転職コンサルタント126人に聞く!「転職すべき人・現職にとどまるべき人」実態調査
転職コンサルタントの54%が「面談した3人に1人は現職にとどまるべき人」と回答。 現職にとどまるべき理由、第1位は「本人の希望と市場価値のギャップ」。―『ミドルの転職』コンサルタントアンケート―
調査結果 概要
★ 転職コンサルタントの54%が「面談した3人に1人は現職にとどまるべき人」と回答。
★ 現職にとどまるべき理由、第1位は「本人の希望と市場価値のギャップ」。転職すべき理由の1位は「今後やりたいことと転職理由の整合性」。
★ 転職成功者が転職で叶えたこと、上位は「年収アップ」「仕事を通じた成長」。
★ 自身で転職の是非を見極める方法、トップは「課題を整理し、解決方法の検討する」。
調査結果 詳細
1:転職コンサルタントの54%が「面談した3人に1人は現職にとどまるべき人」と回答。(図1)
転職コンサルタントに「面談を行なった方のうち、転職せずに現職にとどまるべきと思う方は全体の何割ほどですか」と質問したところ、54%が「3割以上」と回答。2019年の同調査と比較すると、4ポイントアップしました。
【図1】面談を行なった方のうち、転職せずに現職にとどまるべきと思う方は全体の何割ほどですか?
2:現職にとどまるべき理由、第1位は「本人の希望と市場価値のギャップ」。転職すべき理由の1位は「今後やりたいことと転職理由の整合性」。(図2、図3)
現職にとどまるべき理由を伺ったところ、最多は「本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある」(75%)でした。次いで、「現職企業の待遇が良く、現職以上の待遇での転職が難しい」(52%)が続きます。具体的な事例と、転職コンサルタントが求職者へ行なったアドバイスも紹介します。
【図2】「現職にとどまるべき」と思う理由は何ですか。 (複数回答可)
本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある。
・事例
現職での給与条件、労働環境に不満があり、転職することによって、良い条件で働けると誤認していた。
・転職コンサルタントからのアドバイス
転職市場を見たとき、ご本人の給与、労働環境が悪いとは言えず、現職での業務を突き詰めて、改めて条件的な部分ではなく、仕事に対する情熱を持っていただくことで、取り巻く環境を変えられるのではとアドバイスしました。
現職企業の待遇が良く、現職以上の待遇での転職が難しい。
・事例
現職の方針や体制に不満があり転職を希望しているが年収、休日、福利厚生の待遇が好条件である。
・転職コンサルタントからのアドバイス
キャリアを生かせる求人案件はあるが年収・年間休日・福利厚生を維持することは難しい。転職にあたっての優先順位を整理していただき妥協点を見つけていただくよう、アドバイスしました。
キャリアアップできない理由を会社にあると思っている。
・事例
「現職にて異動ができないため」という転職理由が非常に多い。そして、新しい職種へのチャレンジを希望していたり、経験が少ない分野への転職にもかかわらず、現職と同等以上の待遇を求める。
・転職コンサルタントからのアドバイス
まず、現職で異動をするために実際に動いたかを確認しました。転職するよりも、社内異動のほうが容易なことがほとんどです。仮に転職をする場合は、処遇面が下がることはほぼ間違いないので、それでも新しい環境を希望するのであれば、サポートすると伝えました。
転職により実現したいことが不明確である。
・事例
マーケティング責任者として活躍されている方。企業の業績が傾き始めており、転職するべきか相談をいただきました。ただ、その会社も入社2か月目という事もあり、転職には不利になる状況。
・転職コンサルタントからのアドバイス
マーケティングやセールスは「売上を作る部門」なので、ここで売上や事業を再生、V字回復させる事で大きなキャリアアップに繋がるのではないかと話しました。もちろん、業績下降気味の環境である事や、会社のマーケティングコストや営業人員などの兼ね合いもあり、思うようにいかない場面もあると思うが、行動する事で市場価値向上にも繋がり、より良い転職先が見つかる可能性が高いとアドバイスしました。
また、転職すべき理由も伺ったところ、トップ3は「今後やりたいことと、転職理由に整合性がある」(69%)、「現職企業では、本人の希望が絶対に叶わない」(59%)、「現職企業に将来性がない」(54%)でした。
【図3】「転職すべき」と思う理由はどのようなものですか。(複数回答可)
3:転職成功者が転職で叶えたこと、上位は「年収アップ」「仕事を通じた成長」。(図4)
転職成功者が転職で叶えたことを伺ったところ、第1位は「年収アップ」(69%)でした。次いで、「仕事を通じた成長」(50%)が続きます。
【図4】転職成功された方のうち、どのような希望を叶えられた方が多いですか。(複数回答可)
4:自身で転職の是非を見極める方法、トップは「課題を整理し、解決方法の検討する」。(図5)
自身で転職の是非を見極める方法を伺ったところ、最多は「解決したい課題を整理し、解決方法を検討する」(67%)でした。次いで、「キャリアの棚卸しを行ない、キャリアプランを見直す」(63%)が続きます。転職コンサルタントによる、転職の是非を見極める際のアドバイスも紹介します。
【図5】自身で転職の是非を見極めるには、何をすればいいと思いますか。(複数回答可)
転職コンサルタントによる、転職の是非を見極める際のアドバイス
・ネガティブな気持ちでの転職ではなく、「あれをしたい」「こうなりたい」と欲のあるポジティブな転職をすべきだと思います。ネガティブな気持ちでの転職活動はプラスを呼び込まないし、いい結果に結びつきません。当然、面接でもいいアピールができない。転職したいと思うなら、自分に何ができるか、どうしたいかを明確にした上で、転職活動をして欲しいと思います。
・まずは転職するか否かで答えを出そうとしなくてよいです。少しでも別の機会、可能性に興味があるのであれば、情報収集を兼ねて転職活動をしてみるのはありだと思います。転職活動を通して、転職するか否か、するとしたらどこがよいか、走りながら考えた方が情報精度は高まると思います。
・今の会社への不満からの転職というよりも、自身のキャリアプランに沿った前向きな転職となるよう、冷静に状況を見定めることをお勧めします。まずは自身の市場価値やキャリアの方向性など、お悩みの事があればキャリアコンサルタントに相談いただければと思います。
・なぜ転職に対して悩んでいるのか、転職したとき、しないときのメリット/デメリットや現職に残った場合、転職した場合の10年後の自分を想像し書き出してみることをおすすめします。
・なるべく多くの人材コンサルタントに相談したほうがいいと思います。色々な、レベル、タイプ、得意分野を持つコンサルタントがいるので、きちんと質問をして情報収集をしたほうが良いでしょう。
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)を利用するコンサルタント
■調査期間:2023年3月7日 ~ 3月13日
■有効回答数:126名
ミドル世代に特化した求人情報サイト『ミドルの転職』
https://mid-tenshoku.com/
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