”働き方”について中高生が社会人へ直球質問<何のために働いていますか?> 初の中高生参加オンライン読書会開催
池上彰さん監修『なぜ僕らは働くのか』を読む -八千代松陰学園の中高生と社会人が対話するオンライン読書会<ペアドク>開催レポート-
読書会の30分間の読書タイムに、第3章「好きを仕事に?仕事を好きに?」を読んだ生徒が半数以上いました。「好きなことは一つに絞るべき」という先入観が本を読むことで変わり、転職経験もある社会人の話に気づきを得る様子が見られました。また、中高生からの直球の質問にうろたえながらも真剣に答える社会人の姿もありました。「本」を軸に多様な世代や価値観の違う人同士が対話し、お互いに気づきを得る、ペアドクならではのイベントとなりました。
■実施の背景
本を1冊読み切れない若い世代に向けて、ハイブリッド型総合書店hontoでは「本を用いた対話」による学びを提供する読書会<ペアドク>を定期的に開催しています。①「事前読書は不要」(その場で30分読む時間を用意)、著者や参加者との②「対話」の時間を楽しむことが特徴です。多様な年代、価値観の人の意見に気づきを得られ、毎回満足度が90%以上と好評です。
今回、学校法人八千代松陰学園の「土曜日オンライン講座」の一つとして開催し、初めて中高生が参加する会となりました。様々な職業の社会人も参加し、ペアドクならではの世代も価値観も交じりあっての対話ができました。
■開催概要
〇開催日時:2021年6月12日(土) 9:00~10:30 オンライン会議ツール「Zoom」で開催
〇対象書籍:『なぜ僕らは働くのか』/佳奈 (著),池上彰 (監修),モドロカ (イラスト)/学研プラス
〇読書会の流れ
1.目次を見て気になった「章」を個別に読む (オンラインで繋いだ状態で30分間)
2.グループに分かれて自分の意見を共有する(どの章を読んだか、読んだ理由や気づいたことなど)
3.同じグループの社会人に聞いてみたいことを質問する
〇参加者
・八千代松陰学園生徒 計9名 (中学2年生1名、中学3年生2名、高校1年生6名)
・社会人 計8名 (hontoの読書会コミュニティメンバー)
■「第3章:好きを仕事に?仕事を好きに?」を読んだ中高生が半数以上に
30分間の読書時間に、第3章「好きを仕事に?仕事を好きに?」を読んだ中高生が半数以上いました。第3章には、将来どんな仕事がしたいかを若いうちから考えておくことが重要で、そのために自分が好きなことは何かを考えることから始めようと書かれています。目の前の進学とその先にある職業をイメージして、進路に悩む世代がまさに気になるテーマが選ばれました。
【第3章を読んだ中高生の意見】 〇79ページに、好きなことや得意なことを1つに決めなくてもいい、夢はコロコロ変わってもいいと書いてあった。1回決めたらコロコロ変えてはいけないと思っていたところがあるので、たくさん色んなものを見たほうがいいのだと気づいた。(中学3年生女子) 〇自分は飽き性で夢を一つに定められず、好きなことを仕事にすることが考えづらかったので読んでみようと思った。84ページの<好きの理由を深く考えよう>が印象に残った。自分はテニス、バスケ、サッカーとスポーツ全般が好きだが、野球はあまり好きではない。これを読んで自分の「好き」を深掘りしていったら、戦略を立てたり、戦略を紐解くのが面白いから好きなんだという結論にぶつかった。自分の「好き」の根源がわかった。(高校1年生男子) |
これらの意見とは逆に、好きなことが一つに絞られていることによる悩みも出ました。音楽が好きだが、将来的には成功する確率が低いと思うので悩むという声には、研究職に就く社会人から「好きなことは趣味にして仕事は別のことをするという選択もあります。僕も進学する際に美術専門に行くか迷ったことがありましたが、今でもこうして(手元の人物画を見せて)絵を描くことを趣味で楽しんでいます。飯が食えるかどうか悩むのはまだ早いでしょう」、カフェ勤務の女性からは「好きと言う感性を大事に育ててほしいと思います。」など、大人たちからの応援の声が上がりました。
■中高生からの質問:「皆さんは何のために働いていますか?」
高校1年生男子生徒からの「皆さんは何のために働いていますか?」という質問に、一瞬うろたえた大人たちでしたがこんな答えが上がりました。
〇単純にいうと、楽しいから働いている!新しいことを起こし、変わっていく、それが楽しい。そこに理由はないです(中央省庁勤務) 〇ゲームや漫画が好きだけど、自分で開発したシナリオで主人公になるほうがずっと楽しい。今の仕事もこれが正解なのか誰も分からないけど、これが正解だったら面白いなと思いながらやっています。(ネットサービス企業勤務) |
■八千代松陰学園の生徒からの感想
「将来の悩みなどを社会人の方に聞いていただいたり、別の学年の子とも、どこが自分にとって心に刺さったのかを話すことができてよかったです。すごく楽しかったです!!」(高校1年生女子)
「社会人の人達は働く理由について、生活のために働いてるとかお金をもらうためという理由の他に、それぞれ違う理由を持っていた。その理由は、働くのが単純に楽しいから、ゲームをやっているみたいだし作っているみたいだから、知的好奇心を養うため、など様々だった。こういうふうに、生活のためとかお金をもらうため以外に何かしら一つ働く理由があることはいいことだと思うし、仕事が楽しくて好きな人の特徴だと思う。私は社会人の人達の話を聞いてそういう人になり、人生を楽しみたいと思った。」(高校1年生男子)
「一番印象に残ったことは、一度どこかに就職してから転職した人の話を聞いたことです。なぜなら、私は一回どこかに就職したら自分に合わない仕事だったとしてもずっとそこで働いているというイメージがあったので、この話を聞いて仕事は一回就いてからも自分に合う仕事を見つけることが大事なのかなと思いました。だから、今目指している職業はあっても、他の仕事を知ることでこれからの人生を充実させることができるのかなと思いました。」(高校1年生男子)
■八千代松陰学園ご担当教諭の声
金岡辰徳(かなおか たつのり)先生 (土曜日オンライン講座バックオフィス担当)
「読書会に参加した様々なキャリアの社会人が、始まる前から楽しそうで、読書体験そのものが好きな方々が集まっていました。発信する側が面白いと思っていなければ、生徒には響きません。「ペアドク」をやりたいと集まった生徒が、生徒以上に読書を好きな社会人の方と繋がれたことだけでまず成功です。ましてや土曜日。宿題でもなく、誰かに強制されたわけでもない、点数に繋がるわけでもない授業を、子どもたちが自ら選んでいるのです。終わった後の子どもたちの顔はニコニコと、いつも以上の笑顔を見せてくれました。」
■今後の展開
今回は中高生向けの講座の一環でペアドクイベントを実施しましたが、中高生のためだけの内容にとどまらないものにすることができました。「働くとは何か?」というテーマは、大人になっても考え続けるもので、何のために働いているか?などの中高生の直球な質問は、働く大人が改めて、自分の考えを見直す良い機会となりました。
2学期以降も八千代松陰学園との共催は継続予定です。今後も外部の法人・団体との連携も行いながら、「答えのない問い」に対して、様々な価値観・世代が交じりあうイベントを開催していきます。
<ハイブリッド型総合書店「honto」について>
「honto」は、ネット書店(本の通販ストア、電子書籍ストア)と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店を連携させた総合書店として 2012 年 5 月にサービスを開始しました。「読みたい本を、読みたい時に、読みたい形で」提供するサービスで、本を愛する人をサポートし、2021年5月に会員数650万人を突破しました。2021年6月現在、honto サイトと共通で利用できる honto ポイントサービスは約 180 店舗で展開しています。
≪ハイブリッド型総合書店「honto」公式サイト https://honto.jp/≫
<大日本印刷株式会社 会社概要>
・会社名:大日本印刷株式会社(Dai Nippon Printing Co., Ltd.) http://www.dnp.co.jp/
・社長: 北島 義斉
・所在地:〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
<株式会社トゥ・ディファクト 会社概要>
・会社名:株式会社トゥ・ディファクト(2Dfacto, Inc.) https://www.2dfacto.co.jp/
・社長:田宮 幸彦
・株主:大日本印刷株式会社
・所在地:〒141-8001 東京都品川区西五反田3-5-20
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