データ連携基盤の共同利用による神戸市民の運動習慣の継続化に関する実証事業について

三井不動産株式会社

神戸市(神戸市長 久元喜造)、株式会社アシックス(代表取締役社長COO 富永満之、以下 アシックス)、株式会社アリストル(代表取締役CEO 宮崎学、以下 アリストル)、株式会社Wellmira(代表取締役CEO 渡辺敏成、以下 Wellmira)、株式会社NTTデータ(代表取締役社長 佐々木裕、以下 NTTデータ)、三井不動産株式会社(代表取締役社長 植田俊、以下 三井不動産)、BIPROGY株式会社(代表取締役社長 齊藤昇、以下BIPROGY)、一般社団法人UDCKタウンマネジメント(代表理事 尾實健、以下 UDCKタウンマネジメント)は、神戸市民の運動習慣の継続化に関する実証事業(以下「本事業」)を、柏の葉スマートシティ(以下「柏の葉SC」)で展開中の健康管理やフィットネスアプリが利用できるポータルサービス「スマートライフパス」とパーソナルデータ連携基盤「Dot to Dot」を共同利用する形で実施し、一定の効果を確認することができました。



実証事業の背景

 現在デジタル田園都市国家構想を踏まえ、全国の自治体でデータ活用の取り組みが進んでいますが、自治体が個別にサービスおよびデータ連携基盤を構築・運用することで時間とコストがかさみ、大きな負担となっています。

 神戸市では、世の中に既にある優良事例に着目し、それらのサービスおよびデータ連携基盤を共同利用することで構築・運用の負担を軽減し、真に市民に価値あるサービス創出に注力したいと考えていました。


■実証事業の概要

 「女性の20~40代は他の世代と比べて運動実施率が低く、ライフステージの変化における体調不良に直面しやすい。こうした世代の皆さんに運動を通してココロと体を整えるきっかけ作りを提案したい。」

 この神戸市の健康増進施策の課題に対して、KOBEスマートシティ推進コンソーシアムの実証事業を実施しました。本事業は、ウェルネスサービスの利用による運動習慣の継続化を目的としています。この目的は『20-40代の女性を対象にした健康増進サポート事業「KOBE Sports & Well-being City Project」(以下「KOBEプロジェクト」)』と同じであることから、「KOBEプロジェクト」共同事業体※と連携して「KOBEプロジェクト」参加者 100 名を対象に、UDCK タウンマネジメントが柏の葉 SCで展開するポータルサービス「スマートライフパス」とパーソナルデータ連携基盤「Dot to Dot」を共同利用する形で、運動習慣の変化を確認しました。本事業は神戸市が解決したい課題に、KOBEスマートシティ推進コンソーシアムに加盟するアシックス、三井不動産、BIPROGYが賛同し、各社が主体的に参加、共創をすることで、準備期間はわずか2か月間という産官連携事業としては異例の短期間で実証検証を実現しました(実証検証期間:2024年1月26日(金)~3月31日(日))。


※「KOBEプロジェクト」共同事業体

代表:株式会社アシックス

参画団体:学校法人神戸学院 神戸学院大学、西日本電信電話株式会社、株式会社神戸新聞社、株式会社ラスイート


本事業で参加者にスマートライフパスを通して提供された提携サービスは、以下となります。

●パーソナルAIコーチが健康アドバイスを提供するアプリ「カロママ プラス」(サービス提供:Wellmira)

●パーソナルフィットネスアプリ「Beatfit」(サービス提供:アリストル)

●バイタルデータ管理サービス「Health Data Bank」(サービス提供:NTTデータ)

●ベビーシッター・家事代行サービス「KIDSLINE」(サービス提供:キッズライン)


KOBEプロジェクトで活用している「ASICS WELLNESS CONSULTANT」(サービス提供:アシックス)も継続して提供しました。


実証事業の成果

 参加者へのアンケート調査(健康意識や行動変容)と提携サービス利用状況(利用実態)を分析したところ、複数のウェルネスサービスの利用機会と利用サポートの提供は、利用者の運動習慣の継続化に役立てられると考えます。また、参加者および提供者の両視点で、共同利用に起因する課題は特に見受けられませんでした。


① 本事業により、参加者の運動量の増加を確認できた

 スマートライフパスの利用前と利用後を比較したところ、参加者の16%に運動量の増加が確認できました。柏の葉SCと共同のサービスセットを使うことで、参加者に対する対面によるサポートで初期設定の負担を軽減し、複数のサービスを素早く使える環境を提供でき、利用状況から人気ランキングの提示やメールによる利用促進を実施することで、参加者が運動を行うきっかけにつながりました。アンケートからも、スマートライフパスによるアプリの種類追加や定期的なお知らせが運動を行うきっかけになったことが確認できました。


② 提携サービスの利用状況から、参加者の行動変容を確認できた

 アンケートでは、提携サービスの利用で提供される健康スコアやアドバイス、自分にあったフィットネスコンテンツにより、「やる気が出た」という意見が多数を占めました。また積極的な利用者は一日に複数回提携サービスを利用しており、提携サービスが運動習慣化のきっかけになったことがうかがえました。パーソナルデータ連携基盤「Dot to Dot」を介して提供される疾病リスク予測でも、参加者の行動変容が確認できました。


③ 運動習慣をサポートしてくれるようなメリットが明瞭であれば、参加者は個人データの第三者提供に抵抗が少ないことを確認できた

 本事業では、半数以上の参加者が個人データの提供に同意した上で利用を継続しました。さらにアンケートでは、個人データの第三者提供に関して、8割近くが「新しい体験ができるなど、自分にメリットがあるなら提供する」と回答し、提供するメリットが明瞭であればデータ提供に前向きな様子が確認できました。一方でデータの第三者提供には、個人情報保護法などの法令に準拠していることや、自分で選んだデータのみ提供したいなどの慎重な意見もあり、個人データの利活用には丁寧な対応が求められていることも把握できました。


今後の展開

 アンケート結果や利用実績を参考に、神戸市、アシックス、三井不動産、BIPROGY、UDCKタウンマネジメントが協力し、神戸市民の健康増進に向けた継続事業を検討していきます。

 また本事業の一環としてKOBEプロジェクトで活用している「ASICS WELLNESS CONSULTANT」(サービス提供:アシックス)を、三井不動産とBIPROGYが共同開発したデータ連携プラットフォーム「Dot to Dot」に連携し、「Dot to Dot」を活用した新たなサービス開発を目指します。

 これらの活動を通して、神戸市と柏の葉SCが連携し、さらに共同利用に関心のある自治体との連携を拡げていくことで、日本全国で展開されている良いサービスおよびデータ連携事例を地域の枠を超えて相互に使い合える世界を創り、生活者の豊かな暮らしに貢献していきます。



 ■(ご参考)アンケート調査の概要

調査概要

調 査 方 法:インターネット調査

調 査 期 間:2024年3月15日(金)~2024年4月15日(月)
対 象 者:23~49歳/神戸市在住の女性
調 査 対 象:本事業の参加者63名

回 答 率:41.3%


結果サマリー

① 実証前の運動量に比べ、1週間に1回以上運動する参加者が16%増加した。

② 提携サービスは、利用者の半数以上で行動変容のきっかけになった。

③ 個人データの第三者提供は、77%の参加者が提供するメリットが明瞭であればデータ提供に前向き。


① 実証前の運動量に比べ、1週間に1回以上運動する参加者が16%に増加した。


参加者に日々の運動量をスマートライフパスの利用前と利用後で質問したところ、「1週間に1日程度の運動」が5%、「1週間に3日程度の運動」が11.5%増加しました。



② 提携サービスは、利用者の半数以上で行動変容のきっかけになった。

 

提携サービスによる健康スコアやアドバイス、自分にあったフィットネスコンテンツで「やる気が出た」という意見が半数以上となり、参加者にとって提携サービスが運動習慣化のきっかけになったことがうかがえました。



③ 個人データの第三者提供に関して、77%の参加者が提供するメリットが明瞭であればデータ提供に前向き。


個人データの第三者提供に関して、77%の参加者が「新しい体験ができるなど、自分にメリットがあるなら提供する」と、提供するメリットが明瞭であればデータ提供に前向きな意見が多数を占めました。

■「スマートライフパス」とは

柏の葉スマートシティでは、「健康長寿」「新産業創造」「環境共生」の3つのテーマを掲げて、街づくりを行ってきました。特に「健康長寿」に関しては、三井不動産を中心に医療機関や大学、スタートアップなどと連携し、あらゆる世代の健康促進を支援するサービスを展開しています。 その中で柏の葉に関わる生活者の方を対象に、複数のヘルスケア関連サービスをご利用いただけるポータルサイトとして2020年にサービスを開始したのが「スマートライフパス」です。


■「Dot to Dot」によるパーソナルデータ連携とは

「スマートライフパス」では、登録したユーザーが日々の健康管理や健康アドバイスなどのサービスを利用できるだけではなく、独自開発した安全性の高いネットワーク環境「Dot to Dot」を活用することで、提携サービス間におけるパーソナルデータの連携が可能となり、データ連携による新しいサービスを利用することができます。なお、パーソナルデータは、利用者の同意がないと連携はされないのが特徴です。


■ 各団体概要

【神戸市】

神戸市のスマートシティでは、市民・事業者・NPO等の多様な主体が関わり、新しいデジタル技術を使って、課題の解決や地域のなりたい姿の実現を目指し、事業者の利益にもなるような事業を生む共創のまちづくりを進めていきます。
スマートこうべ https://smartkobe-portal.com/web/smartcity


【株式会社アシックス】

1949年創業。創業哲学に「健全な身体に健全な精神があれかし」を掲げ、世界中のすべての人々の心身の健康に貢献する製品やサービスを提供しています。人間の運動動作に着目・分析し、独自に開発した素材や構造・技術を用いることで、アスリートだけではなく、世界の人々の可能性を最大限に引き出す技術・製品・サービスを生み出すことに努めています。私たち誰もが一生涯運動・スポーツに関わり心と身体が健康で居続けられる世界の実現を目指しています。 

アシックス https://corp.asics.com/jp


【株式会社アリストル】

意識を変え、行動を変え、未来を変える。

私たちが果たしていくべき役割は何かを考え、私たちの存在意義、パーパスを定めました。

株式会社アリストルは今、すべての企業活動をこのパーパス実現のための活動として取り組んでいます。

Beatfit https://beatfit.jp/


【株式会社Wellmira】

世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る。健康寿命の延伸が求められる一方で、健康格差の存在が指摘される現在、このような社会を取り巻く健康課題を解決し、自然に健康になれる社会を創ることに貢献します。

カロママ プラス https://calomama.com/


【株式会社NTTデータ】

NTTデータは、豊かで調和のとれた社会づくりをめざし、世界50ヵ国以上でITサービスを提供しています。

デジタル技術を活用したビジネス変革や社会課題の解決に向けて、お客さまとともに未来を見つめ、コンサルティングからシステムづくり、システムの運用に至るまで、さまざまなサービスを提供します。

Health Data Bank https://www.healthdatabank.ne.jp/hp/


【三井不動産株式会社(柏の葉スマートシティ) 】

街づくりを通じて社会課題の解決に挑戦し、新たな価値を創っていく総合デベロッパー。柏の葉スマートシティにおいては、AI/IoTなど新技術の導入によるデータ駆動型のスマート・コンパクトシティの形成を目指しており、国土交通省「Society5.0」の実現に向けたスマートシティモデル事業の先行モデルプロジェクトに選定されています。 子供も大人も楽しめる、ヘルスケアの最先端が集まる参加型の健康づくり拠点としてまちの健康研究所「あ・し・た」を運営しています。
まちの健康研究所「あ・し・た」 https://www.ast-lab.jp/

 

【BIPROGY株式会社】

日本初の商用コンピューターによって今日の情報社会を拓き、以来60年以上にわたりシステムインテグレーターとして顧客課題を解決し、社会や産業を支えるシステムを構築してきました。この経験と実績をバックボーンに、業種・業態の垣根を越え、さまざまな企業をつなぐビジネスエコシステムを創る中核となり、顧客・パートナーと共に、社会を豊かにする新しい価値と持続可能な社会の創出に取り組んでいます。三井不動産と共同開発した Dot to Dot の運営を担っています。
Dot to Dot https://biz.dot2dot.life/


【一般社団法人UDCKタウンマネジメント】

柏の葉の街づくりを推進する公・民・学連携組織「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」を母体とし、公共空間の管理運営を担う法人組織を設立。 「都市再生推進法人」の指定を受け、UDCK全体の活動と一体性を保ちながら、必要な独自事業を担い、柏の葉の街づくりを支えています。スマートライフパス柏の葉を運営しています。
スマートライフパス柏の葉 https://www.dataplatform-portal.jp/


※Dot to Dot は、BIPROGY株式会社の登録商標です。

※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

※掲載の情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、 あらかじめご了承ください。


■三井不動産グループのサステナビリティについて

 三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。

 また、2024年4月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取組み、サステナビリティに貢献していきます。


【参考】

・「グループ長期経営方針策定」 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/

・「グループマテリアリティ」 https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/approach/materiality/

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会社概要

三井不動産株式会社

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URL
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業種
不動産業
本社所在地
東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
電話番号
-
代表者名
植田 俊
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1941年07月