坂口恭平さん、自己流農法で生き物の声を聞く。
マルチな活躍で知られる、建物を建てない建築家・坂口恭平さんは、双極性障害(躁鬱病)とつきあいながら、死にたくなった人からの電話相談「いのっちの電話」を続けていることでも知られている。コロナ禍をきっかけに始めた畑で作業をするうち、ちかごろ不思議な力関係が身の回りで働いていることに気づいたという。「芸術新潮」11月号の養老孟司特集での対談で、養老さんも「以前とは、ぜんぜん違いますね」と、変化しつつある坂口さんの“生態”に興味津々。
以前から、時々会ってはお話しする関係だった坂口恭平さんと養老孟司さん。親子ほども年の離れた二人だけれど、妙にウマが合うのだそう。久々の対面で、坂口さんは現在暮らしている熊本での近況報告をしてくれました。
コロナ禍をきっかけに始めた畑はもう3年目、最近は長男と一緒に船に乗って釣りに出かけることもあるとか。編み物の得意な坂口さんは、畑のトマトのためのネットも自分で手作り。雑草は散髪程度に刈って、ミミズや蜘蛛など、畑で暮らしている生き物たちの邪魔は極力しないようにしています。
そんな自己流農法で、なぜか作物の収穫高は上々。植物や小さな生き物との距離感を、坂口さんは「言葉は交わせないし、相互理解もあり得ないから、こっちが感じていくだけですけどね。濃い握手はないけど、知らない間に手が触れている」と表現します。
日ごろから人間が人間とだけつきあうことに警鐘を鳴らしてきた養老先生は、「すっかり土になじんで、土の精になっているね(笑)」と嬉しそう。
■「芸術新潮」概要
1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。
■養老孟司
1937年、鎌倉生れ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。1989年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。著書に『唯脳論』『バカの壁』『手入れという思想』『遺言。』『ヒトの壁』など多数。池田清彦との共著に『年寄りは本気だ』など。
■坂口恭平
1978年、熊本県生れ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建物を建てない建築家、作家、音楽家、画家などさまざまな顔を持つ。著書に『隅田川のエジソン』『TOKYO 0円ハウス 0円生活』『躁鬱大学』など。画集に『Water』ほか。
■書籍データ
【掲載誌】「芸術新潮」2022年11月号
【発売日】2022年10月25日(火)
【造本】A4変型 無線とじ
【特集タイトル】養老孟司の目
【定価】1500円(税込)
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/geishin/
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