南スーダン 紛争再燃で子どもの兵士解放の努力が後退【報道参考資料】

子どもの徴用今年あらたに650人  ユニセフ、組織的な性的暴行の増加も指摘

※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、http://bit.ly/2bp7kTC からご覧いただけます。
 

武装勢力からの解放を待つ子どもたち。(南スーダン2015年2 月撮影) ※本文との直接の関係はありません。© UNICEF_UNI178986_Rich武装勢力からの解放を待つ子どもたち。(南スーダン2015年2 月撮影) ※本文との直接の関係はありません。© UNICEF_UNI178986_Rich

 【2016年8月19日 ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)発】

本日、ユニセフ(国連児童基金)は、南スーダンにおいて今年に入ってあらたに武装勢力に徴用された子どもたちの数は650人以上にのぼる、と発表しました。

紛争の再燃が何万人もの子どもたちをさらなる危険に晒すことを懸念し、ユニセフは武装勢力に対して、子どもたちの徴用の即時停止と子どもたち全員の無条件の解放を要請しました。

南スーダンでは、最初に紛争が勃発した2013年12月以降、武装勢力に徴用された子どもの数は1万6,000人と推定されます。ユニセフは、子どもの徴用を停止するとした政治的取決めがあるにも関わらず、武装勢力による子どもたちの徴用は続いているとしています。

「私たちが、この若い国の子どもたちのために描いていた夢は、悪夢となってしまいました。南スーダンの短い歴史のこの不安定な状態の中で、子どもたちの徴用がさらに急増する事態が迫っているのではないかとユニセフは懸念しています」と、南スーダンのベンティウ(Bentiu)とジュバへの訪問から戻ったユニセフ事務局次長ジャスティン・フォーサイスは語りました。

ユニセフは2015年に、過去最大の動員解除の一つとなった、1,775人の子どもの兵士たちの解放に立ち会いました。南スーダンでの紛争の再燃と徴用の再開は、こうした前進を後退させてしまいます。

さらにユニセフは、世界で最も若い国である南スーダンによる深刻な人権侵害、特に以前から横行しているジェンダーに基づく暴行が、現在の危機によりさらに激しくなっていることを指摘しました。

「子どもたちは恐ろしい体験を強いられ続けています」とフォーサイスは続けます。「最新の報告では、女の子や女性への性的暴行が蔓延していることが指摘されています。強姦や性的搾取、誘拐を紛争の武器として組織的に利用することは、加害者が刑罰を免がれていることと併せ、中止されなければなりません。

ユニセフは、南スーダン全土の子どもと女性に対する支援と保護を進めるため、一刻も早く、全ての地域で無条件に人道的支援を行えるようにする必要があると指摘しました。

「人道支援が十分に実施されなければ、子どもたちとその家族が壊滅的な被害をうけることになります」(フォーサイス事務局次長)

      * * *

■補足
2013年の紛争が発生以降、南スーダンの子どもたちがおかれている状況:
・約90万人の子どもが家を追われ国内避難民となりました。
・1万3,000人以上の子どもたちが行方不明あるいは家族離ればなれになりました。
・南スーダンの子どもの半数以上が学校に通えていません。これは世界で最も高い未就学率です。
・25万人の子どもたちが重度の急性栄養不良に直面しています。

ユニセフは、南スーダンで国連の「モニタリングと報告のメカニズム(MRM)の一環として、子どもの権利の侵害について監視・報告しています。MRMは子どもにたいする6つの虐待について報告しています。
1)武装勢力による子どもたちの徴兵・徴用
2)子どもたちの殺傷
3)学校や病院への攻撃
4)強姦およびその他の性的暴行
5)子どもたちの誘拐
6)子どもたちへの人道支援活動に対する妨害

      * * *

■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会  広報室 
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または、
James Elder、ユニセフ東部・南部アフリカ地域事務所(在ナイロビ)
  Mobile: +254 71558 1222   Eメール:jelder @unicef.org
Marixie Mercado、広報チーフ(在ニューヨーク)  
 Tel: +1917  213  5188     Eメール: mmercado@unicef.org

 ■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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上場
未上場
資本金
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設立
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