産経児童出版文化賞受賞作家・嘉成晴香による、「涙」と「弱さ」に揺らぐ10代を描いたピュアラブストーリー『涙の音、聞こえたんですが』発売!
書誌ページ>>https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8001065.html
【あらすじ】
泣くのは弱さだと思ってた――先輩に出会うまでは…
涙の音が聞こえてしまう美音は、人とつきあうのがわずらわしく、いつもひとり。
ある日聞こえてきたのは、こっそり裏庭で泣いていた生徒会長の健先輩の涙の音。
いつも笑顔で人気者の健先輩の弱みをにぎった美音は……。
美音と同じ能力を持ちながら性格が真逆の心優しきお兄ちゃん、美音が密かに尊敬しているクラスメイトの星良ちゃん、いつも泣いてばかりの一児のママ・千歌さん、健先輩の幼なじみの七海先輩など、二人をとりまく人々との関わり合いから、美音が少しずつ変わっていく姿を描く青春ラブストーリー。
【著者プロフィール】
嘉成晴香
1987 年和歌山県生まれ。作家、詩人、日本語教師。中学3年生のとき、詩集『会いたくなったらいつでも会える』(文芸社)を刊行。朝日学生新聞社児童文学賞を受賞した『星空点呼 折りたたみ傘を探して』(朝日学生新聞社)を刊行し、第43 回児童文芸新人賞を受賞。『人魚の夏』(あかね書房)で第69 回産経児童出版文化賞フジテレビ賞、第8 回児童ペン賞少年小説賞を受賞。ほかの作品に、『流れ星キャンプ』『HIMAWARI』(ともに、あかね書房)、『セカイヲカエル』『わたしのチョコレートフレンズ』(ともに、朝日学生新聞社)、『夢見る横顔』(PHP研究所)などがある。日本児童文芸家協会会員。
【著者あとがきより】(一部抜粋)
涙を誰かに見られることは恥ずかしいと、かたくなに思っていました。必死におさえて、でもできなくて、隠れて、なかったことにしていましたが、ほんとは誰かに見つけだしてほしかったのです。思えばこの物語の種は、このころから芽生えていたのかもしれません。
爽やかな読後感に感動の声、続々!!!
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涙の音が聞こえるからといって、それがどうした! 自分は1人でいたいから1人で居るんだ! と我が道をどんどんぐいぐい進む主人公が、優しすぎる泣き虫な健先輩と出会ったことにより変化していく様は、やっぱり人間は独りではいられない、いるべきではないんだなぁ、としみじみ感じました。
健先輩に心をひらき、徐々に惹かれていく過程で、少しずつ色々な人とも関わりを持って、様々な感情を体感していく部分が、読んでいるこちら側にもすっと伝わってきて、何度も涙の音が溢れてしまいました。
ハッピーエンド好きな私のツボが押されまくり、嘉成晴香さんの著書の中で、間違いなく一番好きな作品です。
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涙の音が聞こえる能力を持つ主人公、という設定がユニークかつファンタジックでありながら、中学生のリアルな日常にとけこんでいて、よく生かされていると思った。
主人公の葛藤も成長も、他者と自分の涙とともにある。大人の私でもドキドキしてしまうような切ないラブストーリーでもあり、繊細さと透明感に満ちた、優しい気持ちになる素敵な物語だった。
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人はホントは優しい。
でも、相手の涙を知っても、自分に何もできないと耳をふさぐ。目を閉じる。そのことが、優しさを覆う硬い殻になる。そんな気がします。
同じ心に始まっていても、ただ心を固くするのではなくて、たしかに無力であっても、「何もできない」って、「ごめんね」って、そばで泣いてくれる人がいるとしたら、どれだけ救われることでしょう。
自分の涙は自分で拭うしかない。でも、そばにいてくれた人の思いやりは、とんでもなく力強い応援団です。だから、今はまだ自分は弱くても、あなたの応援をしたい! 一緒にいたい!
……そんなふうに思えた作品です。
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涙の音のために気づけなかった相手の表情に目を向け、相手と自分の気持ちとその機微に美音が気づいていく様子は、嬉しくもあり、少し辛い気がした。だって、人を知ることは悲しみを知ることでもあるから。
でも、美音は気付いてくれた。涙とは弱さではないことに。生きていくためだということに。そして、好きとは涙を超えたものだということに。そう思った時、私も涙を流していた。
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(NetGalleyより)
人気イラストレーターふすい氏が描く美しい装画にも注目!
美音と健先輩、ふたりの姿をみずみずしく、そして、「涙の音」を幻想的に表現した装画は、イラストレーターで装画家のふすい氏。
表紙と裏表紙が対となり、美音と健先輩の繊細な表情を描き出しています。章ごとに描かれた印象的なカットも物語に彩りを添えています。
ふすい
イラストレーター・装画家。書籍の装画、挿絵、広告、教材、MVイラスト等、多方面で活動している。主な代表作に『青くて痛くて脆い』(角川文庫)、『レゾンデートルの祈り』(ドワンゴ)、『僕の永遠を全部あげる』(一迅社)、『青いスタートライン』(ポプラ社)、『逢う日、花咲く。』(メディアワークス文庫)等多数。
現実を土台にし、どこか幻想的な透明感や空気感を表現しており、風景に秘められた”感情”を具現化させ、心理描写を入れることを心がけ作品を制作している。
2021年に初の画集『ふすい画集 Brilliant World』を一二三書房より刊行。
書誌詳細
『涙の音、聞こえたんですが』
著者:嘉成晴香
定価:1,540円(10%税込)
発売:2023年5月11日
書誌ページ>>https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8001065.html
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