに滅失していた欠損部築石、盛土、バラスト、レール、橋梁等の再現を検討します。

・かつての築堤ライン上は、現地で発掘された築石を活用したランドスケープとし、歴史を感じる空間を創出します。

・ ARやVR等の最先端技術を活用した開業当時の鉄道が走る景観の再現等、高輪築堤を含めた地域資源等を知るきっかけになるような取り組みを検討します。

・高輪築堤も含めた鉄道開業当初の新橋・横浜間約29㎞の記録について、史資料調査や研究成果の収集及び整理を行い、今後の史跡の公開や活用に活かしていきます。

・史資料調査や記録保存調査により得られた知見を踏まえ、高輪築堤や鉄道の歴史を国内外のお客さまが知ることのできる情報発信施設等を整備します。


4.公開時期について

 高輪築堤跡の現地公開時期は、2027年度を予定しています。今後、周辺のまちづくり工事等の進捗状況も踏まえつつ、有識者のご指導のもと検討を進め、遺構の保存と公開に向けた整備等を行っていきますので、具体的な時期が決定次第お知らせします。


【現地公開イメージ】

・第7橋梁部公開イメージ

複合棟Ⅱの1階から第7橋梁部を眺めるイメージ複合棟Ⅱの1階から第7橋梁部を眺めるイメージ

複合棟Ⅱの2階プロムナードから第7橋梁部を眺めるイメージ複合棟Ⅱの2階プロムナードから第7橋梁部を眺めるイメージ

※公開イメージは現時点の案であり、今後変更となる可能性があります。


・公園部公開イメージ

公園地下から高輪築堤跡を眺めるイメージ公園地下から高輪築堤跡を眺めるイメージ

文化創造棟3階テラスから高輪築堤跡を眺めるイメージ文化創造棟3階テラスから高輪築堤跡を眺めるイメージ

※公開イメージは現時点の案であり、今後変更となる可能性があります。


【参考1】

高輪築堤跡 現地公開に向けた保存のための取り組み

・検討・対策のステップ

・保存対策対象

※上記は有識者のご助言をいただきながら、検討を進めている実施イメージです。また、現在は一部の事前調査を実施しています。


【参考2】

<「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくり 概要>

 江戸の玄関口としての役割を担った歴史的背景および国内初の鉄道が走った地におけるイノベーションの記憶を継承し、開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げ、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として新たなビジネス・文化が生まれ続ける街を目指しています。

 複合棟Ⅰおよび高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末(2025年3月)に開業し、その他の棟(複合棟Ⅱ・文化創造棟・住宅棟)および各棟周辺エリアを2025年度中に開業します。

 公式ウェブサイト(https://www.takanawagateway-city.com

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会社概要

東日本旅客鉄道株式会社

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URL
https://www.jreast.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区代々木2-2-2 JR東日本本社ビル
電話番号
-
代表者名
喜㔟陽一
上場
東証1部
資本金
20億円
設立
1987年04月