三菱重工機械システム、国立研究開発法人 建築研究所向けに振動台更新工事を完了 油圧式に代えて電動式を採用、省エネ化と性能アップを実現
◆ サーボモーター10台の回転をボールネジで水平一方向振動に変換、実際の地震と同じ揺れを発生 ◆ 実験模型の搭載質量を1.5倍に、移動ストローク伸長や速度アップも図り耐震安全性の評価範囲を拡大
三菱重工グループの三菱重工機械システム株式会社(MHI-MS、社長:小嶋 聡、本社:神戸市兵庫区)は、茨城県つくば市にある国立研究開発法人 建築研究所向けに、地震の揺れを再現できる振動台の更新工事を完了し引き渡しました。従来の油圧式振動台に代えて電動式を採用するとともに、搭載する実験模型の大型化・質量増にも対応。国が直面する地球温暖化抑制や国土防災機能高度化などの諸課題を踏まえ、省エネ化および耐震安全性評価の性能アップを実現しています。
建築研究所は、国土交通大臣から指示された中長期目標を実現するため、所内の実験施設を活用して住宅・建築・都市計画に係わる技術の調査・試験・研究開発、地震工学に関する研修などに取り組んでいます。今回更新を終えた振動台は、建築物の実験模型を鋼製のテーブル上に設置し、実際に観測された地震の揺れを発生させることにより建築物の耐震安全性を評価する試験装置で、得られた研究成果は、建築物の耐震設計や技術基準の策定などに役立てられます。
更新工事の特長は、従来の油圧式に代えてサーボモーターの採用による電動式にした点です。従来の地震振動台は油圧サーボ方式が一般的でした。近年、交流で動くサーボモーターの出力が増大し、より大きな負荷に対応できるようになったことから、中小型の地震振動台については電動式で実現できるようになりました。合計10台のサーボモーターの回転をボールネジで水平一方向の運動に変換し、実験模型に実際の地震と同じ揺れを与えることができます。電動式への更新によって、油圧設備とそれを動かす動力源が不要になり、消費電力は更新前との比較で約90%の削減を見込んでいます。油漏れリスクなどがないクリーンな環境も構築できました。また、実験模型を搭載する鋼製テーブルを3m×4mから3.5m×4.5mに大型化し、搭載できる実験模型の質量を20トンから30トンに増やすとともに、移動ストローク伸長や速度アップも図っています。
MHI-MSは、研究機関向けの振動試験装置など、各種油圧試験装置の納入実績を多数有しています。今後は、本製品をラインアップの1つに加えることで、油圧式・電動式それぞれの長所を生かして顧客の幅広い要求に応えるとともに、防災技術の向上に寄与していきます。
■三菱重工業株式会社
ウェブサイト:https://www.mhi.com/jp/
オンラインマガジン「SPECTRA」(日本語):https://spectra.mhi.com/jp
公式Twitter:@MHI_GroupJP
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像