特集 天皇論
「月刊Journalism」4月号発売!
株式会社朝日新聞社(渡辺雅隆社長)は4月10日、「月刊Journalism」の4月号を発行しました。
特集は「退位、改元、国民統合の象徴の行方は? 天皇論」です。新元号が「令和」と決まり、明仁天皇が4月末に退位、皇太子さまが5月1日に即位します。このタイミングに「天皇制とは何か」「日本社会にとっての天皇とは」を考えてみました。
社会学者の大澤真幸さんは古代からの天皇制の継続性は「謎」としながらも、戦後日本では民主主義を可能にするための合意形成の基盤となったと指摘。その上で「グローバル化の中で日本社会が存続する上では、それが早晩、障害物へと転ずる恐れがある」とし、「天皇制自体の革命が必要になる」と説いています。大阪大学教授の牟田和恵さんは皇室が戦後の日本の家族像の手本になってきたとし、「皇室の女性差別はこの社会全体の女性差別の原因でもあり結果でもある」と指摘しています。
宗教学者で上智大学教授の島薗進さんは、戦後も維持され続けた皇室祭祀が「神聖な皇室」を形作っており、そこに天皇制に潜む危険性を見いだしています。神奈川大学名誉教授の尹健次さんは日韓問題が深刻化する中で、代替わりによって思考停止になることを危惧しています。
ほかに海外の王室との比較を関東学院大学教授の君塚直隆さん、「アイヌと天皇」を札幌学院大学教授の児島恭子さん、「女性週刊誌と皇室」を皇室ジャーナリストの近重幸哉さん、改元については社会学者の鈴木洋仁さんが論じています。「ゆきゆきて、神軍」などで知られる映画監督の原一男さん、昭和天皇を描いた「太陽」で知られる映画監督のアレクサンドル・ソクーロフさんも執筆しています。また、フォトジャーナリスト安田菜津紀さんのシリアルポも掲載しています。
「月刊Journalism」は2008年10月創刊。「メディアと市民と権力」(2018年12月号)、「憲法9条」(2019年2月号)などさまざまな社会問題にジャーナリズムの観点から切り込んでいます。
定価800円(税込み)、年間購読料は8800円(税・送料込み)。全国の書店、ネット書店、ASA(朝日新聞販売所)で注文によってお求めいただけます。
【朝日新聞社ジャーナリスト学校】
2006年に発足。入社1、2、3年目の若手記者向けの研修を中心に、中堅やベテランの記者にも「学ぶ場」を提供しています。自治体財政、医療といったテーマ別研修も開き、他のメディアにも参加を呼びかけています。
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