ケイティ・ペリー親善大使 ベトナムの貧困地域を訪問 子どもたちへの公平な機会を訴え 【プレスリリース】

経済成長の陰で置き去りにされている子どもたち

保健員に同行し、戸別訪問を行ったケイティ・ペリー大使。保健員は低体重気味のクォンくんと22歳の母親を毎週訪問し、経過観察とユニセフの栄養治療食の提供を行っている。© UNICEF_UN020127_Quan保健員に同行し、戸別訪問を行ったケイティ・ペリー大使。保健員は低体重気味のクォンくんと22歳の母親を毎週訪問し、経過観察とユニセフの栄養治療食の提供を行っている。© UNICEF_UN020127_Quan

 

※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が翻訳、編集しています。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_91290.htmlでご覧いただけます。

【2016年6月1日 ハノイ(ベトナム)/ニューヨーク発】
世界的なシンガーソングライターで、ユニセフ(国連児童基金)親善大使のケイティ・ペリーは、ベトナムへの訪問を終え、アジアの加速する経済成長の陰で置き去りにされている子どもたちにもっと目を向けなければならないと訴えました。

ケイティ・ペリー大使は、ベトナムの中で最も貧しい遠隔地の一つであるニントゥアン省を訪ねました。障がいのある子どもたちが疎外されることを防ぐためのプログラムのほか、子どもの生存、教育、早期幼児教育、水と衛生、気候変動など、厳しい環境の中でユニセフが取り組んでいるさまざまな活動を視察しました。

「娘を亡くした後、4人の孫たちを育てなければならなくなったおばあさんに会ったときには、胸が張り裂ける思いがしました。その家族は、山の中の人里離れた村で、なんとか食べ物を得て暮らしていました。5歳になる孫のリンさんは、深刻な栄養不良でした。もしユニセフが養成した支援員がこの村に来ることがなければ、リンさんは必要なケアを受けられず、今このように生きていなかったかもしれません」とケイティ・ペリー大使は語ります。「リンさんは、日々困難に直面している多くの子どもたちのひとりです。私たちはみな、こうした状況に懸念を抱かなければなりません」
 

保健センターを訪れた赤ちゃん。この保健センターを訪れる多くの子どもたちは栄養不良に陥っている。© UNICEF_UN020219_Quan保健センターを訪れた赤ちゃん。この保健センターを訪れる多くの子どもたちは栄養不良に陥っている。© UNICEF_UN020219_Quan

 

家族を何世代にもわたって苦しめる貧困に加え、この国の最も厳しい状況にある子どもたちやその家族の多くは、いま、気候変動の影響にも対処しなければなりません。安全な水やトイレの欠如と長期間の干ばつが相まって、子どもたちはいっそう栄養不良や病気にかかりやすくなっています。

世界銀行の所得分類によると、ベトナムは今や低中所得国の仲間入りをしました。しかし、ケイティ・ペリー大使が訪問したような農村部では、子どもたちは今なお多くを奪われ続け、蔓延する貧困は大都市の明らかな発展とは対照的です。

ユニセフは、子どもの貧困は減っており、それ自体はよいこととしながらも、その成果はほんの一面に過ぎないとしています。子ども自身ではどうしようもない環境によって、自らの能力を発揮するための機会を奪われ続けている子どもたちがいます。国の経済発展の陰で置き去りにされている子どもたちに手を差し伸べる、継続的な支援が必要です。また重要なのは、産業やビジネスの発展に焦点を当てることが、特に支援の届きにくい少数民族の地域における子どもの福祉や発展への投資の代替になるわけではないということです。

ケイティ・ペリー大使の今回の訪問は、ニントゥアン省で暮らす子どもたちを含め、多くの子どもたちが繁栄の恩恵を公平に受けられていないという重要な問題に、関心を集めることを目的としています。ニントゥアン省の子どもたちの多くは、親たちと同じ道を歩みたくない、医師や教師になって親たちが生きてきた貧困のサイクルを抜け出したい、という夢を、ケイティ・ペリー大使に語りました。
 

障がいのある子どもたちや少数民族の子どもたちが通うニントゥアン省のデイケアセンターを訪問したケイティ・ペリー大使。 © UNICEF_UN020126_Quan障がいのある子どもたちや少数民族の子どもたちが通うニントゥアン省のデイケアセンターを訪問したケイティ・ペリー大使。 © UNICEF_UN020126_Quan

 

「私が出会った子どもたちはみんな、素晴らしい夢をもっていました。私たちは、夢に向かう子どもたちを支えなければなりません。最も貧しい子どもたちが人生において公平な機会を得られるよう投資することは、正しいことであるだけでなく、貧困の連鎖を断ち切り、子どもの健康、教育、福祉を大きく向上させる最善の道なのです」とケイティ・ペリー大使は話しました。

いくつかの地域では、子どもの半数が絶対的貧困の中で暮らし、5人にひとりは学校に通っていません。こうした地域の約50%の子どもが適切な保健ケアを受けておらず、予防可能な病気で毎日多くの子どもの命が失われることにつながっています。

ベトナムの総人口の15%を占める少数民族出身の子どもは、現在も社会から疎外され、十分な機会を得られていません。ベトナム語を母語としない子どもたちは学校の授業でとり残され、貧困から抜け出す機会になり得る程度まで学業を修められることは、非常に稀です。ユニセフとベトナム政府は、少数民族の子どもたちが直面する言語の壁をなくし、母語で初等教育を受ける機会をつくる取り組みを進めています。
 

障がいのある子どもたちや少数民族の子どもたちが通うニントゥアン省のデイケアセンターを訪問したケイティ・ペリー大使。© UNICEF_UN020123_Quan障がいのある子どもたちや少数民族の子どもたちが通うニントゥアン省のデイケアセンターを訪問したケイティ・ペリー大使。© UNICEF_UN020123_Quan

 

「ニントゥアン省での初日、私は障がいのある子どもたちが、仲間と共に成長できるように支援している学校を訪問しました。また、少数民族の子どもが多く通う中学校も訪れ、進学によって自信を得た子どもたちに会いました」(ケイティ・ペリー大使)

ユニセフは、少数民族の子ども、貧困家庭の子ども、障がいのある子ども、虐待や搾取の危険に晒されている子どもをはじめとする、ベトナムのすべての子どもたちにとって公平な意思決定がなされるよう、国内のすべての支援プログラムを通じて、政府やパートナー団体を支援しています。

「ユニセフは、都市部でも農村部でも、裕福でも貧しくても、すべての子どもが健康に成長し、家族やコミュニティのために貢献し、自分たちが生きる世界を形作る機会を得られるよう、活動しています」とケイティ・ペリー大使は述べました。

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/

 

 

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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