「自立=善、依存=悪」という思い込みを覆す、逆転の文明論『争わない社会 「開かれた依存関係」をつくる』発売
自助努力と経済競争のはざまで、孤立無援の個人を生み出す現代社会への警鐘。
「周りに頼る作法」を根本から考え直そう
国家間の戦争、社会の分断、個人同士やネット上のいさかいなど、豊かになり余裕ができた時代にも揉めごとが絶えないのはなぜか? 国からは「自助」を、市場からは「競争に勝ち残ること」を求められて、個人が孤立無援となってしまうのはなぜか? 本書は、その原因が「自立した個人」の礼賛にあったとみて、その陰で見落とされてきた「依存」の可能性を問う試みである。進化論の誤読、対外援助、入会権闘争、生活綴方までを分析し、機能的な中間集団への依存が争いの芽を摘む可能性を示す。分野を超えた視点で切りひらく、社会科学からの挑戦の書!
『争わない社会 「開かれた依存関係」をつくる』目次
はじめに
図版出典一覧
序章 争わないための依存
Ⅰ部 発展の遠心力 「自立した個人」を育てる
第一章 競争原理 規格化される人々
第二章 社会分業 特技を社会に役立たせる
第三章 対外援助 与えて生まれる依存関係
Ⅱ部 支配の求心力 特権はいかに集中するか
第四章 適者生存 格差を正当化する知
第五章 私的所有 自然をめぐる人間同士の争い
第六章 独裁権力 依存関係を閉じる言葉
Ⅲ部 依存の想像力 頼れる「中間」を取り戻す
第七章 帰属意識 踏みとどまって発言する
第八章 中間集団 身近な依存先を開く
第九章 依存史観 歴史の土を耕す
引用・参考文献
あとがき
著者紹介
佐藤 仁(さとう・じん)
1968 年、東京生まれ。東京大学東洋文化研究所教授。都立青山高校卒業、東京大学教養学部卒業、ハーバード大学ケネディ行政学大学院修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。同大学院新領域創成科学研究科准教授、プリンストン大学客員教授などを歴任。日本学士院学術奨励賞など受賞。現在、国際開発学会会長。著書に『野蛮から生存の開発論』(ミネルヴァ書房。国際開発研究大来賞)、『教えてみた「米国トップ校」』(角川新書)、『反転する環境国家』(名古屋大学出版会)、『開発協力のつくられ方』(東京大学出版会)など。監訳書にJ. スコット『ゾミア――脱国家の世界史』(みすず書房)、共訳書にアマルティア・セン『不平等の再検討』(岩波書店)など。
商品情報
書名:争わない社会 ――「開かれた依存関係」をつくる
著者:佐藤 仁
出版社:NHK出版
発売日:2023年5月25日
定価:1,870円(税込)
仕様:B6判
ページ数:304ページ
ISBN:978-4-14-091279-9
NHK出版ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000912792023.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140912790/
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