企業倒産は800件 倒産が急増、コロナ禍前の水準に―全国企業倒産集計2023年3月報

負債総額は前年同月比21.4%減の1435億1400万円

株式会社帝国データバンク

帝国データバンクは、2023年3月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。


<概況>
倒産件数は、前年同月に比べて36.3%多い800件となった。11カ月連続で前年同月を上回り、月次ベースでは2020年7月(847件)以来2年8カ月ぶりに800件を超え、コロナ禍前の700-800件/月の水準に達した。

負債総額は1435億1400万円(前年同月1825億8200万円、21.4%減)と、前年同月から2カ月ぶりに20%以上の大幅減となった。



<主要ポイント>
  1. 業種別にみると、全業種で前年同月を上回った。人手不足・高齢化が進む『建設業』(前年同月110件→155件、40.9%増)は前年同月から40%以上増加したほか、『小売業』(同119件→164件、37.8%増)は前月に続き「飲食店」(同49件→72件)が大幅増となった
  2. 主因別にみると、『不況型倒産』が2カ月連続で前年同月に比べて30%以上の増加
  3. 態様別にみると、「破産」は760件(前年同月537件)で、13年9カ月ぶりの増加幅を記録
  4. 規模別にみると、負債1-10億円の中堅規模の倒産増加が目立つ
  5. 業歴別にみると、業歴10年未満の新興企業は13カ月連続で前年同月を上回った
  6. 地域別にみると、『東北』を除く全地域で前年同月を上回った。『関東』(前年同月178件→292件、64.0%増)では、「東京」や「神奈川」などの増加もあり13年8カ月ぶりの100件以上増。その他、『近畿』、『中部』、『中国』などでも大幅増となった
集計期間:2023年3月1日~3月31日
発表日:2023年4月10日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:株式会社帝国データバンク

■業種別
全業種で前年同月比増加 「飲食店」の大幅増続く


業種別にみると、全業種で前年同月から増加した。人手不足・高齢化が進む『建設業』(前年同月110件→155件、40.9%増)は、とび工事や型枠大工工事といった「職別工事」(同46件→72件)などで増加したこともあり、前年同月から40%以上増加。『小売業』(同119件→164件、37.8%増)では、前月に引き続き「飲食店」(同49件→72件)が大幅増となった。

『運輸・通信業』(前年同月28件→37件、32.1%増)は、2009年7月以来13年8カ月ぶりの6カ月連続2ケタ増を記録した。『サービス業』(同148件→197件、33.1%増)では、学習塾など教育関連業者の倒産が目立ち、全体として13カ月連続で前年同月から増加。2000年以降最長の増加期間である08年5月-09年8月(16カ月連続)に迫った。



■倒産主因別
『不況型倒産』は625件 2カ月連続の大幅増


主因別にみると、『不況型倒産』の合計は625件(前年同月459件、36.2%増)発生、11カ月連続で増加となり、2カ月連続で前年同月から30%以上増加した。

最多は「販売不振」の617件(前年同月452件、36.5%増)で、構成比は77.1%(対前年同月0.1ポイント増)、2020年7月以来2年8カ月ぶりに600件台を記録した。

このほか、「放漫経営」(前年同月12件→9件、25.0%減)は2カ月連続の2ケタ減となった一方、「その他の経営計画の失敗」(同19件→38件、100.0%増)は、前月までの4カ月連続減から倍増に転じた。「経営者の病気、死亡」(同31件→25件、19.4%減)では3カ月ぶりの前年同月比減少となった。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計



■倒産態様別
『清算型』倒産は779件 破産は13年9カ月ぶりの増加幅を記録


倒産態様別にみると、破産と特別清算を合わせた『清算型』倒産は779件(前年同月569件、36.9%増)で、構成比は97.4%を占めた。民事再生法と会社更生法を合わせた『再生型』倒産は21件(同18件、16.7%増)で、3カ月連続で前年同月を上回った。

「破産」は760件(前年同月537件、41.5%増)で、12カ月連続の前年同月比増加となった。前年同月から200件以上増加したのは、2009年6月以来13年9カ月ぶり。一方、「特別清算」は19件(同32件、40.6%減)で、4カ月連続の2ケタ減少と大幅減が続いた。

また、「民事再生法」は20件(前年同月16件、25.0%増)発生し、うち14件を個人事業主が占めた。「会社更生法」(1件)は4カ月ぶりに発生した。



■規模別
負債1-10億円の中堅規模倒産が大幅増


負債規模別にみると、「1億円未満」(前年同月93件→150件、61.3%増)は8年ぶり、「5億円未満」(同99件→156件、57.6%増)は4年5カ月ぶりに150件台に達し、負債1-10億円の中堅規模の倒産増加が目立った。

資本金規模別では、『1000万円未満(個人事業主含む)』の倒産が538件(前年同月399件、34.8%増)発生し、構成比は67.3%を占めた。



■業歴別
業歴「30年以上」が最多、業歴10年未満の新興企業の増加続く


業歴別にみると、業歴「30年以上」が276件(前年同月193件、43.0%増)で最多、前年同月比40%以上の大幅増となった。このうち、老舗企業(業歴100年以上)は10件発生し、2ケタ件数を記録したのは2022年4月以来11カ月ぶり。

また、業歴10年未満の新興企業(前年同月177件→215件、21.5%増)は、13カ月連続で前年同月を上回った。このうち、「10年未満」(同97件→136件、40.2%増)は、2009年1月以来、14年2カ月ぶりに7カ月連続で前年同月比2ケタ増加となった。

そのほか、「20年未満」(前年同月65件→109件、67.7%増)は2014年4月以来、「30年未満」(同84件→110件、31.0%増)は2021年3月以来の100件台を記録した。


■地域別
四国を除く全地域で前年同月比増加、近畿や中部では大幅な増加が続く


地域別にみると、『東北』を除く全地域で前年同月を上回った。『関東』(前年同月178件→292件、64.0%増)では、「東京」(同96件→148件)や「神奈川」(同21件→58件)などの大幅増もあり、全体として2009年7月以来13年8カ月ぶりの100件以上の増加を記録。『近畿』(同147件→178件、21.1%増)は、製造業(同10件→26件)の急増が全体の件数を押し上げた。また、『中部』(同78件→119件、52.6%増)は、2011年9月以来11年6カ月ぶりの8カ月連続増加だった。このほか、『中国』(同27件→41件、51.9%増)は、2018年9月以来の2カ月連続で50%以上の増加となった。





 

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月