順天堂大学・エムスリーAIの心エコーAIの共同研究が北米心臓病協会(AHA)の最新科学トピックに採択
~世界の医療現場でのAI活用変革に期待~
■ 概要
順天堂大学とM3AI が共同で行った、AI-ECHO RCT研究(以下、研究内容に詳細記載)が2024年11月16日~18日にシカゴで開催されるAHA*(北米心臓協会)Scientific Sessions 2024のLate-Breaking Scienceに採択され、研究代表統括者である順天堂大学医学部循環器内科学講座の鍵山暢之特任准教授が現地で発表を行いました。
本研究では、心エコー検査を自動測定するAIを用いることで、検査時間を短縮し、1日あたりの検査数が18%増加し、さらに1検査あたりの計測項目数25から85項目(3.4倍)に増えたにもかかわらず、検査担当者の疲労は増加せず、画像のクオリティも改善したことを示しました。
■ 医療現場で見込まれる効果
心臓疾患は世界各国で死因として上位に挙がります。超高齢化社会に突入した日本では、死因の第2番目にあたり、今後更に増加することが見込まれています。心エコー検査は、心臓の機能、形態を評価する検査で、診断において非常に重要な検査ですが、検査技師不足及び検査手技の難しさから、必要な患者がすぐに検査を受けることができる検査体制が整っていない施設や地域が多く存在します。本研究で活用したAIを利用したソフトウェアである超音波画像解析ソフトウェア Us2.aiを全国の医療機関に展開、普及を通じて医療現場の効率化と診断精度向上への貢献ができると考えています。順天堂とM3AIは、医療現場の診断精度向上と効率化に貢献し、不必要な医療コストを減らし、健康で楽しく長生きする人を1人でも増やすことを実現して参ります。
■ AI-ECHO RCT研究内容
AIを使用する日、使用しない日を無作為に割り付けし、それぞれにおいて心エコー検査を実施する検査担当者のパフォーマンスおよび、読影精度を比較、評価した研究になります。結果として、計測項目数25→85項目(3.4倍)に増やしながら、検査時間を短縮し、1日あたりの1検査室の検査数を14.1→16.7件(1.18倍)に増やすことを実現しました。また、このような多くの検査を施行したにもかかわらず、検査担当者の疲労は増えませんでした。
【順天堂大学について】https://www.juntendo.ac.jp/
順天堂は、江戸後期の天保9(1838年)、江戸・薬研堀(現在の東日本橋)に開設したオランダ医学塾「和田塾」に端を発し、今につながる日本最古の西洋医学塾です。現在では、医学部・スポーツ健康科学部・医療看護学部・保健看護学部・国際教養学部・保健医療学部・医療科学部・健康データサイエンス学部・薬学部の9学部をはじめ、大学院5研究科、医学部附属6病院からなる「健康総合大学・大学院大学」として教育・研究・医療そしてリベラルアーツを通じて国際レベルの社会貢献と人材育成を進めております。
【エムスリーAI株式会社について】https://corporate.m3ai.co.jp/
エムスリーAIは、病院からクリニックまであらゆる医療機関において多様な医療 AI を利用できる仕組みをプラットフォームとして提供し、2020 年 5 月のサービスローンチ以降、累計350万検査以上の解析を行ってまいりました。今回の研究で活用したAIは、超音波画像解析ソフトウェア Us2.aiですが、今後、更に優良な AI を取り揃え、多くの医療現場からの期待に応えることができるよう事業を推進してまいります。
*AHA:American Heart Associationの略称で、心血管障害、脳卒中の研究および、心肺蘇生教育に関する情報を世界的に発信する1924年設立のアメリカの患者支援団体。Scientific Sessions は毎年1回の頻度で開催しています。
https://professional.heart.org/en/meetings/scientific-sessions/programming/late-breaking-science
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