線路設備モニタリング装置のAI(ディープラーニングモデル)導入について

東日本旅客鉄道株式会社

〇東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」)は、スマートメンテナンスの実現に向けて線路設備モニタリング装置を活用し、CBMを推進しております。

〇このたび、JR東日本と理化学研究所は、AIのディープラーニングモデル(以下「DLM」)を開発しました。JR東日本と株式会社日本線路技術(以下「NSG」)は、開発したDLMを活用し、線路設備モニタリング装置にAIを適用することで、線路設備の不良箇所を把握し、更なる高度な線路設備の点検を推進します。


図1 不良箇所抽出のイメージ図1 不良箇所抽出のイメージ

1.現状の課題

 NSGは、モニタリングセンターを設置し、線路設備モニタリング装置で撮影した画像から線路設備の不良箇所を抽出しています。不良箇所を抽出する際には、閾値による自動判定と人による目視確認を行っています。自動判定は線路設備の多くを占める比較的構造が単純な箇所に適用しており、レール継目部のような構造が複雑な箇所においてはスタッフが直接確認をしています。目視確認には多くのスタッフを配置するとともに、抽出に多くの時間を要しています。




図2 AIによる不良箇所判定図2 AIによる不良箇所判定

2.開発したDLMについて

 DLMは、正常な設備と不良がある設備の画像を学習させたAIです。DLMを活用することで、画像の中から良否判定の対象となる設備を検出し、設備種別ごとに良否判定を実施します。従来の閾値設定による自動判定では継目ボルトの脱落およびゆるみのみ判定できましたが、DLMが対象とする設備は、レール継目部周辺部の状態やレールボンドの状態などについて、判定することが可能です。


3.DLMの導入

 従来、目視で行っていた業務の一部をAIに置き換え、管理を行います。

(AIで管理できる設備例)

 ①レール継目板の損傷の有無

 ②レールボンドの脱落状況

図3 AIによる不良箇所の判定図3 AIによる不良箇所の判定


4.DLMの導入により期待される効果

 現在は、撮影された対象設備の画像をスタッフが目視で異常の有無を確認しています。今回開発したDLMを導入することで、様々な線路設備の不良箇所を自動で抽出することが可能となります。抽出した不良箇所のみスタッフの目視による確認を行うため、作業時間の削減が期待できます。

(想定される作業時間削減効果:約100時間/月)


【参考】線路設備モニタリング装置の概要

・線路設備モニタリング装置は営業列車の床下に搭載されており、レール周辺の軌道材料の状態や軌道の状態を日々確認することが可能です。

 2018年12月21日発表: 理化学研究所×JR東日本 線路設備モニタリングデータへのAI活用に向けた共同研究の開始について( https://www.jreast.co.jp/press/2018/20181221.pdf

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

東日本旅客鉄道株式会社

229フォロワー

RSS
URL
https://www.jreast.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区代々木2-2-2 JR東日本本社ビル
電話番号
-
代表者名
喜㔟陽一
上場
東証1部
資本金
20億円
設立
1987年04月