今年で6回目の開催となる『Lush Spring Prize 2025』環境や社会の再生に貢献した19プロジェクトに総額約4,875万円を授与
〜 買い物袋の売り上げの全額(消費税を除く)を原資にこの地球をよりみずみずしく、豊かな状態に導く ~
英国発のナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)と、英国の非営利の共同組合であるエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション(Ethical Consumer Research Assosiation、以下エシカルコンシューマー)は、2025年5月29日(イギリス現地時間)、環境や社会の再生に貢献したリジェネラティブなプロジェクトを称える基金『Lush Spring Prize 2025』の受賞者を発表しました。厳正なる審査のもと、合計19のプロジェクトを対象に総額約25万ポンド(約4,875万円)が授与されました。
ラッシュは、この地球をよりみずみずしく、豊かな状態にして次世代に残すというブランドパーパスを掲げ、化粧品ビジネスを行っています。このLush Spring Prizeをハブに、世界中のリジェネラティブなプロジェクトを発掘および可視化させるほか、世界中の受賞者をつなぎネットワーク化することで、様々な知見の共有やインスピレーションを与えあえる環境をつくり、地球環境や地域コミュニティの再生に向けたポジティブなインパクトをより大きくしていくことを狙っています。

2025年の受賞団体
「若年層や年長者、女家長や族長、知識や知恵の守り手たち—あらゆる年齢の人々が逆境にも負けず集まり、土壌や植物、全ての生き物のことを考慮した、生態系全体が繁栄できるホリスティックな生き方を共創するのをまさしく目の当たりにする(審査員としての)経験。その偉大さに畏敬の念を抱かずにはいられず、また同時にそれは胸を打たれる経験でもありました。」
- マリヤ・ターナー、Lush Spring Prize 2025 審査員)
Lush Spring Prize 2025では、合計19プロジェクトを選出

2025年のプライズは、団体の設立年数に基づくインテンショナル・プロジェクト賞、ヤング・プロジェクト賞、エスタブリッシュド・プロジェクト賞、3部門に加え、団体の活動内容に基づくインフルエンス賞、インフルエンス:アグロエコロジー賞、インディジナス・ナレッジ&ウィズダム賞、パーマカルチャー・マガジン賞の4部門の合計7部門で構成されています。
各部門の詳細はこちらからご覧いただけます。
Lush Spring Prize 2025を受賞者リスト
インテンショナル・プロジェクト賞
Agro-Pueblos (コロンビア)
Natiora Defenders (マダガスカル)
Tender Shoots (ミャンマー)
Ubuntu Learning Hub Trust (ザンビア)
ヤング・プロジェクト賞
Land in Our Names - LION (イギリス)
Ñu'u Ndito (メキシコ)
The Returning Indigenous Corporation (オーストラリア)
エスタブリッシュド・プロジェクト賞
Buzuruna Juzuruna Association (レバノン)
Global Ecovillage Network (世界各地)
インフルエンス賞
Huaynakana Kamatahuara Kana (ペルー)
インフルエンス:アグロエコロジー賞
Amazon Research Internacional (ペルー)
Glasbren CIC (ウェールズ、イギリス)
インディジナス・ナレッジ&ウィズダム賞
Assentamento Terra Vista (ブラジル)
Organizacion Ecologica Sol y Verde (グアテマラ)
The Cultural Conservancy (アメリカ)
パーマカルチャー・マガジン賞
Battmung (韓国)
Eco Centro Allpa Tarpuna (エクアドル)
HortaFCUL (ポルトガル)
NGO Permaculture in Ukraine (ウクライナ)
Lush Spring Prize 2025受賞プロジェクトの一例を以下にご紹介します。
Huaynakana Kamatahuara Kana (ペルー) / インフルエンス賞

採取・抽出主義(Extractivism)はペルーのクカマ族の領土に絶えず脅威を与え続けており、それはクカマ族の文化的アイデンティティの喪失を意味します。これを守るために存在しているのが、Huaynakana Kamatahuara Kanaです。
クカマ族は自らの土地を一つの大きなまとまりと捉え、特に女性はその土地と本質的に結び付いていると考えます。例えば、”クカマ(Kukama)”という言葉は2つの言葉で構成されています。"ku"は「野原、田畑」を、"kama"は「胸、乳房」といった意味をもちます。つまり、Kukamaという言葉は「田畑の胸や乳房」または「野や田畑から栄養を授かる」といった意味になり、これはクカマ族の生活がマラニョン川下流域の森林生態系と深く結びついていることをよく表している言葉です。何十年にもわたってクカマ族は現地の生態系に適応し、共生してきました。この土地と川を民族の文化や生活様式から切り離すことはできません。クカマ族はこのマラニョン川を精霊と共にある生きた存在だと捉え、神聖視しています。2001年に設立されたHuaynakana Kamatahuara Kanaは採掘産業の影響で川の水質が悪化する中、環境正義を求めて集団行動や抗議活動、動員といった長い旅路へと歩を進めました。
2021年9月、Huaynakanaはペルーに対してマラニョン川を生きた存在として権利を有するものだと認識するよう求める、憲法訴訟を起こしました。2024年3月、Nauta地方裁判所はマラニョン川に本来備わっている権利を認める判決を下しました。これはマラニョン川が保持する流れる権利、汚染から解放される権利、そして環境的健康を回復する権利を含むものでした。また、この判決は先住民コミュニティがマラニョン川の法定代理人であり、守護者、そして擁護者であることを認めるものでもありました。この画期的な判決は昨年11月に上級裁判所によって下されました。Huaynakanaはマラニョン川の権利を擁護する重要な役割を担っており、森林再生の活動を通じて水路の再生と保全をサポートしています。この川が無ければ現地の唯一無二の森林は存在し得ないからです。
Ubuntu Learning Hub Trust(ザンビア)/ インテンショナル・プロジェクト賞

Ubuntu Learning Hub Trustは2022年に設立され、より高い回復力を備えた未来や健康的な地球に向けて活動する人々を支援することをミッションとして掲げています。
Ubuntu Learning Hub Trustは設立後すぐに、Ubuntu Learning Centreの創設を始めました。あらゆる年齢層が利用できるオープンな学習スペースとして、また、健康的な”母なる地球”と調和した技術を統合するデモンストレーションセンターとして機能する場となっています。Learning Centreはザンビアのルサカ州チョングエ郡のChikancila村にある2ヘクタールの敷地内に創設されました。このセンターはアフリカの哲学「ウブントゥ(Ubuntu)」に基づいて設立され、利用者が真の人間らしさについて学ぶ一助となっています。
ここは激しい競争社会から抜け出し、自らのために持続可能な未来を築こうとする人々が集まる場であり、彼らが自分自身や自分の家族、そして自身の属するコミュニティのために歩むべき道を見つける場としての役割も担っています。Ubuntu Learning Hub Trustは数十年にわたる不適切な土地管理で劣化した農地を再生させるべく、アグロエコロジーの実践に取り組んでいます。例を挙げると、”農家主体の自然再生アプローチ(Farmer Managed Natural Regeneration:FMNR)”はこの土地の在来植物の多くを回復させることに貢献しました。訪れる人々は人生の意味を探求し、自分の人生における目的を見つけ出そうとします。彼らのUbuntuでの滞在期間は様々ですが、その過程で異文化交流を行いつつ、自分自身と地球をケアする方法を学びます。Ubuntu Learning Hub Trustが提供するのは証書などではありません。それは人生を変えるほどの体験、私たちの住む地球を中心とした世界観を培うための機会なのです。
The Cultural Conservancy (アメリカ)/ インディジナス・ナレッジ&ウィズダム賞

The Cultural Conservancy(TCC)はカリフォルニア州サンフランシスコを拠点とする先住民主導の非営利団体です。1985年に設立され、代々受け継がれてきた知識や実践を先住民の土地で直接的に適用することで先住民文化を守り、それを復興させることをミッションに掲げています。
TCCは現地および世界中の先住民(Native/Indigenous)コミュニティと協力しており、プロジェクトはコミュニティの要望に基づいて形成され、伝統的知識の保持者や土地管理の実践者、コミュニティリーダーで構成される先住民諮問委員会(Native Advisory Council) の指導の下、コミュニティ主導で進められます。
言語復興や伝統的な彫刻に関するプロジェクトから先住民の農学や伝統的な土地管理手法に至るまで、TCCの活動において重要なのは先住民が土地や水と結んでいる神聖な関係性を認め、この関係が心身、そしてコミュニティの健康にとって重要だと認めることです。
代表的なプログラムである先住民食文化プログラム(Native Foodways Programme)と、土地プログラムである「Heron Shadow」を通じて、TCCは以下の取り組みを進めています:
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文化的に根ざした、安全な居場所の提供
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(植え付け、収穫、加工、分配、調理、種子保存を通じた)健康で文化的に適切な食料を栽培するためのリソースに対するアクセスの提供
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食料の入手可能性、土地の喪失、身体的および精神的、文化的健康問題に苦しむ人々を対象とした、コミュニティ主導の変革の促進
Battmung (韓国) / パーマカルチャー・マガジン賞

Battmungは韓国で若者が活躍し、パーマカルチャー・デザインについて学ぶことができる持続可能なパーマカルチャーヴィレッジを創出するために設立されました。
高齢化による危機に瀕している村の存続を目指すBattmungは、人と自然が共に豊かになり、持続可能な社会を築くためのデザイン手法であるパーマカルチャーを通じて村に再び活気を取り戻すことを目指しています。若者を対象に72時間のパーマカルチャーデザインコース(PDC)を提供し、コース修了後も積極的にパーマカルチャー・デザイナーとして活動を続ける人々は「Battmung Friends」グループを通じて交流を続けています。
コラボレーション
Lush Spring Prizeは2つの組織による共同事業として始まりました。豊かなコラボレーターのネットワークに恵まれ、今ではそれ以上の存在へと大きく発展を遂げています。
2025年、以下の組織や団体が資金提供を行うと共にコラボレーション賞を支援し、賞を形作るプロセスやLush Spring Prize全体の発展にも寄与しています。
その他
ピアツーピア形式の学習イベントや受賞セレモニーと並行して、最終候補に選ばれたグループは多くの場合、ラッシュやエシカルコンシューマー、メディアパートナー、その他リジェネラティブなプロジェクトとの関係を異なる形で続けています。例えば、再生農業に取り組むコミュニティは余剰農産物をラッシュに販売し、ラッシュはその農産物を自社商品に使用しました。また、東アフリカではプロジェクト間でさらにネットワーキングやスキルシェアを推進するために、地域イベントが開催されました。Ethical Consumer Magazineに掲載される記事を執筆したプロジェクトもありました。加えて、この数年の間に新たに生まれた協働プロジェクトもあります。それが、RegenerosityとRe-Allianceです。
Re-Alliance:Re-Allianceは人道支援および開発分野で活動するリジェネレーションの実践家らによるネットワークです。Re-Allianceが投げかけるのは「危機的時代において、いかにレジリエンスと豊かさを創出できるか」という問い。Re-Allianceは草の根的実践家のネットワークにおける調整役として機能すると共に、いくつかの人道支援機関から委託を受けて、パーマカルチャーやリジェネレーションにまつわる能力開発プログラムや、対等な仲間同士として学ぶピアツーピア的学習セッションを開催しています。詳細に関しては、こちらをご確認ください。
Regenerosity:RegenerosityはLush Spring PrizeとBuckminster Fuller Institute(BFI)のFuller Challenge、およびその他のパートナーグループ間で結ばれたパートナーシップです。これは地球上で最も重要なリジェネレーションの活動に取り組む、世界各地の団体から寄せられた数千件の応募にインスピレーションを受けて発足したものです。Regenerosityは最終候補に選出された全ての応募者や応募団体を、彼らの同意を得た上で、更なる資金調達やリソース提供を目指すネットワークへと招待しています。リジェネラティブなプロジェクトと資金提供者をつなげ、また、寛大な寄付者からの資金を資金調達フローに組み込む役割も果たしています。その目的はリジェネラティブな運動を支援するべく、今後10年間で可能な限り多くの資金を動かすことにあります。詳細に関してはこちらをご確認ください。
Lush Spring Prizeとは?
Lush Spring Prizeは、ラッシュとエシカルコンシューマーとのパートナーシップにより2017年に始動し、今回で6回目を迎えました。世界中のリジェネラティブなプロジェクトを対象に、今回の6回目を含めて累計130万ポンド(約2億5,350万円)以上の寄付をおこなってきました。
Lush Spring Prizeは、損なわれた地球のシステムを修復し、世界をよりみずみずしく豊かな状態にするために貢献している人々を称え、支援するもので、各共同体や社会が自然と調和しながら共存し、健全でしなやかな生態系と日々の暮らしを両立させる能力を向上させることを目的としています。そして、総合的なアプローチを通じて健全なエコロジー、経済、社会システムを構築するサステナビリティ(持続可能性)を超えるプロジェクト、つまり持続しながらも新たな価値やポジティブな影響を創出する「リジェネラティブ」なプロジェクトを支援します。また、リジェネラティブなプロジェクトを支援することで、この活動全体の認知度が高まり、より多くの個人、グループ、コミュニティ、資金提供者、企業がリジェネラティブな取り組みを開始するきっかけになることを願っています。
なお、Lush Spring Prizeの賞金は、お買い物時に購入された手提げ袋の売り上げ(消費税を除く全額)を原資にしています。※1ポンド=195円換算
審査委員会
Lush Spring Prizeの審査員会は環境再生型デザイン(リジェネラティブ・デザイン)やパーマカルチャー、食糧主権、持続可能な社会へと移行を目指すトランジションタウン運動、バイオミミクリー(自然界の仕組みを模倣し、持続可能なシステム開発に活かすアプローチ)、エコビレッジネットワーク、そして多種多様な社会正義運動等、様々な運動に従事する人々から選出されたメンバーで構成されています。インディジナスナレッジ&ウィズダム賞の審査委員会には先住民の人々も含まれており、その中にはこれまでに受賞経験のあるメンバーもいます。
Lush Spring Prizeでは各サイクルごとに「ラッシュカスタマー審査員」と「ラッシュスタッフ審査員」も選出され、審査委員会に加えて独立した審査員として活動します。詳細はこちらからご確認いただけます。
ラッシュの商品について
ラッシュの商品はイギリスで開発され、日本・神奈川県のキッチンで手作りしています。
ラッシュについて
ラッシュは、新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランドです。約95%の商品がヴィーガン対応です。エッセンシャルオイルをふんだんに使用し、動物実験をせず、可能な限り合成保存料に頼らない処方で手作りしたスキンケア、ヘアケア、バス製品などですべての人の健やかな肌や髪のために役立ちたいと考えます。原材料の新鮮さ、本質的な意味においてオーガニックであることに価値をおいて開発する商品は、フレッシュなうちに使用することで原材料の効果を最大限実感することができると信じています。「ラッシュ」の名が示す通り、毎日の生活を「みずみずしく豊か」に、よりハッピーでヘルシーなものにしたいと考えます。倫理的であること、そしてサステナビリティのその先を目指し、原材料調達から商品開発やパッケージの資材調達など、リジェネラティブであること(再生可能性)を最優先に、そして「この地球をよりみずみずしく、豊かな状態で次世代に残す」ことをブランドパーパスにあらゆる企業活動を行っています。
企業の取り組みなどブランドに関する情報をまとめた公式サイト: https://weare.lush.com/jp/
公式オンラインストア: https://www.lush.com/jp/
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