漢字が覚えられないのはやる気がないからではない! 見逃してはいけない境界知能とグレーゾーンの子どものSOSサイン
80万部超の大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』シリーズの著者・宮口幸治による弱さのある子どもたちに必要な“正しい理解と効果的な支援策”を説いた「マンガでわかる 境界知能とグレーゾーンの子どもたち 2」。友だちに乱暴する、漢字テストができない、計算が苦手……なぜこの子は「普通」でないのか? コミック形式でわかりやすく解説します。
- 「境界知能」とは?
・昔は知的障害とされていたIQ70〜84の人
・35名のクラスに約5人いる
・日本人の7人に1人
・平均的な子の7〜8割くらいの発達年齢
境界知能やグレーゾーンの子どもは、「勉強が苦手」「コミュニケーションが苦手」「運動が苦手」といった学習面や身体面に問題が現れることがあります。子どもが出す困っているサインに気づき、対応するにはどうすればよいのでしょう。
- 漢字が覚えられない子どもがかかえる問題とは
「漢字が覚えられない」「黒板の文字が写せない」「繰り上がり計算ができない」「先生の話を集中して聞けない」「不注意なことが多い」といった問題をもつ子どもは認知機能が弱い可能性があります。認知機能とは、学習の土台となる記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断などの力のこと。漢字が覚えられない子どもは視覚認知に問題があり、正確に形や文字を認識できていないのかもしれません。
視覚認知が弱く、漢字をなかなか覚えられない子どもは、図形の理解が苦手だったり、黒板の文字が写せないといった問題も生じてきます。正確に写すことが苦手な場合は、点つなぎや模写を使った視覚認知のトレーニングがおすすめです。
認知機能の弱さは学校や家庭ではなかなか気づかれず、やる気がない、怠けている、と見えてしまうことがあります。学習面で問題をかかえる子どもの発達段階をきちんと評価し、具体的な支援策を知るには、認知機能強化トレーニング(COGET)を活用してみてください。
本書では、学習面と身体面で困っている子どものサインと、その理解や対応方法(P4図1の第2巻の第 1・2章)、気になる児童に対しての事例検討会を通して総括的な支援の在り方(第3章)を扱っています。特に第3章で紹介する事例検討会は恐らく学校などではまだほとんど取り入れられていないグループワーク型を使用しています。第4章では学校から舞台を地域に移し、家庭訪問や他校との連携、街なかでの不良グループとの出会いなどを通して、不適切養育も含めた非行化の背景やその対応について扱っています。
【目次】
◎第1章 学習の土台ができていない子を見逃すな
CASE17 漢字テストが苦手な子/視覚認知の弱さを見逃すな
CASE18 計算が苦手な子/数の理解の弱さを見逃すな
◎第2章 身体が不器用な子を見逃すな
CASE19 手先が不器用な子/協調運動の弱さを見逃すな
CASE20 力の加減ができない子/ボディ・イメージの弱さを見逃すな
◎第3章 境界知能とグレーゾーンの子を見逃すな
事例を準備しよう
事例について深めよう
子どもの視点で考えよう
支援策を考えよう
◎第4章 非行化の背景を見逃すな<非行編>
家庭の背景を知ろう
協働しよう
少年事件の流れを知ろう
子どものサインを見逃すな
- 著者プロフィール
宮口幸治
立命館大学産業社会学部教授。京都大学工学部を卒業後、建設コンサルタント会社に勤務。その後、神戸大学医学部を卒業し、児童精神科医として精神科病院や医療少年院、女子少年院などに勤務。医学博士、臨床心理士。2016年より現職。
- 書誌情報
『マンガでわかる 境界知能とグレーゾーンの子どもたち2』
判型:四六並製 160頁
定価:1650円(本体1500円+税10%)
発売:2021年7月2日
- 購入リンク
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https://www.amazon.co.jp/dp/4594088171
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