「値上げできず」倒産、前年から倍増 7月の物価高倒産は67件
全国企業倒産集計2023年7月報 別紙号外リポート:物価高倒産
<調査結果(要旨)>
「値上げできず」倒産、前年から倍増
集計期間:2023年7月31日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク
物価高倒産[定義]=法的整理(倒産)企業のうち、原油や燃料、原材料などの「仕入れ価格上昇」、取引先からの値下げ圧力等で価格転嫁できなかった「値上げ難」などにより、収益が維持できずに倒産した企業を集計
2023年に発生した、燃料や原材料などの「仕入価格上昇」により収益が維持できず倒産した「物価倒産」は、7月までに累計442件発生した。このうち、価格転嫁を取引先から拒絶されたり、僅かな値上げしか認めてもらえず、結果的に経営破綻を余儀なくされた「値上げ難型」の物価高倒産は少なくとも23件判明した。23年に発生した「物価高倒産」全体の約5%を占め、前年同期の12件に比べて倍増ペースで推移している。業種では『製造業』や『運輸・通信業』で多かった。
原材料価格などのコスト増加分を売価へ転嫁する動きが徐々に浸透しているものの、「すべては転嫁できない」といった声もあり、十分に進んでいるとは言い難い。加えて、人件費や電気代などを中心としたサービスコストの増加は、「原材料などの値上げ交渉だけで手一杯」など、取引先の価格転嫁への理解が得にくい点も、「値上げ難型」の物価高倒産が発生する遠因になっている。今後もエネルギーコストに加え、最低賃金の引き上げによる労務費の上昇も確実ななか、コスト増を価格転嫁する「後ろ盾」となる、政府の支援が欠かせない。
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