【緊急事態宣言下のテレワーク実態調査】テレワーク実施率、1回目の緊急事態宣言より2回目は7.1ポイント減。企業の「全社的なテレワークの実施」は二極化傾向
今後の方針「テレワーク導入、継続予定」が4割超の一方で、「廃止、縮小、導入予定なし」も3割超
【調査結果サマリー】
- 1回目の緊急事態宣言時より、2回目では「全社的にテレワークを実施した」が7.1ポイント減少
- 企業規模別では、従業員1000名以上の企業の方が、従業員1000名未満の企業よりもテレワークの実施状況が12.4ポイント高い
- 今後のテレワークの方針としては、 「拡大予定/継続予定/新規導入」が43.5%だが、「導入したが縮小・廃止予定(14.9%)」、「導入予定なし(19.5%)」を合わせると34.4%と二極化の傾向
- 感染拡大防止以外で、テレワークで期待することは、 「社員のワーク・ライフ・バランスの向上」が最多
- テレワークに伴う「テレワーク手当等」の新制度の導入について、約3割が 「導入済」
【弊社の見解】
今回の調査の結果について、アデコ株式会社取締役ピープルバリュー本部長の土屋恵子は、次のように話しています。「昨年4月に発令された1回目の緊急事態宣言下よりも2回目の宣言下では、テレワークの実施率が減少していたことがわかりました。また、4月25日より3度目の緊急事態宣言が発令されましたが、人流を抑えるためにも企業におけるテレワークの実施は非常に重要な取り組みであると捉えています。
今回の調査では、テレワーク制度を導入したにもかかわらず、今後は「縮小、廃止予定」と回答した担当者が14.9%おり、一時的な感染対策施策にとどまっていることが伺えます。その一方で、すでに3割がテレワークに関連する新制度の導入を実施している等、定着に必要な社内整備が進んでいる企業も一定数あることがわかりました。導入にあたっては制度設計のみならず、定着に必要な社内規程の整備や組織マインドセットの醸成、それに加えて管理職層のマネジメント手法にも見直しが必要となります。今後、企業はテレワークを定着させ、生産性の向上を高められる支援を行うことがより一層求められると考えます。
アデコ株式会社 取締役/ピープルバリュー本部長 土屋恵子
ケース・ウェスタン・リザーブ大学経営大学院組織開発修士課程修了。2015年より現職。ジョンソン・エンド・ジョンソン、GEなど、主にグローバルカンパニーで20年以上にわたり、統括人事・人材育成部門の統括責任者として日本およびアジアの人材育成、組織開発の実務に携わる。 一人ひとりの個性や強みが生きる、多様で自律的なチーム・組織創りをテーマに、リーダーシップ開発、企業の社会的使命の共有による全社横断の組織改革、バリューに基づく個人の意識や行動変革の支援、組織診断・制度浸透などを手がける。
<調査結果詳細>
緊急事態宣言発令時の実施状況:1回目より、2回目では「全社的にテレワークを実施した」が7.1ポイント減
企業で働く人事・総務担当者1496名を対象に、昨年の4月に発令された1回目の緊急事態宣言発令時(2020年4月16日~5月25日)と2回目の発令時(2021年1月7日~2月28日※1)のテレワーク実施状況についてアンケート調査を行いました。テレワークを「全社的に実施した」と回答した担当者が1回目は42.3%に対して、2回目では35.2%と、7.1ポイント減少していたことが分かりました。
※1首都圏1都3県は3月17日まで
企業規模別での実施状況:従業員1000名以上の企業は、従業員1000名未満の企業よりもテレワークの実施が12.4ポイント高い
テレワークの実施状況を企業規模で比較したところ、従業員1000名以上の企業では「全社的に実施した」との回答が41.3%だったのに対して、従業員1000名未満の企業では28.9%と12.4ポイント低く、企業規模により実施状況に差があることが分かりました。
テレワークで期待すること: 「社員のワーク・ライフ・バランスの向上」が最多
テレワーク導入による新型コロナウイルスの感染拡大防止以外で、期待している効果を聞いたところ、「社員のワーク・ライフ・バランスの向上(40.1%)」が最も多く、次いで「社員のモチベーションの向上(31.4%)」、「長時間労働の削減(29.3%)」の回答が多い結果となりました。社員の労働環境の改善効果への期待が上位にあがる一方で、4位には「期待していることはない(25.4%)」という回答があり、感染予防対策を第一の目的としてテレワークの実施を講じている状況が分かりました。
今後のテレワークの方針: 「拡大予定/継続予定/新規導入」が43.5%だが、「縮小・廃止予定/導入予定なし」も34.4%
今後のテレワークの導入や継続・廃止等、勤務先の方針を聞いたところ、「導入済で、今後拡大予定(13.6%)」、「導入済で現状維持(28.4%)」および「未導入だが、新規導入予定(1.5%)」の回答が合わせて43.5%と大半がテレワークを導入・継続の意向でしたが、「導入済だが、縮小・廃止予定(14.9%)」、「未導入だが、導入予定なし(19.5%)」と3割以上がテレワークの推進をしない意向であることがわかりました。
テレワークに伴う制度の導入: 「導入済」、「検討中」ともに約3割
前問で「導入済で、拡大予定」、「導入済で現状維持」と回答した担当者628名を対象に、「テレワーク補助などの新しい福利厚生施策等の導入状況」について質問したところ、「導入済み」は28.3%で、「検討中」は28.7%でした。2020年10月に実施した調査では、「実施済」が10.8%と1割程度にとどまっていましたが、約半年の間に企業内での制度整備が進んでいることが分かりました。
【調査概要】
調査対象: 企業の人事・総務担当者1496名
サンプル: 従業員1000名以上の企業に勤める担当者745名、従業員1000名未満の企業に勤める担当者751名
調査方法: インターネット調査
実施時期: 2021年3月26日~3月31日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
▼プレスリリース
https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2021/0428
■アデコグループジャパンについて
アデコグループは、世界60 の国と地域で事業を展開する⼈財サービスのグローバルリーダーとして、働くすべての⼈々のキャリア形成を⽀援すると同時に、⼈財 派遣、⼈財紹介、アウトソーシング、コンサルティングをはじめ、企業の多岐にわたる業務を最適化するソリューションを提供しています。⽇本においては、アデコ 株式会社および株式会社VSN等の法⼈のもと、6 つのブランドからなるサービスを展開し、⼈財が躍動できる社会の実現を⽬指し、さらなるサービスの強化 に取り組んでいます。詳しい情報は、www.adeccogroup.jp をご覧ください。
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