10年以上にわたる海外教育の実践を次のステージへ 文科省「EDU-Portニッポン」に採択、教育効果の実証へ ~学力と学びを支える力の変化を検証する活動が本格稼働~
AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材の開発・提供を行う株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:湯野川孝彦)は、文部科学省が推進する令和8年度日本型教育の海外展開事業「EDU-Portニッポン応援プロジェクト」において、当社の「国際算数・数学コンテストによる非認知能力育成のデジタル学習実証」事業が採択されました。
当社にとっては、2018年度の初採択以来、通算7度目、2025年度から2年連続の採択となります。今回は、2014年にJICAの実証プロジェクトへの採択を機に開始した海外での教育事業活動を通じ、10年以上にわたり積み重ねてきた教育実践を基盤に、学力だけでなく、学習意欲や自信、継続力、挑戦する姿勢など、子どもたちの学びを支える力にどのような変化が生まれるのかを検証します。

日本発のデジタル教材を海外の教育現場へ展開
ユネスコによると、2024年時点で世界において2億7,200万人※1の子どもや若者が学校に通えておらず、教育機会の保障は今なお世界共通の課題です。一方、学校に通う機会の確保だけでなく、子どもたちが将来にわたって自ら学び続ける力を育むことも重要です。世界銀行は「基礎的な学び」を、読み書きや計算に加え、社会性や感情面のスキルを含むものと位置付けています※2。
こうした教育課題を背景に、2014年にJICAの実証プロジェクトを通じて海外展開を開始したすららネットは、2018年度に「EDU-Portニッポン」の公認プロジェクトに初採択されて以来、インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジアなどで、算数・数学のデジタル教材の提供に加え、現地指導者の育成や教室運営の支援、「すらら国際デジタル算数・数学コンテスト(以下、DMC)」や学習イベント「すららカップ」の開催など、約8年にわたり海外の教育現場で実践を積み重ねてきました。これらの継続的な取り組みを通じて、基礎学力の向上だけでなく、目標に向かって挑戦する経験や学びを継続する習慣、異なる文化を持つ仲間との交流など、子どもたちの学びを支える力にも着目してきました。
今回の実証事業では、これまで積み重ねてきた教育活動を基盤に、デジタル学習と国際的な教育イベントを組み合わせた取り組みが、学習意欲や自信、継続力、挑戦する姿勢など、その教育的な効果を明らかにします。
※1 出典 ユネスコ「Out-of-school rate」 https://www.unesco.org/en/education/view/outofschool
※2 出典 世界銀行「Foundational Learning」 https://www.worldbank.org/en/topic/education/brief/foundational-learning
6カ国・約4,000人が参加する国際デジタル算数コンテストが9月にスタート
本事業の中核となる「DMC2026」が9月に開始となりました。本大会は、インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジアを含む6カ国約4,000人の児童生徒が参加する国際大会です。参加者は「Surala Math」で学んだ内容をもとに計算の正確性やスピードなどを競うほか、オンライン交流会や授賞式を通じて互いの学びや文化に触れます。DMCへの参加と国際交流が、学習意欲や自信、継続力、挑戦する姿勢に加え、子どもたちの学習行動や相互理解などに与える影響を探ります。カンボジアにおける9月下旬の予選会を皮切りに、各国で順次予選大会・国内本選を行い、勝ち上がった生徒が11月に行われる国際決勝大会に出場します。

また、今年で23回目となる「すららカップ」は、12月1日(火)より開催予定です。日本国内の生徒向けに2011年から実施してきた学習イベントでしたが、近年では多くの海外の「Surala Math」「Surala Nihongo」の学習者にも広がっています。得点だけでなく、学習時間や学習量など「努力の過程」を評価・表彰することが特長です。学力や順位だけでなく、学習を継続したことや目標に向けて努力したこと自体に教育的な価値を見いだす取り組みです。今回の実証事業では、イベント後のアンケートや学習ログを活用し、参加前後の学習行動や意識の変化を分析します。
事前調査を踏まえ、本格的な効果検証へ
2025年には、Institution for a Global Society(IGS)株式会社の協力のもと、スリランカで自信、自己効力感、学習意欲などの非認知能力に関する事前調査を実施しました。その結果、「Surala Math」を1年以上継続して学習した生徒は、学習期間が1年未満の生徒と比べ、学習意欲や自信などに関する自己評価が高い傾向が見られました。
今回の事業では、この事前調査結果を踏まえ、学習ログやアンケートを活用し、学力だけでなく、学習意欲や挑戦する姿勢など、学びを支える力の変化を多面的に把握することを目指します。あわせて、令和9年度以降にスリランカまたはカンボジアで実施する、本格的な効果検証に向けた調査計画を策定します。
すららネット 海外事業推進室 執行役員 藤平朋子 コメント
「すららネットは長年にわたり、EDU-Portによる国内からの支援や、各国の教育省・教育関係者の皆さまの支援をいただきながら、デジタル教育の普及に取り組んできました。今回の採択を通じて、海外の教育現場で積み重ねてきた実践の教育的価値を、より明確にしていきたいと考えています。学力だけでなく、学習意欲や挑戦する姿勢、そして挑戦を通じて育まれる「自分にもできる」という自己効力感まで捉え、その知見を各国の教育現場へ還元してまいります。」

■ 文部科学省日本型教育の海外展開事業「EDU-Portニッポン」について
官民協働のオールジャパンで取り組む「日本型教育の海外展開」を推進する事業です。各事業者の海外展開の取組を推進するとともに、「知・徳・体」の調和のとれた全人教育が今後の教育においても重要となることを踏まえつつ、これを特徴とする日本の教育の魅力を対外発信することに取り組みます。
「EDU-Portニッポン」は、文部科学省が中心となり、官民協働で日本型教育の海外展開を推進する事業です。教育機関、民間企業、NPO、関係省庁などが連携し、日本の教育手法や教育コンテンツを活用した海外での取り組みを支援しています。※
※出典:文部科学省「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」https://www.eduport.mext.go.jp/
■海外向け算数・数学ICT教材「Surala Math」
インタラクティブなアニメーションを通じて、加減乗除の四則計算を中心とした算数を楽しく学べる「Surala Ninja!」と、「すらら」の算数/数学を海外向けにローカライズし、各国のシラバスに対応させた小学校・中学校向けのICT教材です。
生徒は自身のデバイスで自分のペースで学習できるとともに、指導者は学習管理システムを通じて生徒の学習の進捗や理解度を把握した上で学習内容を調整でき、生徒一人ひとりに合わせた個別最適な学習を実現します。
「Surala Math」は、インドネシア語版、スリランカ向けのシンハラ語版、カンボジア向けのクメール語版、主にフィリピンやインド、エジプトで活用されている英語版があります。現在、英語版、インドネシア語版については小学校高学年範囲から一部中学範囲まで開発しており、今後順次拡充していきます。

■株式会社すららネット
すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念に掲げ、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すらら」「すららドリル」などを開発・提供しています。現在、国内の3,100校以上の学校や学習塾で導入され、約26万人の児童生徒が利用しています。全国の公立学校や有名私立学校、大手塾での活用が広がる一方、不登校や発達障がい、経済的困難な状況の子どもたちにも学習機会を届けることで、教育課題の解決に取り組んでいます。2017年には、代表的な EdTech スタートアップ企業として東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場しました。
・コーポレートサイト https://surala.co.jp/
・サービスサイト https://surala.jp/
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