哲学史上、最も難解な名著を平易に読み解く『NHK「100分de名著」ブックス カント 純粋理性批判 答えの出ない問いはどのように問われるべきか?』8月25日発売
近代哲学の最高峰が、手に取るようにわかる!
『純粋理性批判』は、18世紀に活躍したドイツの哲学者、イマヌエル・カント(1724~1804)が書いたもので、数ある哲学書のなかでも最高難度ともいわれています。本書は、2020年6月にEテレで放送された「NHK100分de名著 カント『純粋理性批判』」のテキストを、哲学者の西研(にし・けん)さんがよりわかりやすくなるよう加筆・修正し、新たにブックス特別章「なぜ認識論は必要なのか?」、読書案内などを収載したものです。
神の存在や世界の始まりを問うてきた西洋哲学の伝統をことごとく破壊し、新たな形で再生させてみせた史上最大の古典『純粋理性批判』。私たち人間は何を認識し得るのか? ア・プリオリとは何か? 人間に備わる悟性とは? 西洋哲学の最重要古典をこのうえなく平易に解説する、入門書の決定版です。
『NHK「100分de名著」ブックス カント 純粋理性批判 答えの出ない問いはどのように問われるべきか?』内容
【目次】
はじめに 哲学の歴史を書き換えた一冊
第1章 近代哲学の二大難問
第2章 科学の知は、なぜ共有できるのか
第3章 宇宙は無限か、有限か
第4章 自由と道徳を基礎づける
ブックス特別章 なぜ認識論は必要なのか?
カント哲学を読むためのキーワード集
読書案内
あとがき
【本書 「はじめに 哲学の歴史を書き換えた一冊」より一部抜粋】
カントの『純粋理性批判』は、哲学の問い方を変え、哲学の歴史を変えた本です。しかし冒頭で述べたとおり、おそろしいほどの大部で、非情なまでに読みにくい。ページをめくると「悟性」「現象界」「ア・プリオリ」「超越論的」「アンチノミー」等々、難解な用語が次々と飛び出してきて、心が折れそうになるかもしれません。
ですが、安心してください。『純粋理性批判』に限った話ではありませんが、哲学書を読むときは、それが何のために書かれたのか、つまり著者の問題意識を理解することが大切です。とくに『純粋理性批判』のような大部の本は、一つひとつの言葉の意味や細かい議論に入り込むと、かえってわからなくなります。問題意識は何か、著者がそれにどう答えようとしているかという「大きな道筋」に着目し、わからないところは読み飛ばすくらいのつもりで取り組むことをおすすめします。
本書でも、カントの問題意識と答えのエッセンスを、ポイントを絞って解説していきます。第1章は、カントが直面した近代哲学の二大難問について解説し、それに答えるべく彼が展開した認識論を概観します。その認識論を前提として、カントが自然科学をどのように基礎づけたのかを第2章で、究極真理を求める問いをどう始末したのかを第3章で解説します。最後の第4章では、科学が答えてくれない生き方の問題に対して、カントがどのように答えたかを見ていくことにしましょう。
ときにはイラストを用いて、わかりやすく説明するように心がけました。また、巻末には「カント哲学を読むためのキーワード集」を付しました。もしカントの深い森に迷い込んだら、そちらも参考にしてください。
先行き不透明な時代に何を信じ、どう生きていけばいいのか。AIやビッグデータ全盛の時代に、「考える」ことにどんな意味があるのか。カントの徹底した思索を通じて、皆さんと一緒に探求していきたいと思います。
著者情報
西 研(にし・けん)
哲学者。1957年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。京都精華大学助教授、和光大学教授を経て、東京医科大学教授(~2023年3月)。主な著書に『ヘーゲル・大人のなりかた』(NHKブックス)、『哲学は対話する』(筑摩選書)、『しあわせの哲学』(NHK出版学びのきほん)など多数。
商品情報
書名:NHK「100分de名著」ブックス カント 純粋理性批判 答えの出ない問いはどのように問われるべきか?
著者:西 研
出版社:NHK出版
発売日:2023年8月25日
定価:1,210円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:192ページ
ISBN:978-4-14-081943-2
URL⇒https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819432023.html
Amazon⇒https://www.amazon.co.jp/dp/414081943X
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像