出版社他158社 書店員他256名が参加 書店向けWeb商談会2021春 結果報告

有志の出版社等34社からなる書店向けWeb商談会実行委員会は、2021年4月5日(月)~4月23日(金)の3週間、今回で3回目の会となる「書店向けWeb商談会2021春」を開催いたしました。

有志の出版社等34社からなる書店向けWeb商談会実行委員会は、2021年4月5日(月)~4月23日(金)の3週間、今回で3回目の会となる「書店向けWeb商談会2021春」を開催いたしました。出版社を中心に玩具メーカーなど158社(前回149社)が出展、書店員など256名(前回235名)が参加し、著者や書店員によるオンラインイベントも行われました。さらに今回はこれまでのオンライン商談機能に加え、オンライン発注機能も追加。開催期間中にどのような結果が得られたか、前回2020秋の開催結果と比較しつつ、ご報告いたします。

  • 開催概要
会期:2021年4月5日(月)~4月23日(金)の3週間
商談方法:参加者がCalendlyで出展社と商談時間を予約し、Zoomで商談実施
主催:書店向けWeb商談会実行委員会
協力: BOOK EXPO実行委員会、トーハン、日本出版販売、楽天ブックスネットワーク、中央社、日教販、NetGalley(メディアドゥ)、LINEオープンチャット事務局
特設ページURL:https://dms838.wixsite.com/web-shodankai
※関連リリース:「オンライン商談機能に加え、発注機能を搭載 161社が出展 書店向けWeb商談会2021春」2021年3月8日配信(配信後、出展辞退・出展追加があり最終的に158社が出展)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000659.000012505.html
 
  • 結果概要
開催後、出展社と参加者にアンケートを行い、出展社151社と参加者79名から回答を得、次のような結果となりました。

●出展社は158社と前回149社から微増、参加者は256名と前回235名から約1割増。
●取引金額は全体で26,364,390円(上代)と、前回20,432,238円から約3割増となりました。

<商談回数について>
●出展社と参加者が1対1で行う商談が全社合わせて722回と、前回779回から約1割減。商談数の多かった出展社の上位3社は、亜紀書房(28回)、パイ インターナショナル(25回)、主婦と生活社(20回)でした。一方で、商談数が0回という社が20社と、前回16社に引き続き出展社の1割以上となりました。
●1対1の商談の中には、海外の書店との商談もありました。出展社の1社である日販アイ・ピー・エスが仲介となり、台湾の書店が出展社3社と、米国の書店が出展社5社と商談を行ないました。書店からは「売れ筋商品が多数あるので今後も強く連携していきたい」「今後も定期開催してほしい」との声。一方で、出展社の売りたい商品と海外書店が求める商品とのミスマッチがありうること、欧米とは時差が大きく商談を設定しにくいという課題も見えました。
●1社が複数の参加社に対して商品説明などを行う「版元説明会」については、4社(ブロンズ新社、ニジノ絵本屋、ミシマ社、パイ インターナショナル)が計12回実施し、合計40名が参加。
●複数の出展社が複数の参加者に対して商品説明などを行う「3分プレゼン」(出展社1社あたり3分の持ち時間で順番にプレゼンする)は、児童・芸術・人文・文芸・ビジネス・実用・理工分野の70社が合同で行い、59名の書店員が参加しました。またコミック分野でも17社が合同で行い、53名の書店員が参加しました。
●「3分プレゼン」は録画の上、いつでも見られるようYouTube上でアーカイブ配信を実施。児童書は300回近く、コミックは200回近くが再生されるなど、リアルタイムで参加できなかった参加者がオンデマンドで視聴しました。視聴者からは「3分という限られた時間の中で伝えたいことをまとめてくれているので、商談するほどの時間は取れないが売り逃し商品がないか知りたいときに便利」「イベント動画を流しつつ別作業をし、気になったタイトルはその都度注文。疑問や聞いて見たいことがあれば商談を申し込んだ」と、発注や商談に大いに活用されました。
●3分プレゼンのほか、12のオンラインセミナーやトークイベントを開催。最も多くの書店員がリアルタイムに参加したイベントは「本屋大賞発表の夜にみんなでワイワイガヤガヤする会」で、59名の書店員が参加。作家や出版社も参加し、大いに盛り上がりました。このイベントでは懇親会用オンラインツール「SpatialChat」を商談会として初めて利用しました。

<今回新規の施策>
●オンライン書籍発注システム「BookCellar」と「一冊!取引所」を商談会として初めて導入。会期中にこれらシステムを介して取引された金額は、全出展社合計でBookCellarが362,980円、一冊!取引所が415,935円となりました。
●出展社横断の「合同フェア注文書」を6種作成(一冊!取引所の機能を利用し、オンライン発注も可能)。52の出展社が計115タイトルを出品し、参加書店の10%が発注の参考として利用しました。

<その他>
●満足度に関して、「次回も参加したい」という声は、参加者が91%と前回81%より10ポイント増えました。事前に行った出展社に対する集客・商談ノウハウの共有や、書店等法人に対する説明会が影響していると考えられます(後述)。一方、出展社が63%と、前回75%よりも12ポイント減りました。商談数の減少、システムの複雑化などが考えられます(後述)。
●以上を踏まえ、次回に関しては、参加者の満足度を維持しつつ、出展社の満足度向上を念頭に、業界団体との連携による商談数の拡大や、システムの整理を行い、2021年秋開催(10月)の予定で進めて参ります。
 
  • 商談の様子
 

動画を画面共有しながら商談する様子(出展社:西村書店 参加書店:大利昭文堂)動画を画面共有しながら商談する様子(出展社:西村書店 参加書店:大利昭文堂)

本の現物を見せながら商談(出展社:西村書店 参加書店:大利昭文堂)本の現物を見せながら商談(出展社:西村書店 参加書店:大利昭文堂)

チラシを画面共有しながら商談(出展社:パイ インターナショナル 参加書店:本の森セルバBRANCH岡山店)チラシを画面共有しながら商談(出展社:パイ インターナショナル 参加書店:本の森セルバBRANCH岡山店)

  • 今回の商談会で各社最も発注のあった商品上位10タイトル

 
  • 総括:実行委員長 三芳寛要(パイ インターナショナル代表)
コロナ禍中でも安全に、そして距離の壁も取り払い、気軽に書店の皆様とお会いするために始めた本商談会。これまでβ版(2020年6月)、2020秋(2020年10月)の2回の開催を経て得た教訓があります。それは、多くの書店員様が商談会にご参加いただくためには「業務時間中に商談会に参加できる環境を作る必要がある」ということでした。環境とは、「オンライン商談の機材を揃える」必要もありますが、それ以上に書店の現場で「業務として商談に参加することを上長や会社にご理解頂く」必要があるということです。そこで今回は全国書店チェーンの本部や取次店など約30法人に対してオンラインによる説明会の場を持ちました。おかげさまで今回からご参加いただいた法人様も増え、参加者数や取引金額が前回よりも増えました。出展のお誘いから書店様への参加のお声がけなど、今回も本当に多くの方々にご協力いただきました。この場を借りて皆様に心から感謝を申し上げます。

そして取引金額も大切ですが、もっと大切にしていることは、この商談会を通じて「新しい出会いを作り、継続的な関係につなげる」ことです。そこで今回は、オンライン商談における書店へのアプローチ方法、すなわち「書店様が気持ちよく商談に応じていただくための最低限のマナー」と「商談を双方にとって実のあるものにする工夫」を、「集客ノウハウ説明会」を通じて事前に出展社と共有いたしました。また「商談する時間がない」という書店様の声に対しては、前回、児童・芸術分野で実施して好評だった「3分プレゼン」を、文芸・コミックなどその他の分野にも拡大。商談する時間が無くても各社のイチオシ情報をYouTube上で好きな時間に見て、発注や商談予約に活用したという声が多数あり、書店営業にも動画時代が到来したことを感じさせる出来事でした。こうした努力の甲斐あってか、参加者の満足度が前回比で10ポイント向上したことも一定の成果と言えるかと思います。参加書店様からは「コロナ禍での新規オープン店舗の為、ほとんどの出版社さんとご挨拶できていない状況でした。面識がないと頼みにくい、『個別のPOPを作って欲しい』といった要望に応じていただけたので、大変ありがたかったです」など、新しい出会いがあったことを示す声が複数あり、この会を始めた甲斐がありました。

しかし、全国の書店の数を考えると、参加者はまだほんの少数です。事前の30法人への説明会では「商談会の存在をはじめて知った」「聞いてはいたが内容は知らなかった」という方も多く、本商談会のまだまだ知名度は低い。裏を返せばまだまだ伸びしろがあると言えます。また前回、商談数ゼロの出展社が1割程度あったことを反省材料として、「集客ノウハウ説明会」を行ったのですが、それでも今回も商談数ゼロの出展社が1割強ありました。これは参加書店の属性とも関係があるとみています。参加者の担当する書籍分野1位が「児童書」62%と、2位の「文芸」43%以降を圧倒的に引き離しており、「ビジネス書を扱っていないような書店も多かった」(ビジネス書出版社)「ジャンルとして少し畑違いなのかな」(語学出版社)との声があり、今後の開催の際には出展社にこうした傾向を事前に公開する必要があると考えています。

今回、初の試みとしてオンライン発注システムの導入と、「合同フェア注文書」の導入があります。発注システムについては「BookCellar」と「一冊!取引所」を出展した全出版社が導入しました。取引金額的には3%程度の寄与となり、「使いやすく便利」「将来が楽しみ」といった声もある一方で出展社からは「導入の手間に対して効果が少ない」という声も散見されました。本商談会が発注プラットフォームとしての機能を持つこと自体は時代の要請と考えていますが、出展社にはすでにBookインタラクティブやs-book.netといった別の発注システムを導入している社も多いため、次回以降はそうした既存サービスも選択できるようにしたいと考えています。

版元横断の「合同フェア注文書」に関しては、一冊!取引所(カランタ)の協力の元、6つのフェアを用意しました。事前の法人説明会では非常に高い期待が寄せられ、出展社からは「『合同注文書を見て発注しました』とご注文があった」などと、商談をせずとも新規受注の声が複数ありましたが、書店の利用は参加社の10%程度にとどまりました。「出品数が少ない」「出品商材が偏っている」こと、また一冊!取引所の利用に「新規利用者は申請が必要なためチェーンの場合本部の許可が必要」といった声を頂いておりますが、アイデア自体は評価も期待も高く、今回のことを教訓に改善の上、継続していく予定です。

またこの商談会には新しいアイデアの孵卵場・実験場としての機能もあります。今回も複数のアイデアが生まれ、現在進行中です。例えば今回、各社の商談成立や受注に大いに役立った「3分プレゼン」がありますが、この応用編として「版元横断・書店チェーン別説明会」のアイデアが生まれ、現在、商談会から独立して企画が進行中です。また「合同フェア注文書」の発想に触発されたある書店チェーンから「版元横断で定番商品による棚づくりの提案をしてほしい」との声を頂いたため、こちらも実現すべく進行中です。

本商談会を初めて1年以上が経ち、コロナ禍がまさかここまで長引くとは予想しておりませんでしたが、おかげさまで業界の多くの方々と信頼関係を構築でき、次回2021年秋の開催時には今回以上に業界内の協業を進める予定です。さらにパワーアップする商談会を通じて、業界の活性化と、読者の皆様の笑顔につなげていきたいと思いますのでご期待ください。
 
  • 実行委員会構成(34社)
実行委員長:三芳寛要(パイ インターナショナル)、システム委員長:平井由規雄(とうこう・あい)、出展委員長:丸山清乃・石井千絵(絵本館)、集客委員長:箱守剛(東京美術)、企画委員長:佐藤健二(ブロンズ新社)、合同フェア委員長:渡辺佑一(カランタ)、広報委員長:西村安曇(西村書店)、事務局:鈴木愛菜(とうこう・あい)

 

 

  • 出展社一覧(158社 50音順)※印のある出展社は複数のジャンルにまたがって表記されています。
一般書 
明石書店、亜紀書房※、朝日出版社、飛鳥新社、アノニマ・スタジオ※、家の光協会、イースト・プレス※、インプレス、ウェッジ、潮出版社※、英治出版、英明企画編集、絵本スタジオアコークロー※、エムディエヌコーポレーション、LLCインセクツ、オレンジページ、音楽之友社※、海風社※、化学同人※、笠間書院、河出書房新社※、カンゼン、Keystage21、きずな出版、キネマ旬報社、木楽舎、Kilty BOOKS、クオン、KuLaScip、クロスメディア・パブリッシング、クロスメディア・ランゲージ、グラフィック社、K&M企画室、慶應義塾大学出版会、芸術新聞社、玄光社※、弦書房、現代書館※、現代書林、佼成出版社※、合同出版、国書刊行会、コトノハ、西東社、朔北社※、左右社、三修社※、303 BOOKS※、三和書籍、視覚デザイン研究所※、自然食通信社、集英社クリエイティブ、主婦と生活社※、秀和システム、祥伝社※、書肆侃侃房、新星出版社、JMA・アソシエイツ ステップワークス、G.B.、Jリサーチ出版※、実業之日本社※、青弓社、青幻舎、世界文化社、創元社、食べもの通信社、太郎次郎社エディタス※、大日本絵画※、月とコンパス※、帝国書院※、DU BOOKS、東京書籍※、東京創元社、東京大学出版会、東京美術、東方出版、遠見書房、トゥーヴァージンズ、名古屋外国語大学出版会、ナナロク社、西日本出版社、日販アイ・ピー・エス※、農文協※、パイ インターナショナル※、万来社、ひとなる書房、ビーナイス※、双葉社※、文藝春秋、ベレ出版※、便利堂、方丈社、北樹出版、本の種出版、マール社、まむかいブックスギャラリー、ミシマ社、ミツイパブリッシング、目の眼、山と溪谷社、よはく舎※、雷鳥社、ライツ社、ワック

コミック 
亜紀書房、秋田書店、一迅社、イースト・プレス、潮出版社、幻冬舎コミックス、ジャイブ、集英社クリエイティブ(OfficeYOU)、主婦と生活社、祥伝社、実業之日本社、竹書房、日本文芸社、日販アイ・ピー・エス、白泉社コミック、ヒーローズ、双葉社、フレックスコミックス、フロンティアワークス、ぶんか社、リイド社

児童・学参 
亜紀書房、あすなろ書房、アノニマ・スタジオ、アリス館、岩崎書店、潮出版社、絵本館、絵本スタジオアコークロー、おむすび舎、音楽之友社、偕成社、海風社、化学同人、仮説社、学研プラス、河出書房新社、きじとら出版、クレヨンハウス、玄光社、現代書館、好学社、廣済堂あかつき、佼成出版社、交通新聞社、小峰書店、コンセル※、朔北社、三修社、303 BOOKS、Jリサーチ出版、視覚デザイン研究所、主婦と生活社、実業之日本社、実務教育出版、ジャムハウス、太郎次郎社エディタス、大日本絵画、大日本図書、月とコンパス、帝国書院、東京書籍、東京書店、ニジノ絵本屋、西村書店、日販アイ・ピー・エス、農文協、パイ インターナショナル、白泉社えほん、ひさかたチャイルド、評論社、BL出版、PHP研究所、ビーナイス、ひだまり舎、フレーベル館、ブロンズ新社、ベレ出版、ポプラ社、光村図書出版、YAMAVICO HAUS (横浜アニメーションラボ)、よはく舎、ラボ教育センター、ロクリン社

玩具 
コンセル(幼保向け玩具等)、ジーピー(ボードゲーム等)、すごろくや(ボードゲーム等)、ハナヤマ(パズル等)

サービス・商品 
一冊!取引所(発注システム)、光和コンピューター(出版・書店システム)、ダイワハイテックス(包装機器メーカー)、とうこう・あい(出版広告・出版システム)、美術出版エデュケーショナル(マルチメディア商品KURUMI製本キット)、リグネ(書店の新規顧客獲得のためのウェブサービス)
 
  • 参加書店例(「メディアに公開可」とした一部の参加者のみ掲載)

 

 

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://pie.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都豊島区南大塚2-32-4
電話番号
03-3944-3981
代表者名
三芳寛要
上場
未上場
資本金
-
設立
1971年07月