建築物のホールライフカーボン削減に向けてLIXILとSchuecoが戦略的パートナーシップを強化
高性能アルミ窓の提供により、建築物の用途を問わず地域に最適な窓の普及へ
東京/独ビーレフェルト:株式会社LIXIL(以下 LIXIL)と、Schueco International KG(以下Schueco)は、ビジネスパートナーシップをより強化し、日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、建築物の生涯を通じたCO₂排出量であるホールライフカーボンの削減に貢献する取り組みを加速します。

ドイツに本社をおくSchuecoは、欧州各国の厳しい建築要件を満たすアルミサッシ、カーテンウォールなどを提供し、ヨーロッパを中心に事業を展開しています。2021年8月に、LIXILとSchuecoは、「窓」を中心としたソリューションを強化し、日本の環境課題に対応することを目的に、シューコー・ジャパン株式会社(以下 シューコー・ジャパン)を合弁会社化しました。シューコー・ジャパンでは、欧州で磨かれたSchuecoの先進的な技術と意匠性、LIXILの日本市場に関する知見やノウハウを融合させ、Schueco製品の優れた性能・品質を担保しながら、日本特有のニーズや課題、規格に対応する製品の展開を進めています。また、加工・組立・販売においてLIXILのネットワークも生かすとともに、同様の機能を持つファブリケーターを全国に擁することで、国内におけるサプライチェーンや事業基盤を強化してきました。
国際エネルギー機関(IEA)によると、世界のCO₂排出量のうち建設部門は約37%を占めています。国内外において脱炭素化への取り組みが加速する中、建築業界においても、資材調達から建設、解体に至るまでのホールライフカーボンの削減が注目されています。
また、日本政府は現在、一定規模以上の新築建築物の建築主や建設業者などに、ライフサイクルアセスメント(LCA)を通じて、ホールライフカーボンの算出を求める制度の検討を開始しています。欧州でも、欧州グリーンディール¹が発表され、2050年までにカーボニュートラルの実現が求められており、ドイツでは2040年までの達成を目指しています。こうした背景から、LIXILとSchuecoは戦略的パートナーシップをさらに強化し、両社の取り組みを加速させていきます。
具体的には、LIXILおよびシューコー・ジャパンにおいて、高性能アルミ窓「ASE60」や高性能カーテンウォール「FWS50.SI」といった、建築物の用途(住宅、マンション、ビル、店舗など)を問わずに採用可能で、断熱性や気密性・意匠性などに優れたSchuecoブランド製品の販売を本格的に開始します。これらのSchuecoブランド製品は、ドイツのパッシブハウス研究所が策定した非常に厳しい省エネ基準「パッシブハウス」認定や、グローバルな環境認証で資源の有効活用を推進する「Cradle to Cradle Certified®」²を取得しており、ホールライフカーボン削減に大きく寄与します。Schuecoは2016年から、製品のライフサイクル全体を考慮して、「Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごまで)」の設計理念に基づき、資源の循環利用に注力しており、95の製品がこの認定を取得しています。
加えて、最大障子サイズ(幅1.5mx高さ3.5m)の折れ戸「AS FD 90.HI」や、Uw値0.83の超高断熱ドレーキップ「AWS90 BS.SI+」(幅1.5m×高さ2.7m)など、特色あるSchuecoの断熱商品群を順次、日本市場に投入します。これにより、特にLIXILおよびシューコー・ジャパンが展開するビル建材につき、断熱性能の最高値が飛躍的に高まります。LIXILは、ビル向け建材につき、高性能なSchueco製品を含めたUw値1.9以下の高断熱製品の国内向け販売構成比率を2040年3月期までに50%へと引き上げることを目指すとともに、拡大するリノベーション市場向けに、さらなるSchueco製品の展開も検討します。
株式会社LIXIL 社長兼CEOの瀬戸欣哉は次のようにコメントしています。
「LIXILでは、自社だけでなく、ビジネスパートナーとの連携を通じて、環境や社会へのインパクト(良い影響)の創出に注力し、社会課題の解決とともに事業のさらなる成長を目指しています。LIXILはこれまで、LCAの観点から日本の地域の気候特性に合わせて効果的にCO₂排出量を削減する窓製品の普及を推進してきましたが、Schuecoとのパートナーシップ強化を通じて、建築物の用途を問わず、高断熱製品の提供をさらに拡大することができます。両社の知見・技術を融合させることで、脱炭素・循環型社会の実現に向け、国内における建築物のホールライフカーボン削減に貢献する取り組みを推進してまいります。」
Schueco International KG CEOのAndreas Engelhardtは次のようにコメントしています。
「Schuecoは、1960年から建物の外装における断熱システムの開発を牽引してきました。近年、ドイツではエネルギー効率を重視した規制が積極的に推進され、その結果として特に新築において、国際基準ですでに高いレベルのエネルギー効率を実現しています。Schuecoでは、既存の建物のエネルギー効率を高めるために、リノベーション用の高断熱ソリューションを含む製品ポートフォリオを拡大しています。Schuecoの製品を通じて、建築物のオペレーショナルカーボンの大幅な削減に取り組むと共に、世界のカーボンニュートラルの実現に向けて、Schuecoの製品を世界中の市場に提供していきたいと考えています。」
1 欧州グリーンディールは欧州連合の執行期間である欧州委員会が2019年に発表した、気候変動対策です。気候変動と環境悪化に対応し、EUにおいて、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにし、経済成長と資源利用を切り離し、どの地域も取り残さず、近代的で資源効率が高く、競争力のある経済に変革することを目指しています。
2「Cradle to Cradle Certified®」は、ドイツの環境保護促進機関(EPEA)が行っているグローバル環境認証。原材料の安全性、素材の再利用、再生可能エネルギーの使用、ウォーター・スチュワードシップ(水の責任ある管理)、社会的公正という5つのカテゴリーにおいて審査され、それらを総合的に評価し、製品に対して付与されます。
LIXILについて
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約53,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2024年3月期に1兆4,832億円の連結売上高を計上しています。
LIXILグローバルサイト:https://www.lixil.com/jp/
Schueco(シューコー)について
Schueco(シューコー)グループは、ドイツ・ビーレフェルトに本社を構え、アルミニウム、スチール、樹脂を用いた製品を開発・提供するシステムサプライヤーです。住宅から商業施設まで幅広く対応した窓、ドア、ファサード、日よけシェード、換気システム、防弾・防爆システムに加え、スマートハウス・ビル制御装置・ソフトウェアなどを開発・提供しています。また、初期構想から設計、製造、施工、そしてアフターサービスや保守管理に至るまで、建築におけるすべての段階を支えるデジタルツールやコンサルティングサービスを提供しています。世界中の12,000社以上のパートナー企業、お施主様/デベロッパー様、建築設計事務所様、ゼネコン/工務店様と共にプロジェクトを推進しながら、シューコーは持続可能な社会の実現に向けた取り組みも加速しています。製品とサービスを通じて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの推進、建設業界全体の脱炭素化に貢献します。1951年に創業したシューコーは、6,750名の従業員を擁し、80ヵ国以上で事業を展開しています。2023年に21.1億ユーロの売上高を計上しています。
詳細は公式ウェブサイトをご覧ください: www.schueco.com
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