川崎病の特定臨床研究の参加者を募集
患者さんにあわせて「治療薬を使い分ける指標」を探る
川崎病は1歳から4歳の子どもに多く見られる病気で、日本では年間約15,000人が発症しています。全身の血管に炎症を起こすことで、5日以上続く発熱、発疹、目の充血などの症状が現れます。免疫を調節する「免疫グロブリン(以下、IVIG) 」の点滴が有効ですが、約20%の患者さんには効きにくく、冠動脈瘤などの重大な合併症が生じるリスクがあります。
当院は、IVIGが効きにくく、冠動脈瘤のリスクが高い患者さんの治療開発のために医師主導治験を実施し、2020年に免疫抑制剤である「シクロスポリンA(以下、CsA)」の保険適応を取得しました。しかし、IVIGの効きにくい患者さんの予測が完全ではないため、最適な治療が行き届いていないことが課題となっています。
そこで、本研究では、川崎病の患者さんにIVIGとCsAを併用し、CsAが最も適した患者さんの特徴を確認することにより、複数の川崎病の治療薬を使い分ける指標の一部を明らかにします。
報道機関の皆様には、研究への参加者募集の周知にご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。
<参加対象者>
・川崎病と診断された月齢4か月以上15歳未満の方
・発熱から9日以内 など
<川崎病の主な症状>
・5日以上続く発熱
・両方の目の充血
・唇や舌が赤くなる
・色々な形の発疹
・手足が赤く腫れる
・首のリンパ腫が腫れる
<研究内容>
・採血、心エコー検査を受ける
・5日間入院し、IVIGを点滴。CsAとアスピリンを内服する
<参加方法>
クリニック等で川崎病と診断されたら、当院への紹介を希望してください。診断された日に入院になることが多いです。
【小児科 濱田洋通科長】
CsAは副作用が少なく、冠動脈瘤を抑制する効果が認められており、当院では2008年から研究を行ってきました。年間数名の子どもが冠動脈瘤による心筋梗塞等で亡くなっていますが、どんな子どもにCsAがより適しているかを見極められれば、冠動脈瘤をより抑制できると考えています。冠動脈瘤ゼロをめざして、参加呼びかけのご協力をぜひお願い申し上げます。
※研究の詳細
https://www.m.chiba-u.jp/dept/pediatrics/files/2316/9744/9756/2.pdf
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