緊急事態宣言発令からもうすぐ1年。巣ごもりで書籍販売冊数は約20％アップ！2020年「売れた書籍」で振り返る、コロナ禍の生活とトレンドの変化

－あつ森攻略本、手作りマスク本、鬼滅の刃、ペストなど2020年を象徴する書籍が上位に－

　大日本印刷株式会社（DNP）が株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」（https://honto.jp/）は、最初の緊急事態宣言発令からもうすぐ１年が経過することに合わせて、2020年と2019年の書籍購買データを比較。その結果として、巣ごもりの影響で書籍販売冊数は約20％アップしたことと、販売冊数の変化が大きい書籍ジャンルの販売冊数上位の書籍から読み取れる、コロナ禍の生活とトレンドの変化について発表いたします。

結果サマリー 【2019‐2020年の書籍販売冊数の動向】 書籍の販売冊数（紙＋電子全体）は、2018年から2019年の伸び率が100%に対して2019年から2020年が119%と19%アップしました。総務省統計局の『家計調査報告』でも、一世帯当たりの書籍の支出金額は2019年 7807円 → 2020年 8466円（約108％）に増えています。2020年の巣ごもり期間には書籍の購入が増加したと言えます。 【書籍購買動向からの考察】 では、書籍の購入が増えた2020年にはどんな書籍が買われたのでしょうか。特に販売冊数の伸長率の高かった書籍のジャンルから生活者の変化を考察しました。 1．ゲーム・アニメ・サブカルチャー／ゲーム：販売冊数伸長率147%（対前年比） Nintendo Switchを始めとしたゲーム攻略本が上位ランクイン。外出自粛期間でも自宅に居ながらゲーム上では人が集まれるため人気となったと考えられます。外出していた時間がゲームに置き換わったことがうかがえます。 2．暮らし・実用／工作・手芸・クラフト：販売冊数伸長率131%（対前年比） 裁縫の基礎解説本が前年7位から首位に。自宅で手作りマスクが簡単に作れるムック本も人気となりました。手作りマスクを機に「裁縫」への興味が高まり、自宅で裁縫をする人が増えたと推測できます。 3．漫画・コミック：販売冊数伸長率122%（対前年比） 2020年もジャンルTOP10を『鬼滅の刃』が独占しましたが、2020年は50～60代の電子の購買が125％と伸びた影響も大きく、2019年よりも販売数を大幅に伸ばし、漫画ジャンル全体の売上を牽引しました。 4．文庫／一般：販売冊数伸長率115%（対前年比） 本屋大賞受賞作や人気著者を抑え、『ペスト』が第1位に。2位に1.5倍の差をつける販売数となりました。緊急事態宣言下に多くの人に読まれた2020年を象徴する一冊と言えます。 5．趣味・ホビー：販売冊数伸長率122%（対前年比） スケッチ、カメラ、ソロキャンプ関連の趣味本が人気となりました。複数人で出かけられない分、一人で楽しめる趣味を求める人が増えたことが読み取れます。 （本リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は「ハイブリッド型総合書店honto調べ」と記載願います）

【2019‐2020年の書籍販売冊数の動向】

※小数点第一位切り上げ

【ジャンルごとの動向】

※小数点第一位切り上げ

1．ゲーム・アニメ・サブカルチャー／ゲーム

Nintendo Switchを始めとしたゲームの攻略本が上位ランクインし、ゲームジャンルは大きく販売数を伸ばしました。特に第1位の『あつまれどうぶつの森完全攻略本＋超カタログ』は突出して人気を集めたことから、外出自粛でもゲーム上では人が集まれるため人気となったと考えられます。巣ごもり期間前には外出していた時間が、巣ごもり期間中はゲームに置き換わったことがうかがえます。

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

 

2．暮らし・実用／工作・手芸・クラフト

手作りマスク関連書籍が3冊ランクイン。自宅で手作りマスクが簡単に作れる型紙のついたムック本が人気を集めました。裁縫の基礎解説本『一生使えるおさいほうの基本 親切すぎる徹底解説（実用No.1）』が前年7位から首位となり、大きく売り上げを伸ばしました。手作りマスクを機に「裁縫」への興味が高まり、自宅で裁縫をする人が増えたと推測できます。

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

 

※小数点第一位切り上げ　※セット商品は1セット＝１冊で集計

3．漫画・コミック
2019年からヒットが続く『鬼滅の刃』ですが、映画化や巣ごもり期間の影響もあり2020年は前年よりも販売冊数を更に伸ばし、漫画・コミックジャンル全体の売上増を牽引しました。ジャンル全体の電子書籍の伸び率を年代別に見ると、10代では2019年前年比200％強から2020年は約180％と前年をやや下回った一方、50～60代による購買が2019年の前年比約117％から2020年は125％と伸びており、人気作品が50～60代の電子コミックを読むきっかけになったことが伺えます。また『SPY×FAMILY』『呪術廻戦』なども人気を伸ばし、上位50位中48作品を集英社作品が占めたのも特徴的でした。

 

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

 

※小数点第一位切り上げ

4．文庫／一般
本屋大賞受賞作や人気著者を抑え、『ペスト』が第1位に。2位に1.5倍の差をつける販売数となりました。緊急事態宣言下に多くの人に読まれた2020年を象徴する一冊と言えます。

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

 

※小数点第一位切り上げ

5．趣味・ホビー
スケッチ、カメラ、ソロキャンプ関連の趣味本が人気となりました。複数人で出かけられない分、一人で楽しめる趣味を求める人が増えたことが読み取れます。また、2019年発売の『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル １』が前年1.5倍の販売数で2020年の首位に、こちらも巣ごもり期間に自宅でできるドリルが需要とマッチした結果と言えるでしょう。

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

 

※小数点第一位切り上げ

6．暮らし・実用／家計
初心者向けのお金の基礎知識や投資のノウハウ本が上位に。1位の『今さら聞けないお金の超基本 節約・貯蓄・投資の前に ビジュアル版 （大人のリテラシー）』2019年よりも107%売上を伸ばし、コロナによる生活環境の変化によって、ますます金銭面の不安に備える対処法を求めている様子がうかがえます。

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

 

※小数点第一位切り上げ

7．経済・ビジネス／経営・ビジネス
2020年7月30日に亡くなった外山滋比古さんの代表作『思考の整理学』が1位に、『嫌われる勇気』が前年10位から5位へ順位を上げました。また『人は話し方が9割』『話すチカラ』などの書籍が上位にランクインしていることからも、テレワークの普及やオンラインミーティングの増加で、新しい形でのコミュニケーションが求められるビジネス環境の変化への対応策として、人との対話方法・コミュニケーション方法を学ぶ動きが活発になっていると言えるでしょう。

<2020・2019年の販売冊数上位10タイトル>

  
8．旅行・地図
一転、販売冊数が低下したのが『旅行・地図』ジャンルです。全体で、電子＋紙の販売冊数の伸び率は70％となり、特に『旅行・地図』の中の『海外旅行ガイド』と『旅行会話』ジャンルの低下が著しく、緊急事態宣言下での諸外国への入国・渡航制限等の影響が見て取れます。しかし『国内旅行ガイド』は、電子＋紙の販売冊数の伸び率が86％、電子のみが92％と海外旅行ガイドほどの落ち込みは見られず、GOTOトラベルの効果で国内旅行への需要が高まったためと思われます。今後、緊急事態宣言の解除後には、再び『旅行・地図』ジャンルの書籍の需要が高まるかもしれません。

※小数点第一位切り上げ

■購買動向・ランキング集計概要
ハイブリッド型総合書店honto（丸善、ジュンク堂書店、文教堂とhontoサイトの本の通販ストア、電子書籍ストア）の全性別・全年代における書籍の購買冊数と購買冊数のランキングを抽出。
※集計期間は、2019年：2019年1月1日～2019年12月31日、2020年：2020年1月1日～12月31日
※本リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は「ハイブリッド型総合書店honto調べ」と記載願います


＜ハイブリッド型総合書店「honto」について＞

「honto」は、ネット書店（本の通販ストア、電子書籍ストア）と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店を連携させた総合書店2012年5月にサービスを開始しました。「読みたい本を、読みたい時に、読みたい形で」提供するサービスで本を愛する人をサポートし、2020年10月には会員数600万人を突破しました。2021年3月現在、hontoサイトと共通で利用できるhontoポイントサービスは約180店舗で展開しています。
≪ハイブリッド型総合書店「honto」公式サイト https://honto.jp/≫

＜大日本印刷株式会社　会社概要＞
・会社名：大日本印刷株式会社（Dai Nippon Printing Co., Ltd.）　　　　https://www.dnp.co.jp/
・社長： 北島 義斉
・所在地：〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号

＜株式会社トゥ・ディファクト　会社概要＞
・会社名：株式会社トゥ・ディファクト（2Dfacto, Inc.）　　　　https://www.2dfacto.co.jp/
・社長：田宮 幸彦
・株主：大日本印刷株式会社
・所在地：〒141-8001 東京都品川区西五反田3-5-20