【ファンケル】皮膚に存在する嗅覚受容体に関する新知見を確認
- 無添加アンチストレス研究の新たな展開 -
株式会社ファンケルは、無添加アンチストレス研究※を創業以来続けています。今回その中で、皮膚に存在する嗅覚受容体(嗅覚センサー)1)に関する3つの新知見を確認しましたので、お知らせします。本知見は、無添加アンチストレス研究における新たな展開で、さらなる発展が期待できるものと考えています。新知見は以下です。
1) 皮膚嗅覚受容体は、環境物質や防腐剤、紫外線、加齢により減少すること
2) 皮膚嗅覚受容体は、抗酸化・抗炎症の機能を高め、皮膚の防御機能に働くこと
3) 「シソ葉エキス」に、皮膚嗅覚受容体を増やす優れた効果があること
なお、皮膚嗅覚受容体の機能に関する研究成果は、第120回 日本皮膚科学会総会(2021年6月10日~13日 於:横浜)にて発表しました。
1) 皮膚嗅覚受容体は、環境物質や防腐剤、紫外線、加齢により減少すること
2) 皮膚嗅覚受容体は、抗酸化・抗炎症の機能を高め、皮膚の防御機能に働くこと
3) 「シソ葉エキス」に、皮膚嗅覚受容体を増やす優れた効果があること
なお、皮膚嗅覚受容体の機能に関する研究成果は、第120回 日本皮膚科学会総会(2021年6月10日~13日 於:横浜)にて発表しました。
<研究方法と結果>
【皮膚嗅覚受容体は環境物質を感知し、一時的に増えるが、さらし続けると減少する】
環境中に存在して肌ストレスの原因となる物質(花粉、環境汚染物質、ダニ排泄物)を表皮細胞2)に添加し、皮膚嗅覚受容体の変化を確認しました。添加した直後は、これら物質に反応して嗅覚受容体が一時的に増えましたが、長くさらされると減少しました(図1)。
この結果から、皮膚嗅覚受容体は環境物質を感知し、反応して増加しますが、さらし続けると減少して感知ができなくなると考えられます。
表皮細胞に、化粧品で一般的に防腐剤として使用されるメチルパラベンを添加して皮膚嗅覚受容体のタンパク質変化を確認しました。結果、メチルパラベンの添加によって、嗅覚受容体の量が減少しました(図2)。
これらの結果から、皮膚嗅覚受容体は加齢や皮膚への外的ストレスで減少することを見出しました。
皮膚嗅覚受容体の量の変化が、皮膚の機能にどんな影響を与えるかを調べるため、嗅覚受容体が少ない表皮細胞を作成し、皮膚の防御機能に関係する抗酸化因子と炎症で増加する炎症性サイトカインを測定しました。 結果、皮膚嗅覚受容体が少ない細胞では、抗酸化因子(NRF23))が減少する反面、炎症性サイトカイン(IL-84)など)が増える結果を得ました(図5)。
嗅覚受容体を少なくした表皮細胞では、抗酸化因子(NRF2)の遺伝子発現は減少し(グラフ左)、炎症性サイトカイン(IL-8)の遺伝子発現は増加した(グラフ右)。
【シソ葉エキスに皮膚嗅覚受容体を増やす優れた効果があることを発見】
さまざまな外的ストレスで減少する皮膚嗅覚受容体を増やすために、ヒトが心地良いと感じる成分を含む植物から広く探索しました。その結果、シソの葉から抽出したエキスに皮膚嗅覚受容体を増やす優れた効果を見出しました(図6)。
シソ葉エキスを添加した表皮細胞では、皮膚嗅覚受容体の遺伝子発現量が増加した。
<研究背景・目的>
肌を取り巻く環境の変化に伴い、環境中の物質によるストレス、ウイルス感染やマスクによる物理的ストレスなど、肌にとってストレスになる要因が増加しています。このような状況だからこそ、あらゆる外的ストレスを捉えていち早くそのストレスに対応できる強い肌を作ることが大切だと考えました。そこで、外的ストレスを感知できるセンサーが皮膚にも存在していないかと検討しました。鼻には「目に見えない、遠くにある危険なにおいを察知し、身を守る」という嗅覚受容体が存在します。今回その嗅覚受容体が皮膚にもあることに着眼し、嗅覚受容体と皮膚の防御機能との関連を調べ、3つの新知見が得られました。
<本研究成果による製品開発>
本研究で得られた成果は、これまでの当社の無添加アンチストレス研究の進化として、無添加による「ストレスを与えない」、スイートピー花エキスによる「ストレスを修復」に加え、皮膚嗅覚受容体(皮膚嗅覚センサー)による「ストレスを受ける前に防御」という徹底した皮膚へのアンチストレスを実現する画期的なコンセプトに応用できます。これまでの無添加アンチストレスに加え、皮膚嗅覚受容体(皮膚嗅覚センサー)を増やす「シソ葉エキス」を配合することにより、高い安全性と有効性を兼ね備えた、化粧品の開発につなげてまいります。
【用語説明】
1)皮膚嗅覚受容体(嗅覚センサー)(OR2AT4, OR51B5)
皮膚に存在する嗅覚受容体(嗅覚センサー)であり、鼻と同じ、におい分子に結合するタンパク質である。ヒトでは398種類の嗅覚センサーが存在するが、その中のOR2AT4とOR51B5は白檀のにおいを感知することが皮膚でも報告されており、皮膚細胞の増殖や分化との関連が分かっている。
2)表皮細胞
表皮を構成する細胞。基底層から押し上げられながら分化し、皮膚バリア機能に重要である。
3)NRF2(NF-E2-related factor 2)(遺伝子名:NFE2L2)
環境ストレスに応答して、生体防御遺伝子群の発現を制御する転写因子であり、皮膚内抗酸化因子の量を調節する。
4)IL-8(Interleukin-8)(遺伝子名:CXCL8)
さまざまな炎症や免疫疾患に関与する炎症性サイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質)の一種である。
※無添加アンチストレス研究
肌にストレスを与えない無添加化粧品には安心・安全だけでなく、素肌美に導く力があることを実証する研究(当社が言う無添加化粧品とは、防腐剤・香料・合成色素・石油系界面活性剤・紫外線吸収剤を使用していないことを指す)
【皮膚嗅覚受容体は環境物質を感知し、一時的に増えるが、さらし続けると減少する】
環境中に存在して肌ストレスの原因となる物質(花粉、環境汚染物質、ダニ排泄物)を表皮細胞2)に添加し、皮膚嗅覚受容体の変化を確認しました。添加した直後は、これら物質に反応して嗅覚受容体が一時的に増えましたが、長くさらされると減少しました(図1)。
この結果から、皮膚嗅覚受容体は環境物質を感知し、反応して増加しますが、さらし続けると減少して感知ができなくなると考えられます。
【皮膚嗅覚受容体は、防腐剤、紫外線、加齢で減少する】
表皮細胞に、化粧品で一般的に防腐剤として使用されるメチルパラベンを添加して皮膚嗅覚受容体のタンパク質変化を確認しました。結果、メチルパラベンの添加によって、嗅覚受容体の量が減少しました(図2)。
続いて、皮膚嗅覚受容体の紫外線や加齢に対する影響を調べました。皮膚組織に紫外線(200mJ/cm2)を連続3回照射し、組織中の皮膚嗅覚受容体を染色した結果、非照射に比べ、紫外線照射をした組織は明らかに減少していました(図3)。また、老齢の皮膚組織では若齢と比較し、皮膚嗅覚受容体の発現が減少します(図4)。
これらの結果から、皮膚嗅覚受容体は加齢や皮膚への外的ストレスで減少することを見出しました。
【皮膚嗅覚受容体は皮膚の抗酸化と抗炎症の機能に寄与する】
皮膚嗅覚受容体の量の変化が、皮膚の機能にどんな影響を与えるかを調べるため、嗅覚受容体が少ない表皮細胞を作成し、皮膚の防御機能に関係する抗酸化因子と炎症で増加する炎症性サイトカインを測定しました。 結果、皮膚嗅覚受容体が少ない細胞では、抗酸化因子(NRF23))が減少する反面、炎症性サイトカイン(IL-84)など)が増える結果を得ました(図5)。
図5 嗅覚受容体の機能評価
嗅覚受容体を少なくした表皮細胞では、抗酸化因子(NRF2)の遺伝子発現は減少し(グラフ左)、炎症性サイトカイン(IL-8)の遺伝子発現は増加した(グラフ右)。
【シソ葉エキスに皮膚嗅覚受容体を増やす優れた効果があることを発見】
さまざまな外的ストレスで減少する皮膚嗅覚受容体を増やすために、ヒトが心地良いと感じる成分を含む植物から広く探索しました。その結果、シソの葉から抽出したエキスに皮膚嗅覚受容体を増やす優れた効果を見出しました(図6)。
図6 シソ葉エキスの効果
シソ葉エキスを添加した表皮細胞では、皮膚嗅覚受容体の遺伝子発現量が増加した。
<研究背景・目的>
肌を取り巻く環境の変化に伴い、環境中の物質によるストレス、ウイルス感染やマスクによる物理的ストレスなど、肌にとってストレスになる要因が増加しています。このような状況だからこそ、あらゆる外的ストレスを捉えていち早くそのストレスに対応できる強い肌を作ることが大切だと考えました。そこで、外的ストレスを感知できるセンサーが皮膚にも存在していないかと検討しました。鼻には「目に見えない、遠くにある危険なにおいを察知し、身を守る」という嗅覚受容体が存在します。今回その嗅覚受容体が皮膚にもあることに着眼し、嗅覚受容体と皮膚の防御機能との関連を調べ、3つの新知見が得られました。
<本研究成果による製品開発>
本研究で得られた成果は、これまでの当社の無添加アンチストレス研究の進化として、無添加による「ストレスを与えない」、スイートピー花エキスによる「ストレスを修復」に加え、皮膚嗅覚受容体(皮膚嗅覚センサー)による「ストレスを受ける前に防御」という徹底した皮膚へのアンチストレスを実現する画期的なコンセプトに応用できます。これまでの無添加アンチストレスに加え、皮膚嗅覚受容体(皮膚嗅覚センサー)を増やす「シソ葉エキス」を配合することにより、高い安全性と有効性を兼ね備えた、化粧品の開発につなげてまいります。
【用語説明】
1)皮膚嗅覚受容体(嗅覚センサー)(OR2AT4, OR51B5)
皮膚に存在する嗅覚受容体(嗅覚センサー)であり、鼻と同じ、におい分子に結合するタンパク質である。ヒトでは398種類の嗅覚センサーが存在するが、その中のOR2AT4とOR51B5は白檀のにおいを感知することが皮膚でも報告されており、皮膚細胞の増殖や分化との関連が分かっている。
2)表皮細胞
表皮を構成する細胞。基底層から押し上げられながら分化し、皮膚バリア機能に重要である。
3)NRF2(NF-E2-related factor 2)(遺伝子名:NFE2L2)
環境ストレスに応答して、生体防御遺伝子群の発現を制御する転写因子であり、皮膚内抗酸化因子の量を調節する。
4)IL-8(Interleukin-8)(遺伝子名:CXCL8)
さまざまな炎症や免疫疾患に関与する炎症性サイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質)の一種である。
※無添加アンチストレス研究
肌にストレスを与えない無添加化粧品には安心・安全だけでなく、素肌美に導く力があることを実証する研究(当社が言う無添加化粧品とは、防腐剤・香料・合成色素・石油系界面活性剤・紫外線吸収剤を使用していないことを指す)
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