園長の93.7%は「保育者の資質の維持・向上」が課題と認識 ~解決の鍵は保育者同士の学び合いと研修の充実~

「第3回幼児教育・保育についての基本調査」―幼稚園・保育所・認定こども園を対象にー

 株式会社ベネッセホールディングスのグループ会社、株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市)の社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、2018年11月に、日本全国の幼稚園・保育所・認定こども園の園長を対象に「第3回幼児教育・保育についての基本調査」を実施しました。この調査は、少子化や働く母親の増加といった家庭の変化、教育改革による園の要領・指針の改訂(定)、幼児教育・保育の無償化などの環境変化のなかで、幼稚園・保育所・認定こども園がどのような教育・保育を行っているのか、実態や課題を明らかにすることを目的にしています。
調査の主な結果は、以下の通りです。

〈園の実態〉
1. 【保育時間が長時間に】
幼稚園・保育所が開いている時間は2012年に比べて長時間化。私立・私営園のほうがより長い時間、開所する傾向がある。私立幼稚園の96.7%は「預かり保育」を実施しており、平均終了時刻は17時46分である。

2. 【多様な園児の受け入れが増加】
障がいのある園児や特別に支援を要する園児がいる園は、国公立・公営園では9割前後、私立・私営園では7割~8割にのぼる。経年で増加しており、園では多様な子どもを受け入れている。

〈保育実践上・運営上の課題と対策〉
3. 【保育者の資質が最重要課題に】
保育実践上、運営上の課題として、園長がもっとも強く感じている課題は、「保育者の資質の維持・向上」の93.7%(「とてもあてはまる」「まああてはまる」の合計%)。忙しいなかで多様な子どもを受け入れており、保育者により高いレベルの専門性が求められている。

4. 【必要な対策は、保育者同士が学び合う風土、園内研修の充実、処遇改善】
保育者の資質向上に必要な対策として多くの園長があげるのは、「保育者同士が学び合う園の風土づくり」(38.9%)、「園内研修の内容の充実」(27.7%)、「保育者の給与面での処遇改善」(26.4%)である(16項目から3項目まで回答)。

また、研修の内容でもっとも必要と考えられているのは、「特別な支援を必要とする子どもの理解や保育」(82.8%)である(「その他」を含む21項目から複数回答)。

【結果のまとめと考察】
 今回の調査では、園の開所時間が園の種類を問わず長時間化していました。障がい・特別な支援を必要とする園児も増加するなど、多様な子どもの受け入れにより、一層、専門性が求められる状況も強まっています。こうしたことを背景に、9割を超える園長が「保育者の資質の維持・向上」を課題と感じています。また、その対策としては、「保育者同士が学び合う園の風土づくり」「園内研修の内容の充実」、「保育者の給与面での処遇改善」を上位にあげています。
 少子化や働く母親の増加によって、乳幼児の成育環境として園が果たす役割はますます重要になっています。子ども・子育て支援新制度によって、待機児童の解消など、幼児教育・保育の「量」の拡大が重点的に進められてきました。さらに、現在進められている教育改革では、幼児期から「学びに向かう力・人間性等」を育むことが明記され、2018年に園の教育要領、保育指針が改訂(定)されました。2019年10月からは幼児教育・保育の無償化も始まっています。今後は「量」の拡大に加えて、園の教育・保育活動の「質」の向上がより一層求められると考えます。
 そのために、それぞれの園では、保育者同士の連携、学び合える風土づくり、学びの内容の充実を進める必要があります。あわせて、業務を見直し、効率化できる部分は効率化し、生まれた時間を保育者の資質の維持・向上に使う業務改革も必要です。一方、国や行政には多忙な園の自助努力のみに委ねるのではなく、保育者の資質を高めるための支援・施策が期待されます。未来を創る子どもたちのために、社会全体で乳幼児期の健やかな育ちを支える仕組みを整えることが求められています。


【調査概要】
◆名称 : 第3回幼児教育・保育についての基本調査
◆調査対象 : 日本全国の幼稚園、認可保育所、幼保連携型認定こども園の園長等*4,565名
*園長・所長・施設長、副園長(教頭)・副所長・副施設長、主任等、園の状況をよく知っている人に回答を求めた。
◆調査項目 : 環境・設備/保育者の状況/教育・保育目標/要領・指針への対応/教育・保育活動/子育て支援/保育者研修/保幼小接続/園の運営上の課題/保護者とのコミュニケーション等。
◆調査監修 分析担当
●調査監修:無藤隆(白梅学園大学大学院特任教授)/汐見稔幸(東京大学名誉教授・白梅学園大学学事顧問)/塩谷香(國學院大學教授)/荒牧美佐子(目白大学准教授)
●協力:佐久間貴子(株式会社ベネッセスタイルケア こども・子育て支援カンパニー長)/木村治生(ベネッセ教育総合研究所 主席研究員)
●企画・分析:高岡純子(ベネッセ教育総合研究所 主席研究員)/持田聖子(同研究所 主任研究員)/真田美恵子(同研究所 主任研究員)
 

※保育所は「認可保育所」、認定こども園は「幼保連携型認定こども園」を分析対象としています。
※保育所・認定こども園の設置形態について、公設民営は「私営」に分類しています。
 


●ベネッセ教育総合研究所のホームページからも、本資料と、調査結果をまとめた「速報版(レポート)」をダウンロードできます。
園の区分別の結果詳細は「速報版(レポート)」をご参照ください。本調査の監修者による解説も掲載されています。


https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=5444

 



【主な調査結果】
1.【保育時間が長時間に】幼稚園・保育所が開いている時間は2012年に比べて長時間化。私立・私営園のほうがより長い時間、開所する傾向がある。私立幼稚園の96.7%は「預かり保育」を実施しており、平均終了時刻は17時46分である。 

 


2.【多様な園児の受け入れが増加】障がいのある園児や特別に支援を要する園児がいる園は、国公立・公営園では9割前後、私立・私営園では7割~8割にのぼる。経年で増加しており、園では多様な子どもを受け入れている。 



3.【保育者の資質が最重要課題に】保育実践上、運営上の課題として、園長がもっとも強く感じている課題は、「保育者の資質の維持・向上」の93.7%(「とてもあてはまる」「まああてはまる」の合計%)。忙しいなかで多様な子どもを受け入れており、保育者により高いレベルの専門性が求められている。

※「とてもあてはまる」の降順で表示
※園の区分別の詳細は「第3回幼児教育・保育についての基本調査速報版」P.19参照
https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=5444


4.【必要な対策は、保育者同士が学びあう風土、園内研修の充実、処遇改善】保育者の資質向上に必要な対策として多くの園長があげるのは、「保育者同士が学び合う園の風土づくり」(38.9%)、「園内研修の内容の充実」(27.7%)、「保育者の給与面での処遇改善」(26.4%)である(16項目から3項目まで回答)。
 また、研修の内容でもっとも必要と考えられているのは、「特別な支援を必要とする子どもの理解や保育」(82.8%)である(「その他」を含む21項目から複数回答)。

※園の区分別の詳細は「第3回幼児教育・保育についての基本調査速報版」P.20参照
https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=5444

※複数回答
※幼稚園は国公立・私立計、保育所と認定こども園は公営・私営計の%
※園全体の降順で表示
※園の区分別の詳細は「第3回幼児教育・保育についての基本調査速報版」P.21参照 
https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=5444



 
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