ECブランドの成長を支援するプラットフォームを提供開始
EC向けに店舗出店から物流まで一連のサービスを提供し、リアルとデジタルを融合した新サービス
本リリースのポイント |
三井不動産と「SUPER STUDIO」が提供する「OMOソリューション」(※1)を“商業”と“物流”の領域へ拡張し、リアル・デジタルの両面からECブランドの成長を支援するプラットフォームの提供を開始。
“商業”においては「三井ショッピングパーク ららぽーと」をはじめとする大規模商業施設においてOMO型ポップアップを提供開始、“物流”においては「三井不動産ロジスティクスパーク船橋Ⅲ」においてシェアリング型の自動倉庫を用いた物流サービスを提供。また、EC・リアル店舗・物流をすべてデータ連携し、ECブランドが一連のデータに基づいたサービス利用が可能に。
リアルとデジタルの融合により、顧客へ更なる利便性と購買体験を提供するとともに、柔軟に利用しやすい物流サービスを提供し、ECブランドの成長を支援しEC市場の更なる拡大に寄与することを目指す。
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田 俊、以下「三井不動産」)は、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供する株式会社SUPER STUDIO(代表取締役社長:林 紘祐、以下「SUPER STUDIO」)とともに、ECブランドの成長を“商業”と“物流”の両面から支援するプラットフォームを提供開始したことをお知らせいたします。
※1:Online Merges with Offlineの略で「オンラインとオフラインの融合」を意味し、顧客にオンラインとオフラインの垣根を意識させず、モノやサービスの購入・体験を提供するマーケティング施策。オンラインとオフラインそれぞれのデータを統合し、情報を一元管理することで顧客体験の向上等を図ること。
■ECブランドに対するこれまでの三井不動産の取組み
三井不動産は「SUPER STUDIO」と共に、2022年6月より、顧客にオンラインとオフラインの垣根を意識させず、モノやサービスの購入・体験を提供するマーケティング施策「OMOソリューション」の提供を始めております。2023年7月には、ECブランドが週単位で出店する次世代型ショップ「THE [ ] STORE」として、三井不動産が運営する商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」(東京都渋谷区)にて、「SUPER STUDIO」の統合コマースプラットフォーム「ecforce」を活用し、EC同様の顧客データ取得と継続的なマーケティングを実現するリアル店舗を初出店しています。(※2)
また、EC・リテール領域のさらなる事業推進のため、2024年4月に新設されたイノベーション推進本部ベンチャー共創事業部が手掛ける31VENUTRES(以下「31VENUTRES」)では、2023年10月にポップアップストアの出店支援プラットフォームを提供する株式会社カウンターワークス(以下「カウンターワークス」)への出資を実行しています。2024年2月には、提携した倉庫会社に対して、独自開発した倉庫管理システムや標準化されたオペレーションを提供することで、全国の倉庫をネットワーク化した物流プラットフォームを構築し、従量課金で利用可能なフルフィルメントサービスを展開している株式会社オープンロジ(以下「オープンロジ」)への出資を実行しました(※3)。
一方、ロジスティクス本部では、2012年4月に物流施設開発の取り組みを開始し、現在では「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」を旗艦ブランドとして、「MFLP船橋Ⅲ」や「MFLP座間」など、国内外に開発・運営施設66物件を展開しています。特にMFLP船橋Ⅲにおいては、2階に株式会社エクシーク(以下「エクシーク」)、4階にはロジスティード株式会社(以下「ロジスティード」)が入居しており、EC事業者向けに物流ワンストップサービスを提供し、三井不動産としてECブランドの物流を支援していく場が整っています。
※2:参考リリース https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0622/
※3:参考リリース https://www.31ventures.jp/news/20240205_fund/2096/
■ECブランドの成長を“商業”と“物流”から支援するプラットフォーム
今回、「31VENUTRES」の出資先である「SUPER STUDIO」「カウンターワークス」「オープンロジ」、共創パートナーである「エクシーク」「ロジスティード」のサービスに、三井不動産のリアルアセットの強みを組み合わせることで、ECブランドの成長を商業と物流の両面から支援するプラットフォームを提供いたします。
メーカーが消費者に商品を直接販売するD2C市場は2025年に3兆円を超えると予想され、オンライン販売だけに特化したデジタルネイティブなブランドも急増しています。ECブランド立ち上げ直後は、ECサイト構築に特化したプラットフォームを使い、物流は自社で行う企業が大半を占めます。しかし、ブランドが成長して軌道に乗り始めた後にさらなる成長を実現するためには、データに基づいたマーケティングを実行する基盤とノウハウや顧客拡大のためのリアルの場の活用、大規模な物流ソリューションが必要になります。
具体的には、以下のような取り組みを新たに実施いたします。
① “商業”:OMOソリューションを活用したポップアップ出店支援
三井不動産と「SUPER STUDIO」が共同運営する「THE [ ] STORE」は、ECブランドが週単位でリアル店舗を出店することが可能で、リアル店舗でありながらEC同様に顧客データの取得や、取得した情報をもとにした顧客への継続的なマーケティング施策の実施、継続購入率の分析、リアル店舗では実現が難しい定期購入の訴求など、新しい形のOMOソリューションを提供してきました。
この度、ポップアップストアの出店プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するカウンターワークスとの連携により、「三井ショッピングパーク ららぽーと」をはじめとする大規模商業施設のポップアップ店舗でのOMOソリューションの提供を新たに開始します。
今後は「THE [ ] STORE」と「SHOPCOUNTER」の両ソリューションを活用し、ECブランドの成長支援をより一層強化してまいります。
② “物流”:物流サプライチェーンの支援
三井不動産ロジスティクス本部イノベーション推進室では、この度新たに「&LOGI Sharing」として、EC事業者の物流をリアル・デジタルの両面でワンストップで支援するサービスを提供いたします。オープンロジが提供する「オープンロジ」を使用することで、提携先倉庫約70社に対して物流業務をアウトソーシングすることが可能です。また、2024年2月には、「SUPER STUDIO」が提供する「ecforce」と「オープンロジ」のAPI連携が完了しており、これにより「ecforce」を利用するEC事業者は、ECサイトの受注情報の取り込みや倉庫への出庫依頼の自動化が可能となり、拠点の分散・拡張が容易な物流ワンストップサービスを利用できます。
また、こうしたデジタル面での支援に加えて、三井不動産のリアルアセットとしてMFLP船橋Ⅲでは、2階と4階の2区画がEC事業者向けの物流業務を担う最先端施設となっています。4階では、三井不動産の自社ECサイト「&mall」の荷物を、自社投資により自動化倉庫および自動製函・梱包機を用いて取り扱っています。この三井不動産の「EC自動化物流センター」を他産業へシェアリングする提案を行っており、「ロジスティード」とともに高品質・高効率な物流業務を提供しています。2階では、EC事業者の物流フルフィルメントサービスを担い、多くの運用実績で培ったノウハウを強みとする「エクシーク」が「FULFILLMENT PARK(フルフィルメントパーク)」として多様な倉庫管理システム(WMS)や出荷対応といった柔軟性に加え、AIロボットを用いて省人化・高効率で物流業務を担っています。本枠組みを皮切りに、特別価格での業務提供についてもご相談が可能です。
今後は「オープンロジ」の提携倉庫としてMFLP船橋Ⅲの2階・4階の連携を検討してまいります。これにより、三井不動産として、リアルとデジタルの融合によりECサイトから物流までEC事業者を一貫して支援する仕組みを構築してまいります。
そして、将来的には、ECに限らず、リテール業界全体のOMO実現に貢献するプラットフォームへと進化させることを目指します。
(本プラットフォームの問合せ先:https://mflp.mitsuifudosan.co.jp/cform/inquiry_logi-agreement.html)
本プラットフォームパートナー企業について |
■三井不動産株式会社
・ イノベーション推進本部ベンチャー共創事業部(http://www.31ventures.jp/)
三井不動産は、本業強化・事業領域拡大に向け新産業を創造するために 2015 年にベンチャー共創事業部を設立しました。スタートアップの事業成長の支援をする「31VENTURES」では、社内外のネットワークを活用した協業支援を推進するために成長を加速させる CVC、事業を前進させる WORKSPACE、新たな知見との出会い互いを高める COMMUNITY の3つを切り口で、多様なパートナーとの共創により、次世代の街づくりを通じた新産業創出を実現に取り組んでいきます。
・ ロジスティクス本部
三井不動産は、2012年4月に物流施設事業部(現 ロジスティクス本部)を立ち上げ、本格的に物流施設開発に取り組んでおります。現在では、「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」を旗艦ブランドとして、「MFLP船橋Ⅲ」や 「MFLP 海老名Ⅰ」など、国内外で開発施設 66物件を展開しており、今後も積極的に新規展開を図ってまいります。 また、「ともに、つなぐ。ともに、うみだす。」を事業ステートメントとして掲げ、入居企業の皆さまの課題解決パートナーとして、多種多様なヒト・モノ・コトをつなげること、既存の枠にとらわれない価値づくりに挑戦してまいります。
■株式会社SUPER STUDIO(https://www.super-studio.jp/)
SUPER STUDIOは 2014年12月に創業し、「ecforce」の開発・提供と自社D2C事業を行ってきました。「ecforce」は、統合コマースプラットフォームとして、オンラインとオフラインのデータの統合管理を行うことでECビジネスの最適化に留まることなく、スタートアップから大企業まであらゆるモノづくりのビジネス全体を最適化することを目指しています。
「ecforce」についての詳細は下記リンクをご参照ください。
【株式会社SUPER STUDIO 代表取締役 CEO 林 紘祐 コメント】
日々、多くの事業者様を支援させていただく中で、「EC/D2C」というビジネスモデル自体が、従来のオンライン物販から、様々なモノやコトをオンライン/オフラインを組み合わせて顧客に直接届ける形に変わってきていることを強く感じています。 このような過渡期において、三井不動産様はじめ各パートナー企業様と業界のOMOを加速させる取り組みをご一緒できることに、大きなやりがいを感じています。
■株式会社COUNTERWORKS(https://counterworks.co.jp/)
カウンターワークスは2015年より、ポップアップストアやイベントなどの商業スペースを簡単に発見、利用できる日本最大級のオンラインプラットフォーム「SHOPCOUNTER」を展開しています。商業施設や路面店、駅ナカ、オフィスビル、展示会場など全国で21,000以上のさまざまな商業スペースの検索、予約、支払いをワンストップで提供できる機能や、専門性を持ったコンシェルジュによるスペース探しのサポートを行っています。
【株式会社カウンターワークス 取締役 COO / CFO 薮本 祐介 コメント】
当社は、商業施設のオンラインリーシング支援SaaSなどの提供を通じて、「すべての商業不動産をデジタル化し、商いの新たなインフラを作る。」というミッションの実現を目指しています。このたび三井不動産様・SUPER STUDIO様はじめパートナー企業の皆様とともに、ポップアップストアを通じ、ECと店舗データが連携可能なOMO型ソリューションを提供できることを楽しみにしています。
■株式会社オープンロジ(https://service.openlogi.com/)
オープンロジは「テクノロジーを使い、サイロ化された物流をネットワーク化し、データを起点にモノの流れを革新する」をビジョンに掲げ、物流フルフィルメントプラットフォーム「オープンロジ」を提供しております。独自の倉庫管理システムを通じて全国の倉庫をネットワーク化し、標準化した仕様とオペレーションにより物流業務の効率化と一元化を実現、固定費ゼロ・従量課金で利用可能な物流フルフィルメントサービスを提供しており、導入アカウント数は約13,000超(2024年1月末時点)となっております。
【株式会社オープンロジ 代表取締役社長 CEO 伊藤秀嗣 コメント】
この度、弊社は三井不動産様、SUPERSTUDIO様との提携を通じて、EC事業者様の事業を販売から在庫管理、配送までを一気通貫にご支援するソリューションを提供できることを大変楽しみにしております。三井不動産様との連携を通じて、庫内業務の自動化ソリューションや新しい物流ソリューションの提供を、SUPERSTUDIO様が運営されるecforceとの連携を通じたEC事業者様の物流業務の自動化やデータを活用した事業の効率運営のご支援を推進していきたく存じます。
■株式会社エクシーク(https://eqseek.co.jp/)
エクシークでは4,200社以上のEC事業者へフルフィルメントサービスを提供しています。 蓄積したノウハウを活かし、販売に注力できる環境を提供するだけではなく、オフライン連携や海外への販売支援等、売上成長につながる施策も準備しております。 DX・AIロボットを活用した高度化・業務効率化・省人化への取り組みも積極的に推進しております。 出荷件数1件のスタートアップEC事業者から、大手EC事業者まで幅広く対応可能です。
【株式会社エクシーク 代表取締役 猪田 恵介 コメント】
当社は創業期よりEC事業者のフルフィルメント支援を行い、数多くのブランドを世の中に広めるお手伝いをしております。中国や欧米諸国に比べてまだまだEC化率の低い日本において、三井不動産様をはじめとするパートナー企業様とともに本取り組みによるEC/D2Cの成長に貢献して参ります。
■ロジスティード株式会社(https://www.logisteed.com/jp/)
ロジスティードは3PL・重量機工・フォワーディングをコアに、グローバルに展開する総合物流企業です。『グローバルサプライチェーンにおいて最も選ばれるソリューションプロバイダ』を経営ビジョンに掲げ、国内外に808拠点(2023年3月末日現在)を有して各企業様のSCMを支えています。
ECプラットフォーム事業では、複数のEC事業者で物流設備、物流システム、倉庫スペース、倉庫内スタッフをシェアリングするスマートウエアハウスを運営し、お客様のECビジネスの拡大に貢献しています。また、2022年からMFLP船橋Ⅲにおいて三井不動産様の自社ECサイト「&mall」の物流を運営しており、今回のプロジェクトでもノウハウを活かしてEC汎用化を実現して参ります。
■三井不動産グループのサステナビリティについて
三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。
また、2024年4月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取組み、サステナビリティに貢献していきます。
【参考】
・「グループ長期経営方針策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/
・「グループマテリアリティ」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/approach/materiality/
*本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における2つの目標に貢献しています。
目標 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
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