富士製薬工業とFRONTEO、女性医療領域における創薬シーズ評価に関する共創プロジェクトを開始
AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」を活用し医薬品研究開発を加速
富士製薬工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森田 周平、以下「富士製薬工業」)と株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO(フロンテオ)」)は、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」を活用した、女性医療領域における創薬シーズ*1評価に関する共創プロジェクトを開始しましたのでお知らせいたします。

本プロジェクトでは、女性医療に強みを持つスペシャリティファーマである富士製薬工業と、創薬とAIに精通したFRONTEOの研究チームが、女性医療領域における新規性の高い標的分子の探索*2に取り組みます。FRONTEOは、DDAIFから導いた解析結果を富士製薬工業に提供し、富士製薬工業はそれらの情報を、創薬シーズの導入*3を検討する際の科学的評価の指標として活用します。
製薬企業にとって、創薬シーズ導入は重要な決定プロセスであり、その選定には高度な専門知識が不可欠です。DDAIFは、同プロセスにおける判断を科学的に支援し、創薬の成功確率を高めるサービスとして期待されています。
*1 創薬シーズ:医薬品研究開発の「タネ」となる、疾患の治療に有効だと考えられる化合物や抗体、創薬技術など
*2 標的探索:医薬品研究開発において、薬を作用させる対象とする分子(遺伝子)などを特定するプロセス。薬によって当該分子の機能を抑制または活性化することにより、疾患の治療や症状の軽減を図るという働きの、ターゲットを選定すること。
*3 導入:製薬企業において、自社内で研究開発を行う形態のほか、他社・他機関から医薬品候補化合物などの開発権や販売権を獲得するケースがあり、後者を導入(ライセンスイン)と呼ぶ
創薬における課題と共創プロジェクトの意義
創薬の現場では、対象とする疾患の多様化・複雑化により、従来の研究手法では探索が難しい新規性の高い標的分子やメカニズムの発見が求められるようになっています。また、ドライ研究(データ解析)と、細胞や動物を用いたウェット研究(生物学的検証)の間には、工程や知見の断絶があると言われており、研究開発のスピードおよび成功確率の向上を阻害する要因となっています。
共創プロジェクトでは、一般的な委託形態とは異なり、プロジェクト初期から両社の研究者が密に連携し、両社の強みや情報、知見を生かして共創することにより、効率的かつ効果的に成果物の最大化を目指します。
富士製薬工業 代表取締役社長 森田 周平のコメント
「当社は、女性医療における新たな価値創造を目指し、FRONTEO様との共創プロジェクトを開始いたしました。創薬シーズの評価は、医薬品開発の成否を左右する極めて重要なプロセスであり、科学的根拠に基づく判断が求められます。FRONTEO様のAI創薬支援サービス『Drug Discovery AI Factory』は、膨大な文献情報を網羅的かつ高精度に解析できる点で、当社の研究開発に大きな力を与えてくれると確信しております。両社の知見と技術を融合させることで、革新的な医薬品の創出につながる成果を生み出し、女性の健康とQOL向上に貢献してまいります。」
FRONTEO 取締役/CTO 豊柴 博義のコメント
「本共創プロジェクトは、FRONTEOの創薬支援サービスDDAIFを、新規創薬標的候補の探索に加え、KIBITの解析結果を富士製薬工業様の創薬シーズの導入に際しての科学的評価の指標とするという新たな活用に取り組みます。対象を網羅的かつアンバイアスに解析できるAIは、導入・導出の評価にも大きな強みを発揮します。富士製薬工業様との共創プロジェクトが、革新的な医薬品の創出につながることを楽しみにしております。」
両社は、本プロジェクトにおいてそれぞれの専門性や技術を融合させ、女性医療におけるFirst in Classの新薬創出を目指した研究開発を加速させ、医療の質と患者のQOL(生活の質)向上に貢献してまいります。
■富士製薬工業株式会社について
URL:https://www.fujipharma.jp/
富士製薬工業株式会社は、1965 年の設立以来、「優れた医薬品を通じて、人々の健やかな生活
に貢献する」「富士製薬工業の成長は、わたしたちの成長に正比例する」を経営理念とし、人々の
痛みや障害の改善・克服に役立つ医薬品の開発、製造、販売を通して社会に貢献すべく事業を
展開しています。重点分野である女性医療では、月経困難症をはじめ、子宮内膜症、更年期障害、
不妊症、避妊など、女性特有疾患の医薬品を数多く取り扱っています。女性医療のリーディングカ
ンパニーとして幅広い年代の女性の健康をサポートしています。
■FRONTEO DDAIFについて
https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/
「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化したAI「KIBIT(キビット)」(日米特許取得済)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。
本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入されており、実績を積み重ねています。
■FRONTEOの共創プロジェクトについて
一般的なAIを活用した創薬ソリューションにおいては、ドライ研究(データ解析)とウェット研究(細胞、動物などを用いた生物学的試験)を担当する会社間の積極的な意見交換および機微な情報連携などが行われないままドライ研究の成果物が提出されることも多く、円滑にウェット検証に移行できない要因の一つとなっています。
共創プロジェクトは、このドライからウェットへと進める重要なプロセスにおいて、FRONTEOとクライアント企業の創薬研究者が垣根を越えて密に連携(共創)することで、両社が保有する知識や技術を取り入れ、その相乗効果を最大限に発揮した成果物の創出を目指すものです。
この取り組みは、現在複数の製薬会社と協議を進めている同様のプロジェクトにおいても、クライアントの医薬品開発における成功率向上に大きく寄与するものと期待されます。
■株式会社FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米欧特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。

KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(コンプライアンス支援分野、経済安全保障分野、リーガルテックAI分野)、DX(プロフェッショナル支援分野)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金資本金899,176千円(2025年3月31日時点)。
※ Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および米国、欧州で21件の特許権を取得しています。
※ FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および欧州、米国、韓国における商標または登録商標です。
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