【日本橋高島屋】デジタル全盛の時代とは対極にある、プラチナ パラジウム プリントに取り組む写真家「志鎌 猛展」を7月10日(水)より、美術画廊Xにて開催!
■会期:2024年7月10日(水)→7月29日(月)
■会場:日本橋高島屋S.C. 本館6階美術画廊X
日本橋高島屋S.Cでは、2024年7月10日(水)より本館6階美術画廊Xにて、「志鎌 猛展」を開催いたします。
志鎌氏は2008年より、デジタル全盛の現代とは対極にある、プラチナ パラジウム プリントに取り組んでいる写真家です。19世紀後半にイギリスで発明されたこの古典的写真技法と、日本の伝統的な手漉き和紙・雁皮紙を用いて自作した印画紙を使うことによって、微妙な階調の繊細で美しいモノクローム作品を生み出します。経験がものをいう難易度の高い表現のため、1作品あたりのエディション枚数も限られます。志鎌氏は国内よりも海外での発表が多く、近年では世界最大の写真フェア、パリ・フォトに出品し、国際的にも高い評価を得ています。
美術画廊Xでは2回目となる今回の個展は、日本の四季の風雅を象徴する「雪月花」をテーマに、国内外で取材した新旧作品で構成いたします。精霊が息づくような深い雪の森、夜の街の片隅で見上げる月、小さき世界たちを包摂する叢の花。写真家はそれら現場の中に身を置き、自然と一体となった瞬間に一期一会のシャッターを切ります。その時、雪、月、花、それぞれの奥にひそんでいた“花(宇宙の摂理)”が、凍結された詩となって刻印されます。
本展では特別にサンディエゴ写真美術館名誉館長のデボラ・クロチコ氏をゲスト・キュレーターに迎え、志鎌作品の魅力を更に引き出します。この機会にぜひご高覧ください。
志鎌 猛氏 略歴
1948年 東京生まれ。
1990年、山梨県明野村の森の一隅に土地を求め、1992年からの10年間、余暇のほとんどを費やし夫婦自らの手で南アルプスと八ヶ岳を望む小さな家を建てる。その経験を通して、日本人としての遺伝子に潜んでいた自然への憧憬、畏怖の念が覚醒し、森の写真を撮りはじめる。
2007年、写真集『森の襞 Silent Respiration of Forests』を出版。ライフワークとなるこの森のプロジェクトと連動させつつ、2008年より『うつろい─Evanescence』シリーズに着手。森、野、蓮、庭園、ランドスケープの5部作として展開していく。
2009年、Foto Triennale.dk(デンマーク)の招待作家として、Johannes Larsen Museetにて個展。Foto Fest International Discoveries II(アメリカ)に、世界9人の作家の1人として招聘される。以後2010年より、サンフランシスコ、ニューヨーク、ヒューストン、サンタフェ、ポートランドなどアメリカ各地にて個展、アートフェア出品などの活動を続ける。
2012年、The Noorderlicht Photo Festival(オランダ)入選。
2013年、第1回Jon Schueler Scholarship(スコットランド)を受賞。へブリデーズ諸島・スカイ島にてアーティスト・イン・レジデンス。
2013年、K’MOPA 清里フォトアートミュージアム(山梨)、『森ヲ思フ - ウイン・バロック、志鎌猛、宮崎学の写真』にて、プラチナプリント34点が展示される。
「じっと見る。そして一度だけシャッターをきる」という一貫してきた姿勢は、『観照 Contemplation』シリーズに昇華。オランダ、古代の石、スカイ島、イギリス、ガリシア、フランス、ドロミテ、京都、伊勢、湯川渓谷、香港、台湾、ドイツ、アイルランド、奈良、日本、熊野、雪、鹿児島などの連作となり、第2のライフワークとして継続している。
また、世界各地の植物園、自然史博物館や剥製店、森で拾った木の実や河原の石などの撮影を続けるうちに、現代のノアの方舟にも通じる思いを抱くようになる。『記憶の庭園 Garden of memory - 動物、 植物、種子、石』の4部作は、2008年から撮りためたフィルムから、未来の世代に引き継ぎたい自然の肖像写真として、2016年~2017年にプリントを制作した。
2014年、ア・コルーニャ現代美術館(スペイン)にて個展。この頃より、活動の場をパリ、ミラノ、ブリュッセル、バルセロナ、アムステルダム、ロンドンなどヨーロッパ、さらに香港、台湾などアジアへと広げ、各地での展覧会の折々に旅を重ねる中から着想した作品の制作にも取り組む。『都市の森 Urban Forest』、『美の谷 Valley of Beauty』、『秘密の庭園 Il Giardino Segreto』などをまとめる。
2019年、Paris Photo出展。パリの蚤の市にて、アンティークのフィンガーボールに出会い、その100年前の丸いガラスの器の魔法により、シュールリアルな作品製作の試みをはじめる。「Reminiscence – 追憶」は、いつか見た、記憶の奥に擦り込まれている心象風景の再現への取り組みである。個展“観照 Contemplation 志鎌猛展”日本橋高島屋美術画廊X(東京)。
2022年、写真集『観照 Contemplations』が、Éditions Photosynthèses(アルル・フランス)より出版される。
2023年、“観照-Contemplation”出版記念展、GASBON、山梨県北杜市。個展“Silent Respiration of Forests”, Les Bernardes(ジローナ・スペイン)、個展“Memories d’ombres”,Galerie Da-End(パリ・フランス)など。
2024年、個展“都市の森 Urban Forest” iwao gallery(蔵前・東京)、“Moon light”, Boogie Woogie Photography(香港)など。
パブリック・コレクション
フランス国立図書館(フランス)、サンフランシスコ近代美術館(アメリカ)、エルメス財団(フランス)、
ブランツ写真芸術美術館(デンマーク)、サンディエゴ写真美術館(アメリカ)、
ウエスリアン大学デービソン・アートセンター(アメリカ)、ヒューストン美術館(アメリカ)、
ポートランド美術館(アメリカ)、サンタバーバラ美術館(アメリカ)、清里フォトアートミュジアム(山梨)
作品一例
「観照 Contemplation - 雪 Snow」
プラチナ・パラジウム・プリント、雁皮紙
長野・北横岳/2022/image:190×190mm
「観照 Contemplation - 月 Moon」
プラチナ・パラジウム・プリント、雁皮紙
山梨・明野/2010/image:190×190mm
「観照 Contemplation - 花 Flower」
プラチナ・パラジウム・プリント、雁皮紙
奈良・薬師寺/2020/image:190×190mm
【お問い合わせ先】 日本橋高島屋 ℡:03-3211-4111(代表)
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