津市とLIXIL、プラスチック資源循環の推進に関するパートナーシップ協定を締結
従来再資源化困難だった廃プラスチックの地産地消型資源循環システムを業界で初めて構築(※)
三重県津市と株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、「カーボンニュートラルの実現に向けたプラスチック資源循環の推進に関するパートナーシップ協定」を本日締結しました。

■協定締結の背景
津市は、2022年に「津市地域脱炭素宣言」を行い、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロの達成に向け、資源循環、省エネルギー・蓄エネルギーの推進、再生可能エネルギーの普及、森林環境保全などのさまざまな取り組みを実施しています。
津市はプラスチックの資源循環にも力を入れており、2024年度からは、家庭から排出された容器包装プラスチック以外の「その他プラスチック」のリサイクルを開始しています。一方で、市内で回収される容器包装プラスチックは年間約3,600tにのぼり、その約40%が焼却処分されています。
LIXILは、世界中の人びとの住まいと暮らしを支えるメーカーとして、責任ある資源の使い方を推進するとともに、日々の困りごとや社会課題を解決するイノベーションを追求しています。中でも、廃プラスチックが生み出す社会課題に取り組むために開発されたのが、循環型素材「レビア」です。「レビア」は、これまで再資源化が困難とされ、焼却や埋め立てによって処理せざるを得なかった複合プラスチックをはじめとするほぼすべての種類の廃プラスチックと、廃木材を融合した循環型素材です。従来は焼却・熱回収されていた資源を再利用する独自技術により、「レビア」1tあたり約80%のCO₂排出量の削減(※1)につながります。
※1 レビア1tの製造工程で排出されるCO₂排出量と、同量のレビアに使われる廃プラスチックや廃木材が焼却処理された場合のCO₂排出量を比較
2024年12月から、LIXILは津市にある久居工場にて、この「レビア」の量産化をスタートしており、津市とプラスチック資源循環について連携することで、資源の地域内循環の一歩と考え、今回のパートナーシップ協定締結に至りました。
■協定締結の目的と内容
今回のパートナーシップ協定では、津市が市内の家庭で排出された容器包装プラスチックごみ等を供給、LIXILが循環型素材「レビア」の原材料として製品化します。プラスチックの再資源化に取り組むことで、津市における持続可能な循環型社会の形成を推進し、カーボンニュートラルの実現に貢献することを目的としています。供給された容器包装プラスチックごみ等は、市内のLIXIL久居工場で循環型素材「レビア」としてマテリアルリサイクルされ、廃プラスチックの地産地消型資源循環システムの構築を推進します。

【具体的な取り組み内容】
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津市内の家庭から排出された容器包装プラスチックごみ等を、製品の原料としてLIXILに供給
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LIXILは供給された容器包装プラスチックごみ等から不純物を取り除き、循環型素材「レビア」の原材料に使用
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津市が希望する場合、公共施設整備等の事業において、提供した容器包装プラスチックごみ等を原材料にしたレビア等の製品の使用などに協力
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津市におけるプラスチックの再資源化の推進に必要な、情報収集・共有、広報・普及・啓発活動で連携
※2025年2月末時点、LIXIL調べ
<参考資料>
■LIXILの環境戦略
LIXILの環境戦略「水の保全と環境保護」は、地球環境の改善に貢献を目指した環境ビジョン2050「Zero Carbon and Circular Living (CO₂ゼロと循環型の暮らし)」を掲げています。その3つの重点領域に「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」を定め、生産拠点や事業所、営業拠点における活動である「事業プロセス」から、ユーザーやビジネスパートナーとの関わり、革新的技術の製品の提供とそのライフサイクル全体を含む「自社バリューチェーン」、そして未来の暮らし、社会、環境を捉えた価値を創造する「インパクトの拡大」に取り組んでいます。
FYE2023には、経営の優先課題に「環境戦略の事業戦略への統合」を追加し、活動を加速させています。FYE2024には、LIXILは日本の建材業界で初めて長期目標「2050年までにCO₂排出量実質ゼロ」のSBTネットゼロ認定を取得しています(基準年:2019年3月期)。
LIXILの環境戦略について
https://www.lixil.com/jp/impact/environment/environment_detail.html
インパクト戦略について
https://www.lixil.com/jp/impact/strategy/impact_strategy.html
■循環型素材「レビア(revia)」
LIXILでは、多種多様なプラスチックを選別することなく、異なる素材を一括して細かく粉砕、押出成形する技術を確立したことで、複合プラスチックなどの再資源化が難しいと考えられてきたほぼすべての廃プラスチックを、原料として有効利用することを実現しました。レビア1tの製造工程で排出されるCO₂排出量と、同量のレビアに使われる廃プラスチックや廃木材が焼却処理された場合のCO₂排出量を比較すると、82%(1.93t)のCO₂排出量の削減につながります。(算出プロセスについては第三者機関認証取得済み)
廃プラスチックから新たな価値を生み出すレビアは、再資源化率の低さや使用後の廃棄による環境汚染といった世界的な廃プラスチックの課題に対応し、循環型社会の実現に向けた一翼を担う素材となります。
<循環型素材「レビア」スペシャルサイト>https://www.lixil.co.jp/lineup/s/revia/
About LIXIL
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約53,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2024年3月期に1兆4,832億円の連結売上高を計上しています。
LIXILグローバルサイト:https://www.lixil.com/jp/
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