ガラパゴス化する日本の小売市場、業界の過去・現在・未来を俯瞰した決定版『小売ビジネス』刊行
日本の小売業界はどこへ向かうのか? 変革期の生存戦略とは?
ビジネス書や実用書を中心に出版する株式会社クロスメディア・パブリッシング(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:小早川幸一郎)は、2025年4月25日に書籍『小売ビジネス』を刊行します。

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本書は、流通アナリストとして活躍する中井彰人氏とデロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社の主任研究員である中川朗氏による共著で、日本の小売業界の特殊性と変革の歴史から未来を予測する一冊です。日本型食品スーパーの成り立ちから、チェーンストアの栄枯盛衰、専門店の台頭、ECの進化、インバウンド需要、物流システム、DXの最前線まで、小売業界を多角的に分析し、人口減少時代における小売業の生存戦略を提示しています。
●本書にぴったりの方
- 小売業界に就職・転職を考えている方
- 小売業界で働いている方
- 小売業界と取引のあるメーカーや卸売業の方
- 小売業界に投資している投資家の方
- 小売業界の動向に関心のある経営者・ビジネスパーソン
- 日本の流通構造について学びたい学生・研究者
●日本の小売業界はガラパゴス化している? その特殊性と背景を解説
日本の小売業界は、世界的に見ても非常に特殊な発展を遂げてきました。本書では、その独自性の背景を「日本型食品スーパーを生んだ魚食文化」「そうは問屋が卸さない」「レールサイド、ロードサイド二重構造の国」など、興味深い切り口で解説しています。例えば、日本の食品スーパーが店内でインストア加工を行う仕組みは、鮮度を重視する日本の消費者ニーズに応えるために発展したものですが、これが労働集約的な店舗運営を要とし、欧米のような大手小売業による寡占化が進まない要因となりました。また、日本特有の多層構造の流通システムは、多様な中小メーカーが生き残る環境を作り出し、消費者に多様な商品選択肢を提供してきました。こうした日本の小売業界の特殊性を理解することは、今後の業界動向を予測する上で不可欠な視点となります。
●小売業界の栄枯盛衰から学ぶ生存戦略
1960年代から現在に至るまでの小売業界の変遷を詳細に分析しています。高度成長期に登場したチェーンストア、バブル崩壊後の金融危機による大再編、専門店の台頭など、時代の変化とともに小売業界がどのように変化してきたかを解説しています。
特に注目すべきは、かつて業界を牽引していた総合スーパーが衰退し、専門店チェーンが台頭してきた背景です。モータリゼーションの進展により、消費者の買い物行動が大きく変化し、それに対応できた企業が生き残りました。イオンの「大黒柱に車をつけよ」という家訓に象徴されるように、環境変化に対応できる企業こそが小売業界で生き残る条件であることが明らかにされています。

●変化対応力から学ぶ小売専門店の世界
家電量販店、ホームセンター、アパレル、アウトドア、家具インテリア雑貨など、各専門店チェーンの戦略と変化対応力を分析しています。市場飽和で踊り場を迎えた家電量販店、新築戸建て市場縮小で差別化を目指すホームセンター、ファストリに敗れたアパレル業界など、各業界の現状と課題を明らかにしています。
特に注目すべきは、ニトリの成功事例です。家具インテリア雑貨の覇者となったニトリは、「製造物流IT小売業」を実現し、自社企画した製品を海外生産することでコスパの高い商品を提供するだけでなく、「置き在庫」をなくし、1階売場に家庭用雑貨を取り揃えることで来店頻度を高めるという戦略で圧倒的な競争力を築きました。
●ネットスーパーから学ぶECの世界
日本のEC化率はわずか9.8%(2023年度)と意外に低く、特に食品分野では4.3%にとどまっています。本書では、この現状を分析し、ネットスーパーの黒字化モデルやクイックコマースの挑戦、デジタルによるリアルの追究、越境ECの可能性と課題について詳細に解説しています。
特に注目すべきは、コロナ禍を経て進化したネットスーパーの取り組みです。西友やイオンのGreen Beansなど、各社は「信頼」の獲得と「ブランド」の確立に注力し、生鮮品の品質と鮮度にこだわったサービスを展開しています。日本の社会構造変化を背景に、ネットスーパーのニーズは今後さらに高まると予測されています。その他、テクノロジーの観点などからも分析しています。
【本書の構成】
はじめに 2000年の小売トップ企業は2024年にどうなっているのか?
第1章 近現代史から学ぶ日本市場のガラパゴスな世界
第2章 チェーンストアから学ぶ小売の栄枯盛衰の世界
第3章 食品ディスカウンターに学ぶ覇権争いの世界
第4章 変化対応力から学ぶ小売専門店の世界
第5章 ネットスーパーから学ぶECの世界
第6章 インバウンド需要から学ぶアウトバウンドビジネスの世界
第7章 メーカーと問屋から学ぶ物流システムの世界
第8章 データから学ぶ小売DXの世界
第9章 最新テクノロジーから学ぶ未来の小売世界
おわりに 小売の細部に神が宿る!
●著者紹介
中井彰人(なかい・あきひと)
㈱nakaja lab 代表取締役/中小企業診断士
早稲田大学法学部卒業。みずほ銀行産業調査部退職後、2016年独立。流通アナリストとして活動中。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務めつつ、新聞社、テレビ局、出版社などマスコミ各社に寄稿、知見提供、出演多数。東洋経済オンライン、プレジデントオンライン、ダイヤモンドDCS、新潮フォーサイト、ITmedia等にて月刊連載中。東洋経済オンラインアワード2023(ニューウェーブ賞)受賞。著書として『図解即戦力 小売業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社 2021)がある。
中川朗(なかがわ・あきら)
デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
DTFA Institute主任研究員
大阪大学大学院文学研究科文化表現論修了。シンクタンク、金融機関などで産業調査・国内消費の分析業務に従事。みずほ銀行産業調査部では小売・消費財産業のアナリストとしてサブセクターヘッドを担う。北海道から沖縄、海外は韓国・香港まで幅広く、大手流通や専門店、卸、EC、テック企業を調査。消費の構造変化と企業戦略について産業調査レポート・記事を執筆。2025年5月設立されるデロイトトーマツ戦略研究所に参画予定。
●書籍情報
『小売ビジネス』

著者:中井彰人/中川朗
定価:1,848円(本体1,680円+税10%)
発行日:2025年5月1日
ISBN:9784295410874
発行:クロスメディア・パブリッシング
発売:インプレス
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