AIを活用した微生物迅速検査法「FLOX-AI(フロックスアイ)」2024年1月から外部販売開始
「FLOX-AI」は、従来の検査法では3日かかっていた微生物検査期間を最短1日まで短縮することが可能で、出荷待ち在庫の削減や柔軟な需給調整の実現に貢献できるシステムです。2022年8月からアサヒ飲料群馬工場にて運用試験を開始し有効性が確認できたため、2023年7月から岡山工場、11月から明石工場、富士山工場での運用を開始しました。
今回、アサヒ飲料が権利をもつ「FLOX-AI」に関する特許、商標、技術ノウハウを(株)RYODENに使用許諾し、製造委託企業や原材料サプライヤーなどの協力会社を中心に販売を開始します。(株)RYODENは「FLOX-AI」の販売、技術サポートおよび保守点検を行います。
「FLOX-AI」の導入により、当社製品の製造を委託する協力会社は出荷待ち在庫やリードタイムが削減できるとともに、当社においても早期出荷、リードタイム削減、柔軟な需給調整の効果が期待できます。今後は、食品業界全般への展開を目指し、業界全体の生産性向上に貢献していきます。
■「FLOX-AI」の開発が「日本清涼飲料研究会賞」を受賞
蛍光染色法とディープラーニング画像処理技術を融合し、アサヒ飲料が独自で開発した新規微生物迅速検査法「FLOX-AI(フロックスアイ)」の研究成果が、2023年日本清涼飲料研究会(事務局 一般社団法人 全国清涼飲料連合会)において、栄誉ある「日本清涼飲料研究会賞」を受賞しました。「日本清涼飲料研究会賞」は、清涼飲料水(関連する分野を含む)に関する科学技術の進歩に顕著な功績が認められる業績に対して授与されるものです。
■微生物迅速検査法「FLOX-AI」とは
微生物迅速検査法「FLOX-AI」は、蛍光染色法とAI(ディープラーニング画像処理技術)を融合させた当社独自の技術です。蛍光染色法とは、生きている微生物だけに反応する特殊な蛍光試薬で染色し、蛍光検出型装置によって微生物の有無を確認します。通常培養法よりも迅速に検出できますが、乳や果汁を多く含む清涼飲料水を検査した場合、蛍光染色法では微生物とそれ以外の物質を明確に区分することが困難でした。そこで、微生物の蛍光撮影画像をAI(ディープラーニング画像処理)を用いて、両者の形状や色調等の特徴や量の違いを学習させることで、迅速かつ高感度に微生物有無を検出するアルゴリズム(学習済みモデル)の構築を行いました。本検査法は清涼飲料業界全体の微生物検査における課題である「迅速性」「簡便性」「コスト」を解決するものです。
■参考:アサヒグループにおけるAI技術の導入について
アサヒグループジャパンは、本年5月から業務効率化や高度化、生活者インサイトの掘り起こしなどを目的としたジェネレーティブAI(以下、生成AI)の本格導入を見据えた『ジェネレーティブAI 「やってTRY」プロジェクト』を推進しています。アサヒグループ各社からの自薦による約100名の社員と共に、生成AI技術の活用についてグループ横断で試行するプロジェクトです。生成AIの試行を通して同技術に関する利活用の知見獲得を目指します。
■参考:株式会社RYODEN
(株)RYODENは1947年の創業以来、FAシステム、冷熱システム、ビルシステム、エレクトロニクスの分野を中心として、製造現場に密着してビジネスパートナーと共に様々な課題解決に貢献しています。2023年4月に菱電商事(株)から社名変更し、商社の枠を超えて、「事業創出会社」として新たな価値を生み出し続けることを目指しています。近年は、これまでの事業で培った現場力と独自の技術力を応用してスマートアグリ事業などの新規分野に参入し、社会課題の解決を目指しています。詳細は株式会社RYODENのWEBサイトをご参照ください。
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