スーダン:首都ハルツームの住宅地に攻撃頻発──紛争開始以来「最も死者の多い週末」
市場での爆発
9月10日、ハルツームのゴルロ市場で爆発があり、43人が死亡、60人以上が負傷し、MSFが支援するハルツーム南部のバシャール大学病院で治療を受けた。
「その日の恐怖は度を越していました」。ハルツームでMSFの緊急対応コーディネーターを務めるマリー・バートンは振り返る。「何十体もの遺体が病院の中庭でシーツをかけられ、遺族が到着するまで何時間もの間置かれていました。私たちのスタッフは負傷者の救命に最善を尽くしましたが、引きちぎられた体の一部や、切り裂かれてぱっくり口を開けた腹部の傷が、兵器の威力のすさまじさを物語っていました。この紛争は5カ月近く続いていますが、病院のスーダン人スタッフは、今回目の当たりにしたことにいまもショックを受けています」
日本から現地に派遣され、8月に約3週間、バシャール大学病院で活動した、手術室看護師の倉之段千恵は、同病院の状況についてこう話す。
「この地域で唯一、大小含めた手術を提供できる病院でした。現地の人びとはけがをしても、他に行く場所がありません。多数の負傷者が出るような場面では夜中まで絶え間なく手術が続き、空爆の被害に遭うような場所に自宅がある現地のスタッフは病院に寝泊まりしているような状態でした。スタッフの不足に加え、医療物資の確保や輸送も困難で、常にギリギリの状態で対応を続けています」
首都での攻撃頻発で犠牲者多数
9月9日には、市内のアル・ハジ・ユセフ地区の住宅地で大爆発が起き、家屋は損壊し、住民は破片で重傷を負った。MSFが支援する近隣のアルバン・アルジャディード病院は、45人の負傷者を受け入れたが、うち6人は病院に運ばれて来た時点で死亡していた。
「私たちのチームは大きな爆発音を聞き、緊急事態に備えて病院に駆けつけました」とハルツームでMSFの医療コーディネーターを務めるクリスチャン・マス・ブイユーは話す。「その直後から、次々と患者が到着してきました。ほとんどは破片による傷で、多くは重体でした。住宅や市場といった住宅地が攻撃を受けているのは恐ろしいことです」
9月2日、ハルツーム南部の市場でも空爆があり、21人が死亡、6人が重傷を負い、MSFが活動しているトルコ病院に到着した。
9月3日には、首都に近い都市、オムドゥルマンの医療チームが、ウンバダ地区での戦闘による負傷者50人以上を治療。8人の患者が銃弾や爆発による負傷で死亡した。
他団体からも、ここ数日、ハルツームで死傷者が出ているとの報告があり、首都周辺で続く紛争の被害を浮き彫りにしている。
ダルフール地方でも続く暴力
北ダルフールのエル・ファシールで保健省とともに活動しているMSFのチームも、9月9日、市内で戦闘が激しくなった後、搬送されてきた多数の患者に対応した。南病院では48人の患者を治療したが、そのほとんどが爆発や銃撃による負傷で、このうち4人は命を落とした。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- 国際情報・国際サービス医療・病院
- ダウンロード