シリア難民キャンプに爆弾被害 キャンプ内唯一の「子どもにやさしい空間」も破壊 【共同プレスリリース】
民間人、民間施設への攻撃を強く非難
※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が翻訳、編集しています。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_91803.htmlでご覧いただけます。
【2016年7月5日 アンマン(ヨルダン)/ダマスカス(シリア)発】
7月3日に発生したシリアの難民キャンプへの爆弾攻撃に対し、ユニセフ(国連児童基金)と国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は共同で声明を発表しました。
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パレスチナ難民やシリアの国内避難民が身を寄せる、Khan Eishieh難民キャンプへの攻撃は、シリア紛争における非人道的な命の軽視、特に子どもの命や子どもたちの拠りどころとなる施設を無視する行為の、最も新しい事例となってしまいました。
非人道的で命を軽視した攻撃が繰り返されるなかで、7月3日の夜に爆弾が難民キャンプを直撃し、市民が犠牲となり、家屋や「子どもにやさしい空間」までもが破壊されたと報告されています。9,000人のパレスチア難民が暮らすKhan Eishieh難民キャンプは、ダマスカス南部の農村地域の暴力が激化している地域にあり、この数週間の間にも、暴力行為の急増によって少なくとも9人のパレスチナ難民が亡くなっています。
破壊された「子どもにやさしい空間」は、1,000人以上の子どもたちにとって安らぎの場で、子どもたちは教育や心理社会的支援、レクリエーションのために日々通ってきていました。
この難民キャンプで唯一の「子どもにやさしい空間」であり、子どもたちにとっては、自分たちの生活を左右する暴力や紛争の恐怖から離れ、ひと時の日常を取り戻せる場所でした。
2013年以来、Khan Eishieh難民キャンプへの人道的アクセスが制限されているため、支援活動は妨げられています。支援を受けるため、パレスチナ難民たちは多大な危険を冒してキャンプの外に出て、サナヤやKhan Dunoun にある配給センターまで行かなければならないのです。
2012年以降、難民キャンプ周辺の田畑や農場は戦場と化しました。重火器が配備され、無差別に攻撃が行われることも頻繁にありました。キャンプ内で暮らす75名のUNRWA職員は、3つの学校と、それぞれ1カ所の保健センターとコミュニティセンターで行う限られたサービスを通じて、懸命にパレスチナ難民への支援を続けています。
シリア全土で、ユニセフ、UNRWA、そのパートナー団体は、「子どもにやさしい空間」の運営をはじめ、子どもたちが暴力の影響に向き合えるよう支える支援を続けています。
子どもたち、そして子どもたちが頼りとする民間施設への攻撃は、決して正当化することはできません。しかし残念なことに、こうした攻撃がシリア紛争において一般的になってしまっているのです。
ユニセフとUNRWAは、この攻撃を強く非難し、紛争当事者に対しシリアの一般市民や民間施設を危険に晒す行為を止めるよう、要請します。こうした攻撃は、国際人道法で禁じられています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)
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