IBMとSalesforce、IBM Z上で企業データの有効化と、エージェント型 AIに自社データを活用するための新たなエージェントを発表

日本IBM

企業のデータは、AIモデルやエージェントを学習する際の重要な情報源です。企業は何十年もの間、信頼性とセキュリティーに定評があるIBM Zメインフレームでミッション・クリティカルなトランザクションを実行してきました。このたびIBMとSalesforceは、企業がIBM ZメインフレームとDb2データベース内のビジネス・データにアクセスできるようにすることで、データをエージェント型AIの触媒となるよう促します。これにより、自律型AIエージェントによってチームを強化するデジタル・レイバー・プラットフォームであるSalesforceのAgentforceプラットフォーム上でAIのユースケースを拡充できるようになります。

また、IBMの年次イベント Thinkにおいて、Salesforceのテクノロジーと連携したIBM watsonx Orchestrateで構築された新たなIBMエージェントと、IBM Graniteモデルのパフォーマンスを紹介しました。

6月に提供開始予定のこの新たな統合により、AIエージェントは、金額ベースで世界のトランザクションの70%*を占めるIBM Zメインフレームのデータを使用して、バック・オフィスとフロント・オフィスへの接続を完了できるようになります。これにより、IBM watsonx.dataと SalesforceのData Cloud(Salesforce Platformにネイティブに統合されたハイパー・スケール・データ・エンジン)との統合を通じてゼロコピーを活用し、データの移動やコピーをすることなく高速データ転送を可能にします。

IBMは、アナリティクスとAIを用途として、IBM ZとData Cloud間のデータフローをSalesforceのユーザーに提供する初の企業となります。これは、特に銀行や金融サービスなどの規制の厳しい業界にとって大きな影響を及ぼすものであり、企業や企業が導入したエージェントがイノベーションを創出する新たな機会となります。

SalesforceのUnified Data Services & Einstein担当EVP 兼 GMのラウール・アウラドカー(Rahul Auradkar)氏は、次のように述べています。「今日の変化の大きな環境下では、データの流動性が最も重要です。このニーズに対応するために、Data Cloud のゼロコピーパートナーネットワークは、IBM Z データへの安全で迅速な接続性を提供します。これにより、従来のデータ移動における摩擦が解消され、これまで活用できていなかった情報の有用性と価値が向上します。IBM Zへのアクセスが実現することで、お客様がリアルタイムでの洞察を引き出したり、データの場所にとらわれることなくデータの可能性を最大限に活用できるようになります。これにより、アプリケーションおよびより広範なエコシステム全体で、AgentforceによるAIを活用した顧客体験の提供を推進することができます」

見込み顧客エージェントが他のセールス・エージェントと連携

IBMとSalesforceは、watsonx OrchestrateとAgentforceの機能を統合した、事前構築済みのセールス・エージェント群の開発でも協業しています。セールス・エージェントの第一弾は、IBM watsonx Sales Prospecting(見込み顧客)エージェントで、営業担当者が効果的に見込み顧客を開拓し、販売転換率を高めることができるよう、製品ターゲティングや顧客連絡先の取得、営業トークの作成を支援します。対話型インターフェースを使用し、Agentforceやwatsonx Orchestrate、サードパーティのエージェント間で自律的に相互作用します。このサービスは、数ヶ月以内に watsonx Orchestrate および SalesforceのAgentExchange を通じて提供される予定です。

IBM watsonx Employee Support AgentをSlackに導入し、人事業務の生産性を向上

Slackは、人、アプリ、プロセス、データ、エージェント型AIを統合して生産性を高める業務オペレーティング・システムです。AIエージェントをSlackに導入することで、ユーザーは作業負荷を軽減し、真に重要な業務に集中することができます。watsonx Orchestrateで構築されたIBM watsonx Employee Support Agentは、Slackの対話型インターフェースを通じて人事に関する問い合わせに回答したり、対応策を講じることができます。

IBMは、過去3年間に自社の人事向けエージェントで培ったノウハウを活用しています。これにより、IBMの社員は、全社的な、よくある人事関連の質問への回答の94%を人事向けエージェントから得るようになり、人事担当者はより複雑な問い合わせの対応に集中できるようになりました。IBM watsonx Employee Support Agentは、6月にSlack Marketplaceで利用可能になる予定です。

IBM GraniteモデルがSalesforce CRMのベンチマークで高評価を獲得

より小規模で、目的に特化したLLMを選択肢したいお客様には、ビジネス向けに構築されたIBMの主力AIモデル・ファミリーであるIBM Graniteモデルが、Salesforce Platform上でBring Your Own Model(企業がさまざまな種類のAIを作成してSalesforceで使用できるようにする機能)として提供されており、Agentforceから簡単にアクセスすることができます。

このような小規模かつ企業向けに特化したAIモデルは、テストにおいて優れた成果をあげています。Granite 3.1 8Bモデルは、ビジネス・アプリケーション向けの生成AIモデルの有効性を評価する世界初のCRM用LLMベンチマークであるSalesforce LLM Benchmark for CRMにおいて、その高い精度が評価されました。

IBM Consultingは、企業が進化するデータとAIの需要に対応できるよう支援

IBM Consultingは、企業が複雑な CRMやAI 環境に対応するために、Salesforce への投資からより大きな価値を得られるよう支援をします。Agentforceやwatsonx、IBM Consultingの深い専門知識を活用することで、グローバル規模でSalesforceを活用した変革を推進します。AIを活用したデリバリー・プラットフォームであるIBM Consulting Advantageには、Salesforce固有のナレッジ・ベースで学習し、独自のモデルによって強化されたSalesforceに特化したAIエージェントが含まれており、IBMのコンサルタントがより大きな価値を迅速に提供できるよう支援します。これらの機能により、エージェント・エコシステムをオーケストレーションし、長期的なプラットフォームの拡張性、サポート性、所有コストの削減を推進できます。

IBM ZメインフレームおよびDb2データベースとゼロコピーの統合、またはSalesforceおよびSlack用の新たなIBMの事前構築済みエージェントの詳細については、https://www.ibm.com/jp-ja/consulting/salesforce をご覧ください 。

* IBMのメインフレームは、金額ベースで全世界のトランザクションの70%を占めていると推定されています。

出典:Celent社 「Mitigating Fraud in the AI Age(2025年)」

IBMの将来の方向性および意図に関する記述は、予告なしに変更または撤回される場合があり、目標および目的のみを表しています。

当報道資料は、2025年5月6日(現地時間)にIBM Corporationが発表したブログの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。

IBM、IBMロゴ、ibm.com、watsonxは、米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

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会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月