【「法」を知るための画期的な図鑑、誕生!】社会を生きる私たちに必須の「法」が分かりやすい入門図鑑に。『法の歴史大図鑑』、10月17日発売。
世界800万部超の大ロングセラーシリーズ「世界を知る新しい教科書」最新刊。時代とともに社会そのものや、社会の理想を映し出す「法」の世界へようこそ。
株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)は、イギリスDK社による大人気教養シリーズの一冊『法の歴史大図鑑 世界を知る新しい教科書』(原題:The Law Book)を、2024年10月17日に発売します。日本語版監修者は、一橋大学教授の屋敷二郎氏です。
『法の歴史大図鑑』は、法の起源から最新の法まで、4000年の歩みをたどりながら、法における歴史的なビッグ・アイデアの数々を紹介し、それらがいつ、どこで、どのように規定され施行されたのかを平易な言葉と図版で解説した、画期的な「法」の入門図鑑です。
そもそも「法」には難しそうな印象や私たちの行動の自由を制限するようなネガティブな印象がありますが、実は私たちの暮らしとは切ってもきれない関係にあります。
「法」は、人間が社会において人間らしく生きることとは何か、人間の幸せとは何かについて、時代時代の思想家や政治家が深く探究して成文化し、ルール化してきたものです。長い間、社会環境の変化や時代の要求に応じて、「法」は新しく規定されたり修正がなされてきました。
法は、単に社会構成員の行動を律する規則体系として存在しているわけではない。法の豊かな複雑さは、その歴史、その制定と施行の経緯、その機能、その運用方法、その効力に由来している。
(本文「イントロダクション」より)
本書では、全7章に時代を分割した上で、おおよその年代順に、法に影響を与えた重要な思想や出来事の一部を紹介していきます。
第1章 法の始まり 紀元前2100年〜西暦500年
第2章 中世の法 500年〜1470年
第3章 帝国と啓蒙思想 1470年〜1800年
第4章 法の支配の台頭 1800年〜1945年
第5章 新たな国際秩序 1945年〜1980年
第6章 現代の法 1980年〜現在
各項では、「法」を知る上で重要な思想や出来事を取り上げ、基本的に見開き単位で紹介していきます。取り上げられる法は、それを象徴するタイトルと「法」の名前を大見出しとし、まずは歴史的背景や施行後の社会がどう変わったのかを記載。本文にあたる部分では、法成立の経緯や法の内容について解説します。項によっては実際に起きた事件を例に、法の運用についても紹介しています。ほか、法制定の舞台を象徴する図版、ポイントをつかむための図表、思想家や政治家による金言など、理解を助ける多数の項目がカラフルに構成されており、図鑑としての分かりやすさも実現しています。
『法の歴史大図鑑』は、古くは紀元前2100年頃にメソポタミア文明で最古の法典が発布されてから、現在の環境問題や同性婚、ネット社会における法整備に至るまでの法の連なりを見ていくことは、単に法や思想の歴史を知ることだけではありません。法や思想を生んだ各時代の社会的・政治的風土を知ることができ、法や思想が当時の人々が生きた社会やその後の社会を形成するうえでどのような役割を果たしたのかについても理解することができます。そして本書は、現在を生きる私たちが、複雑化する現代社会を理解するために本当に必要な法の知識を得ていくためのきっかけとなるはずです。
■読者対象は中学生から
2022年より高等学校公民科の必修科目となった「公共」。法と政治・経済の幅広い課題を扱ったこの科目のサブテキストとして本書は最適です。大学で法を志す関心のある学生にとっても格好の入り口となります。
また、中学校社会科の「公民」は現代の社会がどのような仕組みで動いているのかを知るための教科ですが、この教科で考えるさまざまな課題の解決や、選択・判断をする際に必要な多面的・多角的な視点を得るためにも本書は適しています。さらに、楽しみながら法の歴史を知ることで、当時なぜその法が必要とされたのか、当時の社会になにをもたらしたかについて興味を持つこととなり、さらには現代社会においても現行の法がなにをもたらしているかを考察する能力を涵養していくことに役立ちます。
中学生や高校生、大学生から、社会が抱える問題について広く関心がある大人まで、また、朝ドラ『虎に翼』で法にはじめて興味を持った方々にも、おすすめの一冊です。
■本書の特長
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世界最古の法から現代まで全101項目、押さえておくべき主要トピックを時系列で網羅。
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カラフルな図・チャート・写真とわかりやすい説明で入門書として最適。
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「忘れられる権利」、男女同一賃金……グローバルな現代社会が要請する最新の法まで紹介。
■日本語版監修・屋敷二郎氏(一橋大学教授)からのメッセージ
「社会あるところ法あり(Ubi societas, ibi ius)」
人類史において、法は常に社会とともにあった。
法は、あるときは支配のための道具として、あるときは自己を守る武器として、あるときは揉めごとを避ける手段として、またあるときは進路を示す導きの星として生み出され、人類とともに歩んできた。
法は、そのときどきの社会にあるべき姿を示す鑑であり、そのときどきの社会のあり様を映し出す鏡でもあった。
法を知ることは、その社会を深く知ることである。
法の歴史を学べば、現代世界をその成り立ちから深く理解することができる。
さあ、法の歴史をたどる4000年の旅に出発しよう。
■木村草太氏(憲法学者)からの推薦のことば
「法って何?」と思ったなら、法の歴史をたどってみよう!
楽しく明快にビジュアル化した本書から、今まで知らなかった「法の底力」が見えてきます。
■本文より
■目次
イントロダクション
第1章 法の始まり紀元前2100年〜西暦500年
正義の言葉を守る(初期の法典)/これを汝にとっての永遠の法とせよ(十戒とモーセの律法)/天の命令(中国の周王朝)/海洋法(ロード海法)/正しい統治の技術(儒教、道教、法家の説)/本件は法によって拘束される(十二表法)/法は統治者の主人である(プラトンの法)/真の法とは正しい理性である(アリストテレスと自然法)/人は不法に損害を与えたことへの責任を負う(アクィリウス法)/カーストの神聖な法(『実利論』と『マヌ法典』)/我々は正義という徳を身につける(法学者ウルピアヌス)/正義、真実、平和(ミシュナとタルムード)/正しさの道を歩む(カノン法の起源)
第2章 中世の法 500年〜1470年
神は公正な裁判官か?(神明裁判と決闘裁判)/神の法と導き出された道(コーラン)/1ヤードの土地も残らず記録された(ドゥームズデイ・ブック)/告発は繰り返されてはならない(グラティアヌスの『教令集』)/真実を語れ(クラレンドン法)/我々はいかなる者に対しても、権利や裁判を否定したり、先延ばしにしたりしない(マグナ・カルタ)/すべての法は公共の利益のために定められる(トマス・アクィナス)/商人の手引き(レクス・メルカトリア)
第3章 帝国と啓蒙思想 1470年〜1800年
あらゆる独創的な装置の保護(ヴェネツィア特許法)/極地から極地への境界線(トルデシリャス条約)/すべての統治者は貧困者を守るべきである(救貧法)/平和は輝かしく、有益である(グロティウスの『戦争と平和の法』)/そなたの重大な過ちと罪(ガリレオ・ガリレイの裁判)/国際関係史の転換点(ウェストファリア講和)/暴君、反逆者、殺人者(チャールズ1世の裁判)/すべての奴隷は物的財産として保有されるべきである(奴隷法)/臣民の権利と自由(名誉革命とイングランドの権利章典)/汝、魔女を生かしておくべからず(セイラム魔女裁判)/著者は印刷の独占権を有するものとする(アン法)/諸国家からなる大きな社会(ヴァッテルの『国際法』)/コモン・ロー史上最も重要な書(ブラックストンの『釈義』)/この憲法は、国の最高法規であるものとする(アメリカ合衆国憲法と権利章典)/人は、自由、かつ、権利において平等なものとして生まれ、生存する(人権宣言)
第4章 法の支配の台頭 1800年〜1945年
憲法の下の正義(連邦最高裁判所と違憲審査)/すべてのフランス人は私権を享有する(ナポレオン法典)/抑圧されていた人々を解放しよう(奴隷貿易廃止法)/純粋性、活動、警戒、用心(首都警察法)/賭博目的の契約はすべて無効とする(賭博法)/同胞を傷つけてはならない(動物虐待防止法)/損害賠償は公正に考慮されるべきである(ハドレー対バクセンデール事件)/この本のなかの女性を誰が非難できようか?(ボヴァリー夫人裁判)/命を奪うことは、復讐であって正義ではない(死刑廃止)/戦争にも規則がある(ジュネーヴ諸条約)/全労働者の権利(労働組合法)/北欧諸国は一本の樹木の枝である(スカンジナビア協力)/旧来の弊習は破られねばならない(五箇条の御誓文)/それは忌まわしき好奇心のためではなく、正当と認められる(「生体解剖法」)/国家は産業の犠牲者を保護する(労働者災害保険制度)/緊急避難は殺人を正当化できない(ダドリーとスティーブンス事件)/我々のいる場所が我々の財産である(セントキャサリンズ・ミリング事件)/自由な競争(シャーマン反トラスト法)/戦争に関する法、権利、義務(ハーグ条約)/別個の法人格(サロモン事件)/工場は、文字通り死の空間である(トライアングル・シャツウェスト工場火災)/独占との戦い(連邦取引委員会)/違法証拠は毒樹の果実である(違法収集証拠排除法則)/権力とは投票である(国民代表法)/働かざる者食うべからず(ロシア憲法)/我々が望むのは公正な平和である(ヴェルサイユ条約)/注意義務(ドナヒュー対スティーブンソン事件)/武器は規制されなければならない(連邦銃器法)/民主主義から独裁政治へ(ニュルンベルク法)
第5章 新たな国際秩序 1945年〜1980年
新たな悪は、新たな解決策を必要とする(ニュルンベルク裁判)/ジェノサイドは人道法違反である(ジェノサイド条約)/より良い世界の設計者たち(国際連合と国際司法裁判所)/より安全な世界(インターポール)/すべての人は法の前で平等である(世界人権宣言)/自由および安全に対する権利(欧州人権条約)/比類なき権限を有する裁判所(欧州司法裁判所)/姉妹国家は共に成長を遂げてきた(ヘルシンキ条約)/戦争の影から遠ざかろう(部分的核実験禁止条約)/私の子どもたちが肌の色で判断されることのないように(公民権法)/黙秘する権利(ミランダ対アリゾナ事件)/自由、正義、平和の基礎(市民的及び政治的権利に関する国際規約)/非難合戦を終わらせる(無責離婚(破綻主義))/証人の安全と福祉(連邦証人保護プログラム)/女性の決定権(ロー対ウェイド事件)/動物の命ほど価値あるものはない(絶滅危惧種法)
第6章 現代の法 1980年〜現在
無限の価値、そして脅威(生物圏保護区世界ネットワーク)/それは正義にとって、星を眺める望遠鏡のようなものである(DNA型鑑定)/不正行為の監視役に権限を与える(公益通報者保護法)/我々は共に乗り越えてきた。我々は共に乗り越えていく(障害のあるアメリカ人法)/化学兵器のない世界(化学兵器禁止条約)/万人の利益のために貿易を開放する(世界貿易機関)/生命はいつ始まるのか?(ディッキー・ウィッカー修正条項)/すべての親は知る権利を有するべきである(ミーガン法)/創造性がフィールドだとするならば、著作権はフェンスである(WIPO著作権条約)/地雷は平和になっても気づかない(対人地雷禁止条約)/犯罪者ではなく患者として扱う(ポルトガルの薬物戦略)/結婚はすべての人に開かれたものであるべきだ(同性婚)/慈悲は犯罪ではない(安楽死)/全人類の大義(国際刑事裁判所)/ドーピングはフェアプレーを破壊する(スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約)/気候変動との闘い(京都議定書)/それは、人々を不利にするスポーツである(八百長対策タスクフォース)/忘れられる権利(グーグル・スペイン対AEPDおよびマリオ・コステハ・ゴンザレス)/自由で開かれたインターネット(オープン・インターネット命令)/これはお金の問題ではない。平等の問題である。(同一賃金認証法)
要覧/用語集/索引/タイトル引用出典/図版出典
■著者紹介
[編集顧問/代表執筆者]ポール・ミッチェル (Paul Mitchell)
イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの法学教授。専門は法史、ローマ法、義務に関する現行法。著書にThe Making of the Modern Law of Defamation、A History of Tort Law 1900-1950などがある。また、Chitty on Contacts、Goff and Jones on Unjust Enrichmentの編集にも携わっている。
■日本語版監修者紹介
屋敷二郎(やしき・じろう)
一橋大学副学長(グローバル連携)。法学研究科教授。専門は西洋法制史。著書に『フリードリヒ大王 祖国と寛容』(山川出版社)、共著書に『教養としての法学・国際関係学』(国際書院)、『よくわかる西洋法制史』(ミネルヴァ書房)、監訳書にピーター・スタイン『ローマ法とヨーロッパ』(ミネルヴァ書房)など。
■訳者紹介
湊麻里(みなと・まり)
翻訳家。訳書にトラビス・エルポラフ、マーティン・ブラウン『世界から消えゆく場所 万里の長城からグレート・バリア・リーフまで』、キンドラ・ホール『心に刺さる「物語」の力─ストーリーテリングでビジネスを変える』、クリスティン・ネフ『自分を解き放つセルフ・コンパッション』など。
■書誌情報
シリーズ:世界を知る新しい教科書
書名:法の歴史大図鑑
著者:ポール・ミッチェルほか
日本語版監修:屋敷二郎
訳者:湊麻里
仕様:A4変型判/上製角背/336ページ
初版発売日:2024年10月17日
定価:5478円(本体4980円)
ISBN:978-4-309-23156-3
□「世界を知る新しい教科書」シリーズ・好評既刊
『生物学大図鑑』
装い新たに刊行開始! 英DK社の超人気教養シリーズ第一弾。平易な文章と充実の図表で、苦手な人にもわかりやすく、生物学の主要分野を網羅。高校・大学の授業、大人の学び直しにも最適!
著者名等:メアリ・アージェント=カトワラほか著/左巻健男監修/黒輪篤嗣訳
仕様:A4変型/上製/336ページ
発売⽇:2023年10月27日
税込定価:5,390円(本体4,900円)
ISBN:978-4-309-70541-5
『数学大図鑑』
英DK社の超人気教養シリーズ。数学者たちが数学と格闘してきた歴史をたどり、問題に気づく面白さ、解くことの美しさ、そして、現代社会における数学分野の貢献についてわかりやすく解説。
著者名等:カール・ワルシほか/竹内薫日本語版監修/日暮雅通訳
仕様:A4変型/上製/352ページ
発売⽇:2024年9⽉12日
税込定価:5,390円(本体4,900円)
ISBN:978-4-309-25469-2
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