日本IBM、医療従事者の業務変革を促進する「病院業務支援AIソリューション」を提供開始
電子カルテ・システム「IBM Clinical Information System」と連携し、医療従事者の記録業務効率化と働き方改革および病院のDX推進を支援
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、電子カルテ・システム「IBM Clinical Information System (以下、CIS)」の拡張機能として、生成AIや音声認識AIを活用して病院における記録作成や医療文書作成といった非診療業務をほぼ自動化し、医療従事者の業務負荷の削減を目指す「病院業務支援AIソリューション」を開発しました。最初の機能となる「退院サマリーのドラフト自動作成機能」を、本日より提供開始します。
昨今、医療現場では人手不足が深刻な問題となっており、限られた医療スタッフで質の高い医療サービスを提供し続けるためには、業務の効率化と自動化が不可欠な状況となっています。また、2024年4月に施行された「医師の働き方改革」により、医療機関では時間外労働の削減も喫緊の課題となっています。特に記録作成や文書業務などの非診療行為が医師や看護師の大きな負担となっており、負荷削減が期待されています。
このような課題の解決に向け、日本IBMは、全国61の病院施設で導入・稼働(2025年7月現在)しているCISの拡張機能として、CISから取得した患者のカルテなどの情報を基に、生成AIや音声認識AIを活用して退院サマリーなどの医療文書のドラフトを自動生成し、医療従事者の非診断業務を支援するソリューションを開発しました。
病院業務支援AIソリューションの特長
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CISとのシームレスな連携
本ソリューションは、医療情報交換のための国際標準規格であるHL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)を介してCISから取得した患者のカルテなどの情報を基に、退院サマリーなどの医療文書のドラフトを自動生成します。作成された文書は、CISクライアントを通じて直接CISに取り込むことができます。CISへの取込には医療従事者による確認が必要な設計となっており、医師や看護師により適切に確認、修正された内容のみがCISに保存されます。
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マルチ生成AIプラットフォーム対応による柔軟性の確保
本ソリューションは、IBM watsonxのほか、Azure OpenAI、Amazon Bedrockといった多様な生成AIプラットフォーム上で稼働することが可能です。これにより、医療機関それぞれの要件や予算、セキュリティー・ポリシーに応じて最適な生成AIプラットフォームを選択することができます。さらに、クラウド環境だけでなく、オンプレミス環境での稼働も可能であり、患者情報の機密性をより重視する医療機関や、独自のセキュリティー・ポリシーを持つ医療機関のニーズにも対応しています。
提供機能
本ソリューションの最初の機能として、生成AIを活用した退院サマリーのドラフト自動作成機能を提供します。本機能は、医療機関と協力して実証を行い、医療従事者の記録業務時間の短縮に寄与することが確認されています。
▼画面イメージ(退院サマリーのドラフト)

▼画面イメージ(電子カルテに反映された退院サマリー)

また、音声認識AIと生成AIを活用し、医療カンファレンスやインフォームド・コンセント、外来診療記録の音声からそれぞれのサマリーのドラフトを作成する機能や、生成AIを活用した看護記録のドラフト作成機能の開発を進めており、医療機関における検証後、順次提供開始する予定です。
日本IBMは、本ソリューションを通じて病院全体へのAI適用を推進し、医療従事者の業務負荷削減を目指します。さらに、将来的には病院独自のAI構築も視野に入れ、AIによる病院全体の変革を支援していきます。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、watsonxは、米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。
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