国内製紙工場のソーダ回収ボイラー向けCO2回収実証試験を共同で実施 小型CO2回収装置「CO2MPACT(TM)モバイル」を活用し、製紙業界の脱炭素化に貢献
◆ 紙の原料となるパルプの製造過程で副生成物として発生する“黒液”を主要燃料としたボイラーで
三菱重工業は、国内大手の製紙会社である北越コーポレーション株式会社(本社:東京都中央区、以下、北越コーポレーション)と共同で、ソーダ回収ボイラー向けのCO2回収実証試験を11月から開始しました。当社の小型CO2回収装置により製紙に必要な蒸気や電力をつくるソーダ回収ボイラーからCO2を回収するもので、この分野に当社のCO2回収技術が使われるのは初の試みとなります。本試験を通じて、実用化に向けたデータ分析・評価を行い、製紙業界の脱炭素化を加速させていきます。
今回の実証試験は、北越コーポレーションの新潟工場(新潟市)において、三菱重工の実証試験用小型CO2回収装置「CO2MPACT(TM)モバイル」※を用いて取り組んでいます。ソーダ回収ボイラーは、紙の原料となるパルプの製造過程で副生成物として発生する“黒液”を主要燃料とするボイラーで、“白液”と呼ばれるナトリウム(ソーダ)を含む溶液で木材チップを溶解し、パルプを取り出した後に残る黒液の燃焼後残さから白液成分を回収して再循環利用することが名称の由来です。
世界中で脱炭素化に向けたニーズが高まるなか、国内でもあらゆる産業分野において脱炭素化への取り組みが活発で、製紙業界もその1つです。今回の実証試験は、その生産工程における排出CO2を直接回収することで、製紙業界にさらなる地球環境対策に寄与するソリューションを提案し、脱炭素化促進の一助となることが期待されます。
三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、エネルギー需要側・供給側双方の脱炭素化に向け戦略的に取り組んでいます。このうちエネルギー供給側の脱炭素戦略である「エナジートランジション」における柱の1つが、多種多様なCO2排出源と貯留・利活用をつなげるCCUSバリューチェーンの構築です。この柱を引き続き強化することに努め、独自のCO2回収技術を活用したCCUS事業を強力に推進するとともに、ソリューションプロバイダーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていきます。
※ 中小型CO2回収装置「CO2MPACT(TM)シリーズ」について、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
https://www.mhi.com/jp/news/240919.html
三菱重工グループのCO2回収技術について
三菱重工グループは、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術KM CDR Process(TM)やAdvanced KM CDR Process(TM)の開発に取り組んでいます。2024年11月現在、これらの技術を用いたプラントを18基納入しています。Advanced KM CDR Process(TM)には、アミン吸収液KS-1(TM)に技術改良を加えたKS-21(TM)が採用されています。KS-21(TM)は、KS-1(TM)と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されています。
【三菱重工グループ「CO2回収技術」製品情報はこちら】
https://www.mhi.com/jp/products/engineering/co2plants.html
■三菱重工業株式会社
ウェブサイト:https://www.mhi.com/jp/
オンラインマガジン「SPECTRA」(日本語):https://spectra.mhi.com/jp
公式Twitter:@MHI_GroupJP
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