【ダイヤモンドリーグ第2戦紹興】北口榛花が世陸イヤー初戦、村竹は13秒10で2大会連続2位!

先週のダイヤモンドリーグ(DL)開幕戦に続き、第2戦も中国で開かれました。昨年の蘇州から場所を移し、2023年にアジア大会が行われた杭州に近い紹興での開催。男子110mハードルの泉谷駿介はエントリーを取りやめ、男子3000m障害物の三浦龍司(SUBARU)もコンディション不良で大事を取って欠場となりましたが、日本人3選手が海外勢との熱戦を繰り広げました。
前日会見にも初めて出席し、海外での注目度も年々高まっている女子やり投のパリ五輪覇者、北口榛花(JAL・ダイヤモンドアスリート修了生)にとっては今季初戦。9月に世界選手権東京大会が控える大事なシーズンの第一歩は表彰台にこそ届かず4位となりましたが、長い1年の中では前向きにも捉えられる一戦でした。
今季はアジア記録(67m98)の更新を誓い、助走の入りの動作に改良を加えて臨みました。やりを持つ角度を水平気味に変え、「前に突っ込みすぎないように」との狙いから最初の足踏みをやめる新しい投げ方にチャレンジ。思うようにコントロールしきれず、1投目は55m54、2投目は51m61で10人中10位の窮地に追い込まれました。4投目以降に進めるのは上位8人。「3投目の緊張感がやばかった。元の投げ方をやりそうになった」と言いますが、今季の形を貫いて投じ、60m88。意地を見せ、4位に浮上しました。
4、5投目も50m台が続き、トップ3だけが投げられる最終6投目は投げられずに初戦は終了。「感覚は悪くなかっただけに、1本も真っ直ぐ投げられなくて悔しい」と振り返った一方で「やりに伝わっているエネルギー量は多かったので、真っ直ぐ投げられれば、必ず飛距離が出る。これでも60m飛んだから、もっと飛ぶと思う」と悲観することはありませんでした。
次戦は国立競技場で行われるセイコーゴールデングランプリ陸上2025東京を予定。「今日私より遠くに投げた選手ともまた試合をすることになる。世界陸上と同じ競技場でしっかり感覚をつかみたい」と気持ちを切り替え、今季の最大目標となる9月の大一番へ、着実に一歩ずつ前進していきます。

男子110mハードルでパリ五輪5位の村竹ラシッド(JAL)は13秒14をマークして世界選手権の代表内定を決めた第1戦に続き、13秒10の自己3番目の好記録を出して再び2位に入りました。最高峰の舞台での2戦続けての表彰台にも、開口一番「めちゃくちゃ悔しいです」と笑顔はなし。「今日は12秒台が絶対に出ると思ってアップから臨んだ」と言います。1台目はトップで越えましたが、2台目からティンチ(米国)が先行。焦りも生じたといい、5台目あたりで体が浮き、世界歴代4位タイの12秒87をマークしたティンチに2試合続けて屈しました。
シーズン序盤から安定して13秒1台前半を出せるのは簡単なことではありません。ただ、本人は「自分に求めるレベルが去年より段違いに上がっている」と、世界の強敵と戦う覚悟が一層深まっています。次戦は北口同様にセイコーゴールデングランプリ。日本のファンの前でのレースに向け「12秒台を出して、自分が一番強いんだというところを見せたい」と気合を入れ直しました。

男子5000mのホープ、佐藤圭汰(駒澤大学・ダイヤモンドアスリート修了生)は今大会がDLデビュー戦。ハイペースで進む海外勢から徐々に遅れ始め、狙っていた日本記録更新にも約11秒届かない結果に終わりました。「思った以上に対応できず、本当に力がないことを痛感した」と悔やみ、初めて体感したDL独特の雰囲気にも飲まれて精神面が安定していなかったことも反省。レース中も位置取りに苦戦してリズムがつかめないなど、アフリカ勢らを相手に戦う難しさを身をもって体感した様子でした。
ただ、21歳の大学4年生にとっては今後の糧となる貴重な経験。「何もかもがうまくいかないが、うまくいかないことがあってこそやりがいがある。この結果を真摯に受け止めて、もっとレベルの高い練習をやっていく」と前を向いて決意を新たにしました。

海外勢では、スター選手たちが観衆を沸かせました。ひときわ注目が集まったのは、男子棒高跳のデュプランティス(スウェーデン)の世界新記録挑戦です。ただ一人6m11を跳んで優勝を決めると、今年2月に自身がマークした6m27を上回る6m28に設定。更新とはなりませんでしたが、存在感は別格でした。女子走り高跳びのマフチフ(ウクライナ)や男子400mハードルのワーホルム(ノルウェー)ら世界記録保持者たちも貫禄勝ち。9月に東京に集結する海外の注目選手の動向も、今季はより一層目が離せません。

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北口榛花(JAL)コメント
女子やり投 4位 60m88

感覚としてはそんなに悪くなかっただけに、1本も真っ直ぐに飛ばなくて悔しいです。試合になった時に自分がどうやって変化するかを確認できたらいいなと思いましたが、構えた感じがあまりかちっとこず、少しふわふわしている感じがありました。やりを持った感じからずっとフィットせず、自分の体の調子と感覚がうまく一致しませんでした。1本もコントロールがきかなかったので、そこは課題だと思います。
(2投目を終えて最下位で)特に3投目の緊張感はやばかったです。でも、やりに伝わっているエネルギー量は多かったので、真っ直ぐ投げられれば、必ず飛距離が出ると感じています。これでも今日は60m飛んだので、もっと飛ぶと思います。あとは自分の体をどうコントロールしていくかだと思っています。
(ゴールデングランプリでは)今日私より遠くに投げた選手とまた東京で試合をすることになります。世界陸上と同じ競技場なのでしっかり感覚をつかめたらと思います。2週間あるので、しっかり修正して元気に投げている姿を見せたいです。今日みたいに迷っている感じではなくて、自分のやることがはっきりした状態で投げられるようにします。
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村竹ラシッド(JAL)コメント
男子110mハードル 2位 13秒10(+0.6)

めちゃくちゃ悔しいです。今日は12秒台が絶対に出ると思って、アップからここまで臨んできました。今は悔しさで頭がいっぱい。負けてしまったことは、ティンチ選手が速すぎたので仕方がないです。ただ、本当に手応えがあったので、12秒台を出したかったです。
(第1戦では)1台目を越えてから2台目に移るまでがもたついている感じがありました。そこを修正しようと思い、速い動きを取り入れてきました。ティンチ選手に追い付かれてから焦りもあり、5台目あたりで浮いてしまったのが本当にもったいなかったと思います。
ただ、シーズン序盤でこれだけ安定して13秒1台前半を出せたのは大きな成果です。確実に昨年よりも世界との差は縮まってきています。2回連続でDLの2位を取れたことも大きな自信になります。今後も出られる機会があると思うので、タイトルを取れたらいいなと思います。自分に求めるレベルも昨年より段違いに上がっているので、自分で自分にプレッシャーをかけているわけではないですが、自身の要求に応えられるように頑張っていきます。まずはゴールデングランプリで12秒台を出して、自分が一番強いんだというところを見せたい。観客の皆さんがあっと驚くレースをしたいと思います。
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佐藤圭汰(駒澤大学)コメント
男子5000m 12位 13分19秒58

日本記録を狙っていたので、最初からハイペースになるのも分かっていましたが、思った以上に自分が対応できませんでした。本当に自分の力がないと感じました。始まる前からアフリカ勢にびびって、メンタルがあまり安定しなかったところもあります。そういう部分があって、自分のイメージ通りに走れませんでした。レベルの高い試合の難しさだなと感じています。
レースの中でも、位置取り争いが激しかったです。(他の選手が)急に入り込んできたり、内側から外側にいったり、リズムが全然つかめませんでした。そこで体力を消耗してしまったので難しかったです。出てみないと分からない経験でもありますが、出たら出たで、まだまだ差があるとすごく痛感しました。この結果を真摯に受け止めて、もっとレベルの高い練習に取り組んでいかないと、いつまでたっても成長しないと思います。
何もかもうまくいきませんでしたが、うまくいかないことがあってこそやりがいがあります。今季目標にしている世界陸上出場にも、今のままでは届きません。もう一回作り直して、もっといいタイムを出せるようにしたいです。(今月下旬の)アジア選手権は勝たないといけない大会なので、ラスト勝負に勝てるような練習をしていきます。
【セイコーGGP】国立競技場に超人集結!
https://goldengrandprix-japan.com/2025/ticket/
ダイヤモンドリーグ厦門大会に出場した村竹ラシッド、泉谷駿介、三浦龍司、豊田兼、サニブラウンアブデルハキームも出場予定!
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