ユニセフ、保健システム危機のイエメン全土で保健支援キャンペーン 【プレスリリース】
60万人以上の5歳未満児に支援届ける
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は https://bit.ly/2cFBOxa からご覧いただけます。
※本信に関連する動画・画像素材はhttp://uni.cf/2dhmR77 からダウンロードいただけます。
【2016年9月28日 サヌア(イエメン)発】
紛争が今も続くイエメンで、ユニセフ(国連児童基金)とパートナーは、女性と子どもの命を守るために重要な保健・栄養支援を届けるアウトリーチ・キャンペーンを実施しました。
このキャンペーンは9月24日から29日までイエメン全土で実施され、60万人以上の5歳未満児と18万人の妊婦および授乳期の母親に、保健・栄養分野の様々な支援が届けられました。これらの支援には、予防接種、ビタミン補給、虫くだしの投与、栄養不良状態の検査、子どもの感染症治療、女性への産前産後ケアが含まれます。
3万4,000人以上の保健員が、監督するスタッフ880人のサポートのもと、国内の333の地区を手分けして訪れました。保健員たちは、1万台以上の車と、オートバイやロバなどの交通手段を用いて、あるいは、自らの足で長距離や険しい道のりを歩いて各地に赴き、子どもたちと女性に支援を届けました。
「私たちは、統合的なアウトリーチ支援を実施する回数を増やすとともに、支援対象の地理的範囲を国内の全地域に拡大しました。この結果、辿り着くことが最も難しく、特に紛争による影響が最も甚大なコミュニティに、医療支援を届けることができました」と、ユニセフ・イエメン事務所代表のジュリアン・ハーネスは述べています。
紛争によってイエメンの保健・栄養システムは壊滅的な被害を受け、何百万人もの子どもと女性の命が危機に晒されているため、このキャンペーンは非常に重要な時期に実施されました。
「保健システムが危機的状況にあるなかで、このようなアウトリーチ・プログラムは助けにはなるものの、長期的に持続可能なものではありません。アウトリーチ・キャンペーンの実施だけでは、この人口の医療ニーズには対応しきれません。保健システムの復旧が、緊急に求められています」(ハーネス代表)
イエメン保健省は先日、プライマリ・ヘルスケア・システムを運用するための基本的な費用が賄えなくなった、と発表しました。このことは、薬を店舗から遠隔地の診療所に届けるといった医薬品の運搬ができなくなること、動力となる燃料や電気の供給が途絶え、温度変化に弱いワクチンや薬を保存するための冷蔵庫が使えなくなること、そして、診療所で明かりを灯せなくなることを意味します。
イエメンで危機的な状況にある子どもの数は、驚くべきものです。2,500万人が下痢になる恐れがあり、1,300万人が急性呼吸器感染症に感染する恐れがあります。また、1,500万人が栄養不良状態、37万人が重度の急性栄養不良状態に陥っています。
ユニセフは支援を拡大し続けていますが、人道的支援のニーズは膨大です。1月以降、ユニセフは、子ども4,600万人以上にポリオの予防接種、子ども13万3,000人以上に重度の急性栄養不良に対する治療ケア、そして、16万8,000人以上の妊婦および授乳中の母親に対して、赤ちゃんや自身のケアについての啓発を含む、妊娠期と産後に必要な支援を提供しました。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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