「写真新世紀」2020年度のグランプリが樋口 誠也氏に決定

2020年10月30日(金)に、キヤノン主催の文化支援プロジェクト「写真新世紀」の2020年度(第43回公募)のグランプリ選出公開審査会が、東京都写真美術館(東京都・目黒区)で行われ、樋口 誠也氏(受賞作品「some things do not flow in the water」)がグランプリを受賞しました。

 樋口 誠也氏のグランプリ受賞作品『some things do not flow in the water』(動画作品) 樋口 誠也氏のグランプリ受賞作品『some things do not flow in the water』(動画作品)

「写真新世紀」2020年度(第43回公募)は、2020年3月18日(水)から5月31日(日)の期間で募集を行い、国内外から過去最多となる2,002名(組)の応募がありました。これらの数多くの応募の中から6月の優秀賞選出審査会で、優秀賞受賞者7名と佳作受賞者14名が選出されました。

10月30日(金)に行われたグランプリ選出公開審査会では、優秀賞受賞者7名がそれぞれプレゼンテーションおよび審査員との質疑応答に臨み、その後、審査員の合議により樋口氏のグランプリ受賞が決定しました。

樋口氏には、奨励金として100万円ならびに副賞としてキヤノンのミラーレスカメラ「EOS R5」/交換レンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」が贈呈され、次年度における新作個展開催の権利が授与されます。グランプリ選出公開審査会の様子は、今後、「写真新世紀」ホームページにて紹介予定です。

なお、グランプリを受賞した樋口氏の作品を含む優秀賞および佳作の受賞作品は、東京都写真美術館にて開催中の「写真新世紀展2020」で11月15日(日)まで展示しています。

<写真新世紀とは>
「写真新世紀」は、写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的としたキヤノンが主催する文化支援プロジェクトで、1991年にスタートし今年で30年目を迎えます。キヤノンでは受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ホームページでの情報発信など、受賞者の育成・支援活動を総合的に行うことで、次世代の写真表現を切り開く新しい才能を発掘し、写真界に新風を吹き込む活動を展開しています。これまでの応募者総数は33,359名(組)に上り、国内外で活躍する優秀な写真家を多数輩出するなど、新人写真家の登竜門として認知されています。

 

 グランプリ受賞者 樋口 誠也氏 グランプリ受賞者 樋口 誠也氏

優秀賞受賞者6名 *セルゲイ・バカノフ氏は欠席優秀賞受賞者6名 *セルゲイ・バカノフ氏は欠席


■ 受賞作品の制作意図について
日本では過去の嫌なことを忘れて無かったことにするという意味で「水に流す」という言葉を使う。しかし、日本とシンガポールの歴史の中に「許す、しかし忘れない」という言葉があるように簡単には水に流せないこともある。
本作品に登場する写真は、日本とシンガポールの歴史に関係のある場所で撮影されている。
私はその写真プリントと一緒にシャワーを浴び、インクを洗い流した。そしてインクが剥がれた写真を見ながら、そこに写っていたものを思い出す過程を映像で記録した。写真は過去の証拠となり得るが、証拠がないからといってその事実が消えるわけではない。しかし、証拠がなければ忘れ去られ、上書きされてしまうこともたくさんある。

■ 受賞者のコメント
グランプリを受賞した樋口氏は、受賞の感想を次のように述べました。
「自分の作品をこのような場で多くの方々に見ていただけたことだけでも非常に嬉しく思っています。さらに審査員の方々からも鋭い指摘やコメントをいただくことができ、今後の活動の参考になりました。嬉しさとともに、今後に向けたプレッシャーもあります。今後も自分が気になったことに純粋に興味を持って、無理に言葉を繕うことなく真摯(しんし)に作品をつくっていきたいと思っています。」。

■ 審査員のコメント
審査員の椹木 野衣(さわらぎ のい)氏は、樋口氏のグランプリ受賞および今年の「写真新世紀」について、次のように述べました。
「見事にグランプリを獲得された樋口 誠也さん、誠におめでとうございます。今年はコロナ禍で応募数がどうなるか心配していましたが、過去最多の2,002点の応募があり、過去最大の競争率の中でグランプリを獲得したのは見事な成果だと思います。彼の展示の本当の魅力は、方法論的なことだけではなくてコンセプチュアルな行為をあえて写真と裸の付き合いとして自らの身体を使って試み、言葉のセンスも感じられました。どうしても固くなりがちな主題ではありますが、そこにユーモアと言って良いような柔らかな視点が感じられたことも評価に値します。
今年の総評としては、今年のキーワードともいえる「距離(distance)」が応募作品全体的の傾向として感じられました。人と物との距離をどのようにして“とる”のか、これは写真に限らない問題であり、大きな一つのテーマだと思います。今まで写真というのは「遠くの物を近くに見えるように撮る」という技術で発展してきたと思いますが、かえって「近くの物を遠くにして撮る」といったことが主題として浮上し、これからの写真にも影響を与えると考えられるような作品が数多くありました。
依然として未知の時代に我々が直面していることは間違いなく事実で、表現する人は一歩前進・一歩後退という試行錯誤を恐れずに、果敢に新しい写真の可能性を探究してほしいと思います。」

■ 「写真新世紀展2020」実施概要 *敬称略
日時 2020年10月17日(土)~11月15日(日)10:00~18:00
*毎週月曜日は休館日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)。
会場 東京都写真美術館 地下1階展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 TEL 03-3280-0099
JR山手線「恵比寿駅」より徒歩約7分
東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」より徒歩約10分
出展者 2020年度 優秀賞受賞者7名、佳作受賞者14名
2019年度 グランプリ受賞者 中村 智道 新作個展『Ants』
主催 キヤノン株式会社
共催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
観覧方法 事前予約不要
入場料 無料

 

* 新型コロナウイルス感染症の影響により、「写真新世紀展2020」の中止、または日時の変更などを行う可能性があります。最新情報については「写真新世紀」ホームページをご確認ください。また、「写真新世紀展2020」に来場される際は、マスクの着用など感染症対策へのご協力をお願いします。
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