LIFULL 介護がサービス付き高齢者向け住宅のトレンドデータを発表

入居時費用の相場は6年で約9,000円(約5%)減少し、月額相場は約13,000円(約8%)アップ。「入居時費用あり、月額50万円台」の料金プラン数は7倍に。

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)が運営する業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、本サービスの掲載データやアンケート調査をもとに、サービス付き高齢者向け住宅のトレンドデータを発表しました。

 創設から14年、サービス付き高齢者向け住宅の現在のトレンド

「サービス付き高齢者向け住宅」は、超高齢社会における高齢者の安心できる住居の確保を目指して、2011年に創設された住まいの種別です。バリアフリー構造で、ケアの専門家が常駐し、安否確認や生活相談サービスを提供している高齢者住宅です。制度の後押しと、高齢人口の増加を受け近年供給戸数が伸びており、2025年1月末時点で全国に28万9千699戸(※)あります。

賃貸住宅のため一般的な老人ホームよりも入居時費用がかからない点が人気となっており、現在は要介護者向けからお元気な方向けまで、さまざまなサービス付き高齢者向け住宅が存在します。団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」の該当年である今年、サービス付き高齢者向け住宅の需要はより高まっていくことが予測されます。創設から14年が経過したサービス付き高齢者向け住宅において入居者の傾向や費用相場にどのような傾向が見られるかを、LIFULL 介護では自社データをもとに調査しました。

※サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム 2025年1月末の登録情報より

https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_01.pdf

■ サマリー

  • サービス付き高齢者向け住宅入居希望者の介護度、最も多いのは「自立」次いで「要介護1」

  • 6年で入居時費用が約9,000円(約5%)ダウンした一方、入居時費用ありの月額は約13,000円(約8%)アップ

  • 「入居時費用あり、月額50万円台」の料金プラン数は7倍に。一方で「入居時費用なし月額20万円台」も約1.8倍に増加。料金プランの多様化が進む

  • 地域別費用相場推移では東京、大阪の月額が6%以上アップ。大阪は全国で見ても低価格を維持

サービス付き高齢者向け住宅入居希望者の介護度、最も多いのは「自立」次いで「要介護1」

LIFULL 介護に寄せられた問い合わせデータ(※)のうち、サービス付き高齢者向け住宅にお問い合わせをされた入居対象者の要介護度を集計すると、もっとも多かったのは「自立」(15.6%)、次いで、「要介護1」(15.1%)となっていました。「自立」は介護認定がないお元気な方を指し、「要介護1」は入浴など日常生活動作に一部サポートが必要な状態です。

注目したいのは、よりサポートが必要な要介護2が11.9%、要介護3が9.6%という点です。サービス付き高齢者向け住宅は、新設当初は介護施設と自宅の中間的な高齢者住宅として比較的お元気な方向けの住宅とされていましたが、現在では要介護状態の方も多く入居しており、実際は自宅で介護を受ける生活が継続できない場合に利用する介護施設のような存在として選ばれていることがわかります。

※2025/1/11〜2/7にLIFULL 介護に寄せられた問い合わせデータより入居希望時期を「半年以内」とするデータから集計

6年で入居時費用が約9,000円(約5%)ダウンした一方、入居時費用ありの月額は約13,000円(約8%)アップ

LIFULL 介護で料金プランを掲載している全国のサービス付き高齢者向け住宅の費用相場を年ごとに集計し、推移を見たところ、入居時費用の相場は2018年から2024年で9,329円、およそ5%低下している一方で、月額費用(入居時費用がある料金プランの月額費用)は12,755円、およそ8%上昇していることがわかりました。

月額費用の上昇は地価や物価の高騰に影響されていると見られますが、入居時費用の減少は、サービス付き高齢者向け住宅の戸数の増加に伴い、価格競争が発生し、入居時費用を低価格にする流れが起きていると推察できます。

「入居時費用あり、月額50万円台」の料金プラン数は7倍に。一方で「入居時費用なし月額20万円台」も約1.8倍に増加。料金プランの多様化が進む

どのような月額価格帯のサービス付き高齢者向け住宅が増えているのかを把握するために、LIFULL 介護に掲載された料金プラン数を価格帯ごとに分け、2018年を100%とした時に、2024年にそれぞれどのくらい増減があったかを見てみました。月額費用は一般的に入居時費用に左右される傾向にあるため、入居時費用ありの料金プランと、入居時費用なしの料金プランで分けています。

入居時費用ありの条件では、月額30万円台以上の高価格帯ほど料金プラン数が大きく増加しており、特に月額50万円以上のサービス付き高齢者向け住宅が7倍の伸び率で顕著に増加していることがわかります。2018年の段階で月額50万円以上の料金プランを持つ施設はほとんど存在していませんでしたが、近年は高齢者の細分化されたニーズに応える流れが生まれ、富裕層向けのサービス付き高齢者向け住宅が続々と誕生した結果、月額50万円の料金プラン数が増加したと見られます。

一方で入居時費用なしの条件では、月額10万円台、20万円台で特に大きな増加が見られ、20万円代は伸び率が176%、およそ1.8倍となりました。介護が必要な方の入居先の選択肢として入居時費用なしのサービス付き高齢者向け住宅が挙げられる場合、その競合には、同じく入居時費用がない特別養護老人ホームも含まれる可能性があります。一般的に月額10〜15万円前後の特別養護老人ホームには多くの入居待機者が発生していることがあります。入居時費用なしのサービス付き高齢者向け住宅では、そういった特別養護老人ホームへの入居待ちの方々を取り込むために低価格のプランを増やしていると考えられます。

地域別費用相場推移では東京、大阪の月額が6%以上アップ。大阪は全国で見ても低価格を維持

地域別で費用相場の推移データを調べたところ、東京では入居時費用なしの月額費用が12,369円、6.59%上昇、大阪では入居時費用ありの月額が10,389円、7.78%上昇していました。大阪は入居時費用も7,854円、4.26%上昇していますが、費用相場は東京都、愛知県より低額の19万円台に止まっています。

大阪では元々低価格帯のサービス付き高齢者向け住宅のニーズが高く、施設数も全国の都道府県の中でトップなことから、価格競争が激しく、物価高騰を受けても全国的に相場が安くなっていると見られます。

 「LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹(こすげひでき)のコメント

LIFULL 介護編集長 小菅秀樹

サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)は、2011年の制度開始当初、比較的お元気なシニア向けの住宅として整備が進められました。しかし、近年ではその役割が大きく変化しています。本調査の中でも、入居希望者の中で自立者の割合は約15%程度にとどまり、多くのサ高住は要支援・要介護者向けの施設として運営されています。これは、高齢化の進行に伴って、介護が必要な人々の住み替え先のニーズが高まっているためです。

サ高住の料金体系は、入居時に家賃の数ヶ月分を支払う形が一般的で、有料老人ホームと比べて入居しやすいのが特徴です。しかし、入居後に介護が必要になると、訪問介護やデイサービスなどの介護サービス費用が加算されるため、実際にどのくらいの負担になるのかを事前に確認することが重要です。

一方で、団塊世代の高齢化が進む中、自宅での生活には不安があるものの、まだ老人ホームに入るのは早いと考える層に向けた「アクティブシニア向け」のサ高住も増加しています。一般的なサ高住の居室面積は18~25平米程度ですが、30平米以上の広い居住空間や充実した共用設備、ホテル並みのサービスを提供する物件も登場。大手デベロッパーやハウスメーカー各社がハイクラスな自立高齢者をターゲットとした住まいを提供しています。入居を検討する際は、自身のライフスタイルや将来的な介護を見据え、適切な施設を選ぶことがポイントです。


株式会社LIFULL senior について

「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決するさまざまな事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。

株式会社LIFULL senior について(https://lifull-senior.com/

会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)

所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4

代表取締役:泉 雅人

設立:2015年7月1日

事業内容:

老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営

https://kaigo.homes.co.jp/

遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営

https://m-ihinseiri.jp/

介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営

https://lp.kaimonoc.jp/

自治体向け買い物弱者支援ツール『買い物コネクト』の運営

https://lp-g.kaimonoc.jp/

介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/

株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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会社概要

株式会社LIFULL

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URL
https://lifull.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月