学生のアイデアをカタチにした園舎が誕生 愛知・豊橋のつつじが丘保育園が開園しました
愛知県豊橋市で、全国の学生から建築アイデアを募り、建設された市立の「つつじが丘保育園」が2025(令和7)年4月に開園しました。「風土の中のさんぽミチ」をコンセプトに設計された木造園舎で、春のやわらかな日差しが降り注ぐ中庭では園児たちがのびのびと遊んでいます。
学生のアイデアを元に建設したつつじが丘保育園が開園しました
つつじが丘保育園は、老朽化した新吉保育園をつつじが丘校区の豊橋市佐藤5丁目地内に移転、新たに建てられました。
建設にあたっては、豊橋市が2022(令和4)年に「とよはし公共建築学生チャレンジコンペティション」を実施。学生が建築計画を提案し、保育士らとの意見交換を重ね、計画案を具体化しました。

その結果、114組の提案から選ばれたのが「風土の中のさんぽミチ」です。当時、名古屋工業大大学院生だった中山朋紀さんと原希望さん、同大大学生だった永井里奈さんのアイデアでした。学生たちは、その後の基本設計にも関わりました。
「風土の中のさんぽミチ」には、「散歩をするように毎日の発見から育つことができる保育園」という思いが込められています。
2023年12月に着工し、完成した園舎は木造2階建て延べ907平方メートルで、中庭「みんなのニワ」をぐるっと囲むように縁側「さんぽミチ」を配置しました。この縁側は、長い軒の出を活用した半屋外空間で、長い軒の出は日差しや雨を遮ります。

年齢ごとのそれぞれの保育室は開放的で、木のぬくもりを感じられます。保育室との間には、屋外の遊び場になる小庭「隠れニワ」があり、中庭、縁側を含めた複数の遊び場は、遊びを通じ自発的な創意工夫を身に付けることを後押しし、園児たちの主体性を育みます。

つつじが丘保育園は、新吉保育園からの22人と新たな47人の園児69人で開園しました。多様な保育ニーズに応えるため、保育園などに在籍していない子どもを一時的に預かる「一時預かり」や、病気、けがで保育園などを休んでいる子どもを預かる「病児保育」を新規に実施します。2025年5月7日(水)の開始を予定しています。
4月2日(水)開園式が行われました。

開園式は4月2日(水)、市や園などの関係者が出席して中庭で開かれ、長坂尚登市長や髙田洋子園長、園児の代表らがテープカットし、開園を祝いました。

長坂市長は、あいさつで園の特長を紹介した上で「子ども1人1人を尊重して丁寧に寄り添い、楽しい子ども時代を過ごせる豊橋になるよう保育、子育て支援を推進していきます」と話しました。

髙田園長は「さんぽミチで季節の変化を感じながら、のびのびと夢中になって遊ぶ子どもたちの姿を想像するだけでワクワクします。子どもたちの笑い声が響き、笑顔あふれる保育園にしていきます」と決意を新たにしました。

長坂市長から園児の代表に鍵の貸与もありました。つつじが丘での保育や未来を託す意味が込められています。
式には、大学院を卒業して働いている提案者の中山さんと原さんも駆けつけました。
中山さんはこの日、保育室にいる園児たちの姿を目にして「理想的な使い方をしてもらえそうで、長く愛されるような園になってほしいです」と期待。さらに「(つつじが丘保育園の)構想から設計、開園まで見届けられ、自由に思いのままに描けたことも貴重な機会になりました」と振り返りました。
原さんも「長い軒の出や中庭、隠れニワを使ってもらい、園児たちが豊橋の風土に触れながら遊んで育ってほしいです」と願います。公共建築に関わったことには「市役所の方や保育士の皆さん、工事の方と関係者が多く、調整の難しさを経験、それぞれの思いをくみ取って進めるということを勉強しました」と話していました。
また、閉園した新吉保育園の保護者会からつつじが丘保育園に、絵本やおもちゃなどが贈られました。
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