日立、AIエージェントを活用した「脆弱性・パッチ探索分析レポートサービス」を提供開始

日本取引所グループがファーストユーザーとして利用開始し、金融インフラの脆弱性対応を迅速化

株式会社 日立製作所

サービスの概念図

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、フロンティアAI*1の進化に伴い高度化・巧妙化するサイバー攻撃から企業や社会インフラを守り、事業継続を支援するオペレーショナルレジリエンスサービス「HMAX Cyber」*2のラインアップとして、AIエージェントを活用した「脆弱性・パッチ探索分析レポートサービス」を2026年9月28日より提供開始します。

 また、株式会社日本取引所グループ(以下、JPX)は、本サービスを先行して導入・活用を開始します。JPXは、金融市場インフラに求められる高いセキュリティ水準の維持・向上のため、本サービスの活用により脆弱性対応の効率化・迅速化を推進します。あわせて、本サービスの開発にあたりJPXと実施した効果検証では、脆弱性情報収集業務にかかる作業時間を約8割削減できることを確認しており、こうした効果も踏まえ導入・活用を進めます。

 本サービスは、自動化プログラムが、日々大量に発行される脆弱性情報やセキュリティパッチ情報*3を24時間365日収集し、AIエージェントが各組織のシステムへの影響分析や、対応優先度の判断に必要な情報の整理を行います。その上で、各組織のシステムへの影響や対応優先度の判断に必要な情報を効率的に抽出することで、セキュリティ運用を支援するものです。これにより、従来は人手作業により多くの時間を要していた脆弱性リスク評価の効率化を実現し、脆弱性対応の迅速化に貢献します。

 今後、金融機関への展開を進めるとともに、電力、交通、通信などの社会インフラ向けのミッションクリティカルシステムなどへ適用範囲を拡大し、社会全体のサイバーセキュリティ強化に寄与します。

*1 最先端AIモデルの総称

*2 日立ニュースリリース (2026年9月3日):AI時代の事業継続を支援するオペレーショナルレジリエンスサービス「HMAX Cyber」を提供開始

*3 OSやソフトウェアに見つかった脆弱性を修正するために配られる更新プログラム


■背景

 近年、フロンティアAIの進化に伴い、サイバー攻撃は人手を介さず自律的かつ高速に実行される時代を迎えています。一方、日々公表される脆弱性情報やセキュリティパッチ情報が急増する中、防御側においては、その収集やリスク評価は専門人財の知見や人手での対応に依存してきました。限られた人員で膨大な情報を精査し、自社システムへの影響や対応優先度の判断を行う必要があるため、対応スピードの確保と業務負荷の軽減の両面で限界が見え始めています。こうした状況の中、企業は自社システムへの影響を迅速に把握し、リスクの大きさに応じて適切な対応を判断することが求められています。

 特に金融機関や社会インフラ事業者においては、経済活動や市民生活を支えるミッションクリティカルなシステムを運用する立場として、即時かつ確実な対応が不可欠です。さらに、金融機関においては、経済活動を守る観点から、金融庁からサイバーレジリエンス強化のため、徹底した脆弱性管理が強く求められています。こうした課題の解決に向け、日立は、長年にわたりミッションクリティカルな社会インフラを支えてきた知見と先進的なAI技術を融合し、脆弱性情報の収集・分析から対応判断までを高度化する本サービスを提供します。


■本サービスについて

 本サービスは、「HMAX Cyber」の3つのサービスカテゴリーのうち、潜在的なリスクを見通し、備える「Govern & Identify(見通す)」に位置付けられています。脆弱性情報の収集と自社システムへの影響分析を通じて、企業がサイバーリスクを早期に把握し、対処することを支援します。


1.自動化プログラムが24時間365日、人に代わって脆弱性情報を収集

自動化プログラムを巡回させ、脆弱性情報データベースやソフトウェアベンダーの公式サイト、セキュリティアドバイザリーなどから、日々公開される脆弱性情報やセキュリティパッチ情報を24時間365日収集します。情報収集には自動化プログラムを活用し、その後の情報整理やリスク評価にAIエージェントを活用することで、それぞれの特長を生かした脆弱性対応を実現します。これにより、担当者は膨大な情報の調査・確認作業から解放され、より重要な判断業務に集中することが可能となります。


2.自社への影響分析やリスク評価、対応優先度の判断をAIエージェントが支援し、脆弱性対応を迅速化

収集した情報を各組織のシステム構成情報と照合し、AIエージェントも活用することで、自社システムに影響する脆弱性やセキュリティパッチを効率的かつ網羅的に抽出します。また、脆弱性の深刻度や悪用される可能性などを踏まえ、AIがリスク評価に必要な情報を整理して提示することで、対応優先度の判断を支援します。これにより、従来は専門人財の経験や知見に依拠していた評価・判断業務を効率化し、脆弱性対応の迅速化と高度化を実現します。例えば、多数の脆弱性情報が公開された際にも、自社システムへの影響やリスクの大きさに応じて優先的に対応すべき対象を特定できるため、従来は担当者が多くの時間をかけて行っていた、評価・判断業務の効率化に貢献します。


■JPXにおける効果検証について

 本サービス開発にあたり、JPXのサイバーセキュリティ対策部門で2026年7~9月にかけて、効果検証を実施しました。具体的には、脆弱性情報の収集において、担当者が実施した場合に1日あたり約2.5時間を費やすと想定される脆弱性情報収集業務について、自動化プログラムの活用により、その作業時間を約0.5時間まで短縮し、約8割削減できることに加え、収集した情報が業務での活用に十分な品質を有していることを確認しました。これらの検証結果により、日々増加する脆弱性情報への対応負荷を軽減するとともに、自社システムへの影響評価やリスク判断を迅速化し、サイバー攻撃の高度化・高速化を見据えた脆弱性管理の自動化・高度化に寄与できる見込みを得ました。

 また、パッチ適用判断業務においても、収集した脆弱性情報とシステムの構成管理表をAIエージェントも活用して照合し、該当製品やバージョンへの影響有無を自動判定できることを実証しました。これにより、担当者はAIエージェントの判定結果を参考にパッチ適用の要否を最終判断できるようになり、一連の脆弱性対応業務の効率化と迅速化を見込めることを確認しました。


■今後の展開について

 日立は今後、本サービスを、脆弱性対応の高度化や効率化が求められる金融機関への展開を進めていきます。さらに、金融市場インフラで求められる高いセキュリティ水準への対応で培ったノウハウを活用し、電力、交通、通信などの社会インフラ分野にも本サービスを展開することで、フロンティアAI時代におけるサイバー攻撃への対応力強化と、AIと人が協働する新たなセキュリティ運用の実現に貢献していきます。

■商標注記

記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

■関連Webサイト

「脆弱性・パッチ探索分析レポートサービス」に関するWebページ

日立の金融ソリューション

HMAX Cyber:デジタル:日立

日立製作所について

 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。

日本取引所グループについて

 日本取引所グループ(JPX)は、東京証券取引所、大阪取引所及び東京商品取引所を運営する総合取引所グループです。市場インフラの安定的な運営を通じて日本の金融・資本市場を支えるとともに、長期ビジョン「Target 2030」に基づき、「グローバルな総合金融・情報プラットフォーム」への進化を目指しています。その実現に向け、データ活用やAI、クラウドをはじめとする先進技術の活用を推進し、市場の利便性向上と新たな価値創造に取り組んでいます。詳しくは、https://www.jpx.co.jp/をご覧ください。


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松浦、高島

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会社概要

株式会社 日立製作所

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URL
http://www.hitachi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
德永 俊昭
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月