介護への関⼼が⾼まるお盆に向けて、LIFULL 介護が「介護施設選びの実態調査」を発表。世代間ギャップや「⼊居お祝い⾦」の影響も明らかに
⾒学した介護施設数は平均 2.8 か所、検討期間は平均 60.8 ⽇、⼊居お祝い⾦を受け取った⼈は特定の施設を「強く勧められた経験」2 倍、⼊居後の「転居意向」4 割増
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社 LIFULL のグループ会社である株式会社 LIFULL senior(代表取締役:泉 雅⼈)が運営する業界最⼤級の⽼⼈ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、介護への関⼼が⾼まるお盆に向けて実施した「介護施設選びの実態調査」の結果を発表します。

■ まもなくお盆。帰省きっかけで介護について考えるタイミングが到来。経験者による介護施設選びの実態とは?
8 ⽉の上旬から中旬にかけてのお盆時期で、実家への帰省を予定している⽅もいらっしゃるのではないでしょうか。帰省をきっかけに、親族の衰えや異変に気付き、介護を検討する⽅もおり、例年「LIFULL 介護」でもお盆明けにお問い合わせが増加する傾向にあります。
そこで「LIFULL 介護」ではお盆時期に合わせて、家族や親族に介護施設の⼊居経験があり、その際の施設選びや決定に関与したことがある、全国の 20 代〜80 代の男⼥ 2,500 名を対象に「介護施設選びの実態調査」を実施しました。
■ 介護業界でも注視されている”⼊居お祝い⾦”。施設選びへの影響とは?
⽼⼈ホーム検索サイトなどで⾒られる”⼊居お祝い⾦”。これは⽼⼈ホーム検索サイトや⽼⼈ホーム紹介会社などを通じて⽼⼈ホーム等への⼊居が決まった際、その紹介会社から⼊居者ご本⼈、もしくはそのご家族に⽀払われるお⾦のことを指しています。⼀般的に⼊居お祝い⾦は、紹介会社が⽼⼈ホームに対して⼊居者を紹介し、⼊居が決まったときに、⽼⼈ホームから紹介会社へ⽀払われるお⾦が充てられます。お祝い⾦は紹介会社の利⽤を促進する営業施策のひとつですが、その原資は⽼⼈ホームの運営資⾦と⾔えます。
施設選びをする⽅にとってはメリットに感じられる⼀⽅で、業界団体からは「福祉サービスの公平性・中⽴性や透明性を損ね、社会保障費の不適切な費消を助⻑するとの誤解を与える」*¹と指摘されています。、昨今問題視されている⼊居希望者の介護度や医療の必要度等に応じた紹介料設定とならんで「倫理に反する⾏為」*²として問題視されています。
「LIFULL 介護」では、介護や⽼後に悩む⽅々が様々な選択肢の中から安⼼して介護施設を選べるよう、介護や⽼後の不安に寄り添った様々な情報を提供しています。そこで今回の調査では、介護業界内でも注視されている⼊居お祝い⾦について、施設探しをする⽅に与える影響にも注⽬しました。
※1,2:⾼齢者住まい事業者団体連合「紹介事業者届出公表制度」2025 年 1 ⽉遵守事項の改定内容より(https://koujuren.jp/todokede/)
■ 調査結果サマリー
〈介護施設選びの実態〉
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⾒学した施設数は平均 2.8 か所、施設の検討期間は平均 60.8 ⽇。20 代・30 代では検討期間「1 週間程度」以下が約 3 割。
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介護施設選びで重視したこと」、トップは「スタッフの印象が良いこと」で 54.8%。「キャンペーンの有無」等の重視項⽬で世代間ギャップも。
〈⼊居お祝い⾦による施設選びへの影響〉
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⼊居お祝い⾦が施設選びに「影響した」、20 代では約 9 割。受け取った⾦額「1 万円以内」が 20~30 代で約 5 割、40~50 代で約 4 割、60~80 代では 6 割超。
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「⼊居お祝い⾦」を受け取った⼈は、紹介会社から特定の施設を強く勧められた経験が 2 倍。
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「⼊居お祝い⾦」を受け取った⼈はそうでない⼈より転居意向が 4 割⾼い結果に。
■ 調査結果
〈介護施設選びの実態〉
⾒学した施設数は平均 2.8 か所、施設の検討期間は平均 60.8 ⽇。20 代・30 代では検討期間「1 週間程度」以下が約 3 割。

「あなた(もしくはご家族)が、いままでに⾒学した介護施設の数」については、平均⾒学施設数が 2.8 か所となりました。特に、全体の 80.5%が「3 か所以下」の⾒学となり、「⾒学していない」と回答した⼈も約 1 割(9.3%)いました。また、「あなた(もしくはご家族)が、実際に⼊居する介護施設を探し始めてから決定するまでの期間」については、平均期間が 60.8 ⽇となりました。世代別で⾒てみると、20 代では「1 週間程度」以下が 33.7%、30 代では 26.5%と 3 割近くが⾮常に短期間で⼊居する施設を決定していることがわかります。


「介護施設選びで重視したこと」、トップは「スタッフの印象が良いこと」で 54.8%。「キャンペーンの有無」等の重視項⽬で世代間ギャップも。
「あなた(もしくはご家族)は、介護施設を選ぶ際にどのような点を重視したか」においては、⽴地や施設・費⽤などのハード⾯をわずかに抑えて、「スタッフの印象・雰囲気がよいこと」が 54.8%で最多回答となりました。

また 20 代と 70~80 代を⽐較したところ「⽴地の良さ/家族などが通いやすいこと」が 20 代では 30.3%なのに対して、70~80 代は 59.3%と、両者には 29.0%もの差があり、ギャップが最⼤となりました。
その他、差が⼤きくなった項⽬ TOP10 に関しては、「キャンペーンや特典・キャッシュバックがあること」において 20 代が 17.6%に対して 70-80 代は 0.7%となっており、唯⼀若年層の⽅が重視している割合が⾼く、かつギャップも⼤きい結果となりました。

LIFULL 介護 編集⻑ ⼩菅 秀樹 コメント-重視すべきはケアの質や⽣活への安⼼感

施設選びを短期間で⾏うと、⼊居後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔するリスクが⾼まります。⾒学不⾜や情報の偏りがあると、「ケアの内容がイメージと違った」「期待していたサービスが受けられなかった」といったギャップを感じやすくなるからです。今回の調査では、特に 20 代でキャンペーン特典など表⾯的な魅⼒を重視する傾向が⾒られました。しかし、本当に⾒るべきはケアの質や⽣活の安⼼感です。たとえば「介護・医療体制は万全か」「趣味や⽣きがいを続けられるか」といった点は、安⼼して暮らすうえで⽋かせない視点です。また、意外と⾒落とされがちなのが「家族の通いやすさ」。⼊居後は、不安定になりがちな本⼈のメンタルケアや施設との連絡調整など、家族にしかできない役割もあるため、アクセスの良さは重要です。
今回の調査では、世代により施設選びで重視する項⽬が異なることが分かりました。だからこそ、本
⼈を交えてじっくり話し合い、価値観をすり合わせておくことが、後悔しない住まい選びにつながり
ます。
〈⼊居お祝い⾦による施設選びへの影響〉
⼊居お祝い⾦が施設選びに「影響した」、20 代では約 9 割。受け取った⾦額「1 万円以内」が 20~30 代で約 5 割、40~50 代で約 4 割、60~80 代では 6 割超。
”⼊居お祝い⾦”とは⽼⼈ホーム検索サイトや、⽼⼈ホーム紹介会社などを通じて⽼⼈ホーム等への⼊居が決まった際、その紹介会社から⼊居者ご本⼈、もしくはそのご家族に⽀払われるお⾦のことを指しています。
⼊居お祝い⾦を認知しており、かつ受け取った⽅を対象にした「あなた(もしくはご家族)にとって、『⼊居お祝い⾦』を受け取れるかどうかは、施設の検索サイト・紹介会社を選ぶ際に、どの程度影響したか。」において、20 代では「影響した」と約 9 割(⾮常に影響した:38.1%、やや影響した:49.8%)が回答しました。

また、それぞれの世代における「あなた(もしくはご家族)が、実際に受け取った『⼊居お祝い⾦の⾦額(総額)』」については、20〜30 代では約 5 割(20 代:48.4%、30 代:47.7%)、40~50 代では約 4 割(40代:39.1%、50 代:36.2%)60~80 代では 6 割超(60 代:66.3%、70~80 代:62.5%)において、受け取った⾦額が「1 万円以内」となっています。

「⼊居お祝い⾦」を受け取った⼈は、紹介会社から特定の施設を強く勧められた経験が 2 倍。
介護施設を探すときに検索サイトや紹介センターを利⽤した⼈を対象に、「⼊居⾦(初期費⽤)が⾼めな施設」や「すぐに⼊居できる空室がある施設」など、特定の施設を紹介サイトや紹介会社から強く勧められた経験があるか」については、⼊居お祝い⾦を受け取った⽅は 72.3%、受け取っていない⽅は 35.5%と 2 倍以上の差がありました。

また、紹介サイトや紹介会社の対応について気になったこと・不満点について、⼊居お祝い⾦を受け取った⼈からは下記のような回答がありました。(⼀部抜粋)
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すぐに⼊居できるという施設を紹介されたが、全く希望していない不便なエリアで、条件も合っていなかった。
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こちらの意向をあまり聞いてもらえなかった
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施設⾒学の斡旋がやや強引、急かしすぎだったことが気がかりでした。
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もっと安い施設でも良いのに⾼額で遠い施設などを強引に勧めてくることがあったのでかなり不満です
「⼊居お祝い⾦」を受け取った⼈はそうでない⼈より転居意向が 4 割⾼い結果に。
現在介護施設に⼊居している家族や親族がいる⼈を対象にした転居意向に関する調査では、⼊居お祝い⾦を受け取った⼈で「転居を考えている・考えたことがある」と回答した⼈は 78.1%で、受け取っていない⼈と⽐較すると 42%⾼い結果となりました。

⾼齢者住まい事業者団体連合会 事務局⻑ 光元兼⼆⽒ - ⼊居お祝い⾦の問題点とそれに伴う制度改定について

私たち⾼齢者住まい事業者団体連合会(以下、⾼住連)では、消費者が安⼼して介護施設を探せるよう、⾼齢者向け住まい紹介事業者(以下、紹介事業者)の届出制度「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」を運営しています。2024 年 12 ⽉ 27 ⽇に、紹介事業者がこの公表制度に届出を⾏う際の⾏動指針を改定しました。その中で、倫理に反する⾏為の一例として「成約後のお祝い⾦やキャッシュバック等を活⽤した顧客誘導」を明⽰しています。これは、紹介事業は相談の質によって消費者に
選ばれることで健全な競争環境になるという考えがベースとなり、福祉サービスとしての公平性・中⽴性や透明性を⾼めていくことを⽬的としています。
また、⼊居を検討される⽅にとっても「⼊居お祝い⾦」によって施設の選択肢が限定される可能性があります。お客様が「⼊居お祝い⾦」に誘導され、Webサイトに顧客情報を登録したタイミングで、成約時にホームから受け取る紹介⼿数料の権利が特定の紹介事業者に固定されてしまい、他の紹介事業者がお客様の施設紹介に介⼊できなくなるためです。
これに関係して、⼀部では介護施設から紹介事業者へ⽀払う紹介⼿数料の⼆重請求が発⽣しているという不具合についても看過できないと判断しました。
⼀般的に業法が存在する業界では、商品やサービスの質以外での競争によって取引がゆがめられる可能性に対して、規制がかけられてきました。記憶に新しいところでは通信業界での端末割引規制等が挙げられます。
⼊居紹介事業については、業法はないものの、公⾦で事業を運営する事業に関わっている⽴場として、⾃ら健全な競争環境を作って⾏く必要があると判断したことが本改定に⾄った理由です。
■ 調査概要
調査期間:2025 年 6 ⽉ 7 ⽇〜2025 年 6 ⽉ 11 ⽇
調査主体:株式会社 LIFULL senior
調査対象:家族や親族に介護施設の⼊居経験があり、その際の施設選びや決定に関与したことがある、全国の 20代〜80 代の男⼥ 2,500 名
調査⽅法:インターネット調査
8/9※調査は性年代別⼈⼝に合わせたウェイトバック集計を⾏っています。
※⼩数点第 2 位を四捨五⼊しているため、合計が 100%にならない場合があります。
■ 株式会社 LIFULL senior について
「⽼後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの⼒で、超⾼齢社会の課題を解決するさまざまな事業を展開しています。主な事業として、⽼⼈ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代⾏業務⽀援サービス「買い物コネクト」があり、今後も⾼齢者や関わる⼈々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡⼤していきます。
■ 株式会社 LIFULL senior 概要
会社名:株式会社 LIFULL senior(ライフル シニア)
所在地:東京都千代⽥区麹町1丁⽬4−4
代表取締役:泉 雅⼈
設⽴:2015 年 7 ⽉ 1 ⽇
事業内容:
⽼⼈ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営
遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営
介護施設向け買い物代⾏⽀援サービス『買い物コネクト』の運営
⾃治体向け買い物弱者⽀援ツール『買い物コネクト』の運営
介護当事者⼀歩⼿前の世代に向け、介護や⽼後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア
『tayorini』(たよりに)の運営
https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/
■ 株式会社 LIFULL について (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/)
LIFULL は「あらゆる LIFE を、FULL に。」をコーポレートメッセージに掲げ、個⼈が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安⼼と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを⽬指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再⽣を軸とした「LIFULL 地⽅創⽣」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の⼀⼈ひとりの暮らし・⼈⽣が安⼼と喜びで満たされる社会の実現を⽬指し、さまざまな領域に事業拡⼤しています。
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