ギリシャ 難民・移民の子どもに迫る二重の危機:ユニセフ支援活動拡大へ【プレスリリース】
流入増加で足止めの子どもは27,500人に
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_92675.html からご覧いただけます。
【2016年8月26日 アテネ(ギリシャ)/ジュネーヴ(発】
難民・移民の到着が急増する中、ギリシャでは新たに何百人もの難民・移民の子どもたちが足止めされ、教育や保護などの支援を緊急に必要としている、とユニセフは発表しました。
難民・移民の子どもに迫る二重の危機
ギリシャには8月の最初の3週間で、7月全体の数を上回る数の難民・移民が到着しました。(7月全体で1,920人、8月は24日現在2,289人)この新たな流入は、ギリシャが経済危機に対応するために実施を余儀なくされている福祉制度縮小と時期が重なり、難民・移民の子どもたちは二重の危機に直面しています。現在足止めされている人々の約40パーセントは子どもが占めています。
「ギリシャに足止めされている難民の家族たちは、ただ待っているだけの状態です。難民申請手続きが進むのを待ち、ヨーロッパのどこかに再定住する決定がなされ、子どもたちのための適切な学校や遊び場が確保され、適切な住居が確保されることを待っています。彼らの未来がどうなるのか、ただただ待っているのです」とユニセフ・ギリシャ難民・移民対応調整官ローラン・シャピュイ(Laurent Chapuis)は語りました。
子どもたちには、永遠に待たされ続けています。シリアやアフガニスタン、イラクなどの紛争地の子どもたちは教育の機会を完全に失い、あるいは何年も学校に行けない状況に置かれてきて、ここに来てもまた同じ状況に置かれています。
「教育は子どもたちをあらゆる暴力から保護できる最も強力な方法のひとつです。だからこそ、私たちは力を合わせて、9月の学校再開に向けた政府の努力を最大限支えなければならないのです」とシャピュイは言います。
最近伝えられた、子どもたちに対する性的虐待、暴力やネグレクトに関する報告は、子どもたちにとって生活環境が不適切であり、また子どもの保護のメカニズムが弱体化していることを表しています。
流入増加で足止めの子どもは27,500人に
現在ギリシャには約27,500人の子どもたちが足止めされていて、その数は増え続けています。少なくとも2,250人は保護者を伴わない子どもたちで、正式な避難施設に住んでいるのはその3分の1のみです。政府やパートナー団体の継続的な努力にもかかわらず、仮設住居や子どもの保護および教育の機会のニーズは未だに満たされず喫緊の課題です。
子どもたちが危機に晒されているとする最近の報告も踏まえ、ユニセフとギリシャのパートナー団体にとって、子どもたちに教育の機会を与えることを最重要課題としています。ユニセフは、アテネ近くのスカラマンガス(Skaramangas )難民キャンプにおいて、ギリシャのNGOと共同して難民の子どもたちに学びや遊びの場を支援し、11のコンテナー仮設教室も提供しています。
ユニセフの教育支援は、年内にアテネ周辺以外の難民キャンプの少なくとも5,000人の子どもたちにも対象を拡大し、またギリシャの教育システムに難民の子どもたちを統合できるよう教育省と協力しています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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