コンゴ民主共和国:国境なき医師団の施設が銃撃を受けスタッフが重傷──紛争下での人道援助の保護を
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コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)北キブ州マシシにある国境なき医師団(MSF)の施設が2月20日朝に銃撃を受け、MSFのスタッフ1人が重傷を負った。 この施設に家族と避難していた子ども1人も銃撃を受け負傷した。
援助スタッフや人道援助施設の保護は、紛争時に守られるべき原則として国際人道法で定められており、今回の銃撃はこの原則に明らかに反するものだとMSFは強く非難する。
民間人が避難する施設で銃撃が
「銃弾を受け重傷を負ったスタッフの容態は危険な状況です。この数週間、マシシにあるMSFの施設の敷地では何度も銃弾を受けてきました」と、北キブにおける活動責任者のステファン・ゲートゲブアは話す。
「銃撃の最中、その施設に避難していた子どもも銃弾を受けて軽傷を負いました。 銃弾から守られるべき人道援助施設に対するこの暴力行為を、私たちは強く非難します」
1月上旬以来、マシシの町とその周辺では、コンゴ国軍と同盟を組む「VDP/ワザレンド」の戦闘員と「3月23日運動(M23)/コンゴ川同盟(AFC)」の戦闘がほぼ連日続いている。この衝突により、MSFが支援するマシシ総合病院に大勢の負傷者が運ばれた。そのほとんどは民間人だった。この病院の施設や敷地内には、数千人の人びとが避難している。
国際人道法の順守を
マシシ病院とMSFの施設やその周辺でも、数多くの深刻な事件が起きている。
1月16日には、マシシ病院の前で2人の市民が銃撃され、1人が死亡した。 1月19日には、病院とMSFの施設が銃撃を受け、病院の隣にあるMSFの車庫にロケット弾が当たり、MSFのスタッフ2人が負傷した。 1月28日には、MSFの施設とその近くのMSF事務所の間で起きた銃撃で、女性が死亡した。 2月16日には、病院に入った流れ弾により、保健省の職員が負傷した。
「このような暴力的な事件が繰り返されることは容認できません」とゲートゲブアは訴える。
「人道・医療施設を守るよう、私たちは紛争当事者に繰り返し訴えてきましたが、患者や医療者、援助スタッフの安全は明らかに無視されています。国際人道法が守られない状況を止めなければなりません」
MSFは2007年からマシシ病院を支援しており、同病院にはこの数日間で数十人の負傷者が運ばれた。
マシシの医療・人道ニーズは非常に高いが、相次ぐ暴力行為の影響がMSFの活動に及んでいるため、MSFは今後どのように活動を進めていくか検討している。
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