コクヨ ヨコク研究所|台湾各地の自律協働の兆しを探る書籍『YOKOKU Field Notes #01 台湾:編みなおされるルーツ』を発刊
共に生きるための拠り所となる「ルーツ」を捉えなおす5つの事例
他者との差異や共通性を受け入れながら共に生きる社会を目指すうえで、個々人が持つ「ルーツ」はその拠り所となります。しかし、それらは時に本質的で変えがたいものとして、ある属性に自らを縛るものにもなります。
本書は、歴史的に多様な外来文化の影響を強く受ける台湾をフィールドに、台北、花蓮、台東、高雄など各地で自らの存在と居場所を新たに捉えなおそうとする人々の活動を手がかりとして、ルーツを自ら”編みなおす”営みについて考える一冊です。
■〈YOKOKU FIeld Notes〉について
〈YOKOKU FIeld Notes〉は、コクヨが目指す「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するヨコク研究所のリサーチ活動とそのレポートです。
同じ時代を異なる環境条件で生きる人々の中に身を投じ、聞き取りや観察を含むフィールドワークを通じてその営みの断片にふれることで、既存のシステムや規範をかいくぐるオルタナティブな社会のあり方を探り、また問い直すことを目的としています。
初作となる日本・鹿児島でのフィールドリサーチに端を発しその流れを継ぐ〈YOKOKU Field Notes〉第1号となる本書では、外来文化に翻弄されてきた複雑な歴史を背負う台湾をフィールドに、人々が共に生きるための拠り所となる「ルーツ」を問いの切り口として、5つの事例を巡ります。
・老朽化した台北の巨大団地街一体に根付き、受け継がれる福祉活動の現場〈南機場〉
・花蓮の東海岸を舞台に、"魚育"から台湾の海洋食・漁業に光を当てる〈洄遊吧(FISH BAR)〉
・教師, 親, 生徒という立場が流動する、原住民語のみの実験学校〈Tamorak 阿美語共學園〉
・アミ族の規範と青年同士の協働のあわいで催される音楽フェスティバル〈阿米斯音樂節〉
・バンド活動の傍ら農家として地元・旗山のバナナ産業に根ざす〈台青蕉樂團(Youth Banana)〉
これら台湾各地に点在する新たな営みの断片を捉え、変えられない本質としてのルーツに対峙し、自らの存在の意味と居場所を編み直そうとする人々の活動を手がかりに、ルーツの構築可能性について考えます。
■目次
● リサーチの概要
● コラム:台北、市井の生活者より──台湾社会にふれる7つの主題
● 本編:編みなおされるルーツ
事例1:南機場地区・忠勤里
都市の人生を養い継ぐ
事例2:洄遊吧(FISH BAR)
渦巻く海への感懐
事例3:Tamorak 阿美語共學園
言葉の焚き火を囲んで
事例4:阿米斯音樂節
境界を揺らす “民族” の複音
事例5:台青蕉樂團(Youth Banana)
故郷の根茎が紡ぐ詩
● 編集後話
■ 書籍概要
『YOKOKU Field Notes #01 台湾:編みなおされるルーツ』
発売日 :2023年8月23日
価格 :1,200円(税別)
サイズ :B5判 厚さ約8mm 120頁
ISBN :978-4866821030
発行 :コクヨ株式会社
販売 :全国の独立系書店等及びAmzon.co.jpで発売予定。取扱店の情報は下記に掲載しています。
※取扱店は今後増える可能性がございます。
https://kokuyo.jp/yokokufieldnotes01/shoplist
【ヨコク研究所】
未来社会のオルタナティブを研究/実践する、コクヨ株式会社のリサーチ&デザインラボ。パーパスである「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする」をキーワードとして掲げ、リサーチ、エンパワメント、プロトタイピングを主軸とした活動を展開し、会社の指針となる未来シナリオを更新すると共に、発信によってできたファンやコミュニティの中で新たな社会像をつくり上げます。
【コクヨが考える「自律協働社会」】
コクヨは、個々の価値観と行動が尊重されながら、人と人との関わり合いも大切にされる社会の構築が必要であると考えます。誰もがいきいきと暮らす未来に求められるものは、「自由な個人」と「協調的なつながり」とが共に成り立つ舞台です。一人ひとりの個性が尊重され自由な発想で輝くことができる。他者と互いの価値観を尊重し合い、共に発展していく。人やモノ、環境がフラットにつながることで、社会をよりよくするための協働があちこちで生まれる。コクヨはこのようなワクワクする未来を体現する「自律協働社会」の実現を目指します。
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